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白いページの中に

昨日の夜のこと。テレビから流れた、その曲の一節に。

ふと心をもっていかれた。

好きだった海のささやきが … 

その瞬間「あ、この曲… 聴いたことがある」と、そして「好きだった曲だ」と。感情を揺さぶられた。


だが、それ以上思い出せない。

なぜこの曲が僕の記憶に・・・


すぐにネットで歌詞のそのままを「好きだった海のささやきが」で検索した。一発だった。その曲は

柴田まゆみ『白いページの中に』(1978年)

AppleMUSICで曲名検索をかけてみる。

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残念ながら、柴田まゆみ名義では登録がない。

名曲らしい。たくさんのアーティストがカバーしている。

年代から考えて「ひょっとしたら八神純子の…」と思い聴いてみる。「そうそう、この曲」と思ったのだが。

だが、声が違う。曲はこれだが、こうじゃなかった。

今度はYoutubeで『白いページの中に』と検索。今度はすぐに『柴田まゆみ』の名が出てきた。聴くとはっきりとわかった。


「そうだ、この声。これだ」



ずっと遠い過去。

僕には、この曲、柴田まゆみの『白いページの中に』を聞いていた時期がある。

そして、数秒のフレーズを聴いただけで、これほどにもせつなくなるのは。

僕にはきっと、この曲にアンカーされた思い出がある。



『柴田まゆみ』で検索をかけるとwikiにページがあった。

~wikiより抜粋~
『柴田まゆみ』
18才の時、ヤマハ神戸店に出向いて第14回ヤマハポピュラーソングコンテスト(通称ポプコン)予選に応募した。この時は自作曲『その時まで』でエントリーし、東中国大会で作詞賞を受賞。

これで「ぜひ来年も」と促されたことで自分の持ち作品を練り直し、その後、翌年(1978年)に『白いページの中に』で応募し、地方大会を勝ち抜いて第15回ポピュラーソングコンテストつま恋本選会に出場し、長渕剛『巡恋歌』などと共に入賞。

同年8月、ヤマハ提供のラジオ・テレビ番組「コッキーポップ」のオープニングテーマにも採用された同曲でデビューするも、シングル一枚のみのリリースで事実上引退する。

長渕剛の『巡恋歌』と同時期。かなり売れた曲らしい。


1978年。

まだ小学生だった僕だが、ラジオくらいは聴いていた。そこで繰り返し流れていたのだろうか。

しかし、それだけでこれほどに心に残るものだろうか。

もっと他に何かあるはずだ…



ひょっとしたら当時のお菓子のCMか何かに使われていたのではと考えたが、どうやらそれもない。

コッキーポップという番組にはなんとなく覚えがある。

~wikiより抜粋~
『コッキーポップ』
ニッポン放送他NRN加盟の各局で1971年 - 1986年に放送されていたラジオ音楽番組、または日本テレビ系列で1977年 - 1982年に放送されていた音楽番組。略称は『コッキー』。

いずれもヤマハ音楽振興会が制作協力し、ヤマハの提供で、『ヤマハポピュラーソングコンテスト』と連動していた番組である。司会、パーソナリティも両番組共通して大石吾朗が務めていた。


このラジオ番組を、僕は聴いていたのだろうか。

わからない。

思い出せない。

1978年。

今から42年前だ。



合唱曲にでも使われて歌っていたのかもしれないと思い調べてみたが、その可能性も薄いようだ。


では、なぜ。

この曲がこんなにも。



別れの曲。

いつの間にか私は 愛の行方さえも
見失なっていた事に 気付きもしないで
振り向けば やすらぎがあって 見守る瞳があった事を
サヨナラの時の中で やっと気付くなんて


小学生の僕に理解できるはずもない。

長い長い坂道を 今登ってゆく
好きだった海のささやきが 今は心にしみる
よみがえる午後のやすらぎも 白いぺージの中に


だが。

僕は小学2年生の時に三重から富山に、小学校を卒業すると今度は富山から愛知に引っ越しをしている。

1978年8月にリリースされたこの曲は、小学5年生の時なのでタイミングが重なっているとはいえないのだが。

なんとなく、別れというものを心の奥に刻み付けていたのかもしれない。




真相にたどり着けないままこの曲を巡る旅はここで終焉を迎えるが、

だがひょっとしたら、今この曲と再会したことには何か意味があって、

その答え合わせは、将来の僕がするのかもしれない。

その時まで… 



ちなみに僕が見たCMは映画『ホテルローヤル』でこの主題歌を歌っているのは柴田まゆみさんではなくLeolaさん。観に行ってみようかな。

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