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タイBL映画「Present Perfect」

主演:アディソーン・トーナワニク、クリサナ・マルーカソンティ、玉手みどり
2017年
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=GaGaOOLaLaより)

日本が舞台のタイ映画ということで、興味があり、ずっとウォッチリストに入れていた作品。フォローしている404さんが視聴されたということで、私も一気にテンションが上がり、観る予定だった台湾ドラマ2話を捨てて勢いですぐ視聴(笑)。
(視聴中の7本の華流ドラマ達よ、ごめん。)

上記の記事にあるように、この作品は現在日本語字幕付きでYouTubeで無料公開されているが、私はあえて英語字幕版を観ることにした。

北海道が舞台

アディソーン演じるカメラマンのトーイは失恋し、その傷を癒すために日本人の友人ユミ(玉手みどり演)を頼って北海道に一人旅に来る。誰にも、特にタイ人には会いたくないトーイは、人里離れた別荘地の一軒家に到着した。しかし、隣の家にクリソナ演じるオートという銀行に勤めるタイ人の青年が滞在していた。彼は結婚式を1ヶ月後に控え、婚前一人旅に来ていたのであった。

オートが鍵を忘れて電話を借りるというハプニングで知り合った二人、一緒に観光したり、先に到着していたオートが色々と実用情報を教えたりするうちに、少しずつお互いのことを知るようになるが、まだまだガードが硬いトーイ。
ある晩、二人はスナックに飲みに行くが、そんなトーイとより打ち解けるために、オートは「真実か挑戦か(Truth or Dare)」というゲームをしようと持ちかける。「真実」を選べば質問に対し正直に真実を答えなければならない。「挑戦」を選べば、それに本気で臨まなければならない。そして二人で「挑戦」を選んでは日本酒の一気飲みを競い合った。

翌朝、トーイは目を覚ますと、オートの家の布団で二人で裸で横たわっているのに気がつき愕然とする。僕たちは二人で何かしちゃったんだろうか??

納豆の役割

ナットウキナーゼや大豆イソフラボンの話ではない。
いきなり滞在先のリゾートハウスの冷蔵庫に納豆だけ入っているのは、日本人としても???であるが、この作品における納豆の役割はとても重要である。
未知のものを受け入れるか?受け入れられない場合、もしそれが違う形で提示されたらどうか?自分のセクシュアリティや同性愛というものを、どういうふうに受け止められるのか、そういった葛藤が納豆の食べ方を通して描かれている。日本人としてはなるほどと思ったが、海外の方のコメントでもこの納豆が評価されていたので、よかったと思う(ちなみにこれを観終わった後、納豆を食べた私)。

プロデューサーがこの作品の舞台である北海道の東川町というところに留学していた経験があるそうで、納豆や温泉、その他のロケーションなども彼の体験から物語に採り入れられているのかもしれない。海外の作品でこういう場所がフューチャーされるのを見るのも面白いものだ。

ユミ役の玉手みどりという方は札幌出身のイラストレーター兼ヨガインストラクターだそうで、女優ではないが、この作品ではとてもよかった。主演の二人も俳優としてのキャリアはなかったようだが、逆にこの3人のプロっぽくないところが、この作品に色を添えていたと思う。テンポがスローすぎる、淡々としすぎている、ともっとドラマチック(&エロティック)なBLを求める人には満足できないかもしれない。主演二人もイケメンではないが、とても良かったので、個人的にはオススメである。

現在完了形

英題の「Present Perfect」は英文法でいうと動詞の「現在完了形」である。

過去のどこかで起こったある動作や状態、又は、過去に始まって現時点まで続いているある動作や状態を表現する。

とすると、この物語には続きがあることを予測させる(注:タイ語の原題を知らないので、もしかしたら間違っているかもしれません)。最後のシーンは二人が4年後にバンコクの空港で再会する場面。この時の二人の髪型にも注目である。舞台はタイに戻り、物語は2020年の「Present STILL Perfect」に続いていくのだ。

本当は日本語字幕版でミュートになっている挿入歌を探したのだが、歌手の名前も分からなくて見つからなかったので、こちらの主題歌をリンク♪

こちらが続編↓


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