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悪縁絶って2kg太った話

去年の夏から「でも食べ」をやめた。

「でも食べ」とは

「⚫︎⚫︎でも食べよか」

という食事の選択の仕方である。

よく考えたら

「○○でも食べよか」

なんて。

食べ物に対してこんな失礼なことはない。


昔、テレビで遥洋子さんが語っておられた

『上岡龍太郎が激オコ💢スイッチ入った瞬間』

のエピソードが今でも忘れられない。


確かそのエピソードちゅうのは
その日の番組の打ち上げかなんやったかの
お店を決めるんやったかなんかの時の
なんかやったような……

忘れてるな?


「忘れられない」とふっておいて
忘れてるという
お約束のやつやな?

いや、そーやけど。いちいち説明すな。
話しが進まんではないか。

なんせやね、遥洋子さんが上岡龍太郎さんに

「今日、寿司にする?」

て聞かれてんて。

で、遥洋子さんが

「はい、お寿司でもいいですよ」

と答えてしまったから

さぁ大変。

上岡龍太郎、激オコ💢スイッチ発動。

「きみな、『寿司でもいい』とはどういうことや!?
『でも』とはどういうことやと聞いてんのや、ええ!?」


凍りつく現場。

その場面を想像してチビりそうになりながら

そらそうやん


と納得した。


そらそうやん。

例えば仕事。

A「この仕事を任せられるのは『きみしかいない』」

と言うクライアントと

B「この仕事、『きみでもいいわ』」

と言うクライアントと

どっちのクライアントと仕事する?


ま〜、仕事やから〜仕事やから〜
Aも〜Bも〜しますけども〜♪
※『フリーは哀しいねブルース』より
 

あと

A「きみしかいない」

て口説く男と

B「きみでもいい」

て口説く男と

どっちの男と××する?


「アタシはBよ」

という派は、筋金入りのマイノリティ。

ほぼAやろ、女子のみんな!!


つまり。

「⚫︎⚫︎でも」というのは

強烈な

失礼ぶっこきワード

なんす。

今までごめんよ、
「でも食べ」してきた食べ物たち。

欲していない食べ物を摂取するなんて。

自分の身体にも謝りたい。

空腹でもないのに
流れで食事に行き

空腹でもないのに
何かを口に入れていた。

それに。

仕事中、お昼の3時に
おやつに餃子つついてビール飲むとか!!
完全クズ人間のやることやて今マジで思う。

いや
昼間にビール飲んでもサッと仕事に戻れる人はええねんよ。

私、あかんねん。
いったんアルコールを飲むと完全スイッチオフになってまうねん。

あと、眠気も来る。

なんとか仕事戻ろうとして、いったん仮眠をとって、リセットしたら、もう夜の7時!!ぎゃぺー!!

てなことも数知れず。

クズ人間やないか。

生まれてすびばせん。

あ〜〜〜
こんなこと続けてたらダメだ!!

人生つぶれる!!

そう思いながらなかなかやめられない己の弱さ。

人間はいくらでも

怠惰になれる生き物なのね。

そもそも中華なんていうアッパー系の料理は

「でも」のテンションで食べるもんちゃうんです。

ぐぁー!!中華食べてーえーい!!

と、転がり回るような欲求のもと
サンダルつっかけて走りこむテンションで食べるものなんす。

それを「でも」のテンションで
慢性的に中華を摂取することを続けていた。

と、どうなるか。

ふだん身体が全く中華を欲さなくなってしまったのだ。

どんな空腹の時でさえ

「お昼ごはん、何しよっかな」

の時に中華の選択肢が最初からない。

あたり前っちゃー当たり前。

細胞が麻痺してしまってるのだ。


ここまできてようやく決心した。

この怠惰な日々から足を洗わなければいけない。

で、ある日から中華の「でも食べ」を一切やめた。

流れでなんとなくビールを飲むのもやめた。

おてんと様の高いうちはしっかり仕事して、やることやってからしっかり飲む。

思えば

昼間になんとなく飲むビールは不味かった。

けど今

昼間やることやってから飲むビールはめちゃ美味い。

そんな当たり前のことも思い出すことができた。

これこそが私にとっての

#いい時間とお酒

なのだ。


そして1年以上たったある日のこと。

ふいに体の底から

「中華食べてーえーい!!」

という欲求が突き上げてきたのです。

まさに

サンダルをつっかけて転がり込むように

とある町の中華屋へ。

その日のランチメニューは
酢豚とエビ天という中華の王道コラボ!!yeah!!

プラス、なぜか肉じゃが(左端)

この写真でとこの店かわかる人多いかも


お昼ごはんに
このボリュームいける自分に拍手!!

それだけ身体から
きれいに中華が抜け切った証拠ですわな。

酢豚からの〜白ごはんからの〜、もちろん白ごはんは酢豚の甘辛いタレをワンバンしぃの〜、お塩チョン付けのサクサクエビ天かじりぃの〜と、ひたすら中華天国に浸っていると

隣から

「あ〜ん♡おいひ〜ん♡」

と女子の声が。

見れば、30代くらいのカップルが、仲睦まじげに瓶ビールを飲みながら麻婆豆腐を食べている。

チラリとその皿に目をやると

なるほど

「これぞ町中華の本気でっせ!!」

という迫力に満ちた

実に旨そうな麻婆豆腐ではないか。


「あ〜ん♡あ〜ん♡この麻婆豆腐おいひ〜ん♡」

という女子の甘い声は絶えず続き

「ん……ん……」

と、男性の低い相槌が聞こえてくる。

へっ

へっ

平日の昼間に

なんちゅう声を出すのだ!!

けしからん!!


そうして
しばらくカップルの濃密な声にジッ聞き耳を立てていた私は

やがて

意を決して

こう言った。

「すんませーん、店員さん。ここにも麻婆豆腐一人前」


前述の酢豚とエビ天と(なぜか肉じゃが)を

完食してから

追加注文した麻婆豆腐がこちら。

ライスを少しだけ残しているのは
麻婆豆腐のため

あ〜ん♡おいひ〜ん♡

と私の細胞が甘い声を漏らす。

このようにして

1年以上かけて
きれいに中華が抜け切った私は再び

これほどまでに中華を堪能できる身体になった。


こちらは、ある日の夕食。

夜のコルネとオーレ

この日は

ふいに体の底から

「チョココルネ食べてーえーい!!」

という欲求が突き上げて

サンダルをつっかけて転がり込むように

近所のパン屋さんでコルネをゲット。

しかも

白(クリーム)と黒(チョコ)の

ダブルコルネてあんた!!
スペッシャルがすぎるやないの!!


こうして日々

細胞が欲する食べ物を食べる幸せを味わっていたら

体重2kg増えました

ちゅうお話し。

別名

幸せ太りの一席

これまで。


【注意事項】
文中の『フリーは哀しいねブルース』という曲は現実世界に存在しないので、検索せんようにたのんます。










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