教養とは既存の知識や文化に精通することであるが、それはあくまで帰納的な知の集積でしかなく、未来に役立つとは限らない。

　事実だけを集めればいいのではなく、昨今の陰謀論やフェイクニュースに関する熱気は、ありもしないことこそが未来には重要なのだという集合無意識の表れなのではないだろうか。

　欧米のエリート層は徹底して教養を磨くそうだが、我々日本人の強みは空想力にあると私は思う。

　特に70年代アニメは今見ても面白いし、科学忍者隊ガッチャマンのEDにもある様に、「地球は一つ！」を連呼したりしているところに未来を感じる。

　あの時代はベトナム戦争やポルポトの大虐殺、文化大革命など血生臭い出来事がたくさんあったが、それでも日本人はいつかの平和な時代を夢見てアニメを作っていたのである。

　欧米流のやり方に無理に合わせて疲弊するよりも、日本人は日本人らしいやり方で世界と戦っていく時代なのではないだろうか。