【スペースドリフターズ🪐アヤメとノバラのスペースアドベンチャー】
3話 衝撃の真実
夜明け前、まだ薄暗いヤマト東京の街を、アヤメとノバラは早足で歩いていた。
二人は昨夜、図書館で手に入れた情報をもとに、アルティミス42号の謎を解明しようと、秘密の調査場所へ向かっていた。
その場所は、ヤマト東京の地下深くに眠る、移築されたかつての科学技術博物館だった。
博物館の廃墟にたどり着いた二人は、懐中電灯の光で周囲を照らしながら、奥へと進んでいく。
かつては人々で賑わっていたであろう展示室は、今では埃まみれで、静寂に包まれていた。
二人は、資料室と書かれた扉を見つけ、中に入っていく。
そこには、大量の資料が積み上げられており、壁には様々な図表が貼られていた。
アヤメとノバラは、資料の山を漁りながら、アルティミス42号に関する情報を求めていく。
数時間後、二人はようやく目的の資料を見つけた。
それは、アルティミス42号の設計図と航行記録だった。
資料によると、アルティミス42号は、月移住計画の一環として建造された宇宙船だった。
しかし、月到着直前に突如消息を絶ち、行方不明となっていた。
設計図を詳しく見ていくと、アヤメは奇妙な点に気がついた。
アルティミス42号の設計には、明らかに時代錯誤な技術が使われていたのだ。
特に動力装置…。
「ノバラ、これって…まさか…」
アヤメは言葉を濁したが、ノバラはすでに気づいていた。
「まさか、スペースドリフターズの世界と同じ技術って…?」
二人は顔を見合わせ、言葉を失った。
資料によると、アルティミス42号には、ワームホール発生装置が搭載されていた。
ワームホールとは、時空を超えて移動できる理論上のトンネルである。
この理論は、1900年代二コラ・テスラとアルバート・アインシュタインが秘密裏に共同研究していた。
このワームホール理論をタイムトラベル技術に転用する目的で初期のワームホール発生装置が製造されていたのである。
小説「スペースドリフターズ」では、主人公たちがそのワームホール発生装置をを使って、別の世界へと旅立っていた。
まさか、小説の世界と現実が繋がっているのだろうか?
二人は信じられない思いで、資料を読み進めていく。
そして、ついに衝撃的な真実が明らかになる。
アルティミス42号は、宇宙空間航行中ワームホール実験を行っている時に事故を起こし、別の世界へと飛ばされてしまったのだ。
この事件は、あの西暦1943年10月にフィラデルフィアのドックで統一場理論の実験が行われ、1隻の駆逐艦の姿が完全に見えなくなり、360キロメートル離れたバージニア州のノーフォークのドックへ瞬間移動した
という…あの奇妙な事件の真相と重なるのでは?…実はタイムトラベル実験だったのでは?!…ということを科学歴女の二人の脳裏に想像させずにはいられなかった。
その世界こそが、小説「スペースドリフターズ」の舞台だったのだ。
益々二人は興味を掻き立てられる。
なぜ?この奇想天外な小説「スペースドリフターズ」が西暦2024年に発行されていたのか?
まるで未来のこの現代西暦2400年のニュースをあたかも聴き見知ってタイムリープして西暦2024年に戻って書かれた作品?!
えー!二人は驚いて顔を見合わせた。続く
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