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Netflix映画「シャドー・オブ・ナイト」がめちゃくちゃ狂ってた

イコ・ウワイス主演の超バイオレンス映画『ヘッドショット』を撮った監督が『ザ・レイド』のキャスト陣を集めて何をするかと思えば、めちゃくちゃ狂ったバイオレンス映画を撮った。そんなNetflixオリジナル映画『シャドー・オブ・ナイト』をついさっき見終わった。見終わったばかりの熱量でこれを書いている。ので文章がどこかおかしくなるだろうけどご容赦願いたい。
(ちなみにサムネは人が焼けるさまをゆっくり眺める主演のジョー・タスリム)

※主役

『シャドー・オブ・ナイト』は組織に選ばれし殺し屋イトウ(演:ジョー・タスリム)がちょっとした良心から一人の少女を助けることから始まる。殺し屋と少女。言ってしまえばそこらへんに吐き捨てる程あるプロットだ。だが本作は殺し屋と少女の情を育む描写をそこそこにし、あとは人が死ぬ。死ぬ。殺す。戦う。血が出る。車が横転する。爆発する。内臓が飛び散る。関節が逆に曲がる。脳みそが吹き出る。殺す。死ぬ。死ぬ。滅茶苦茶死ぬ……等が起こる。それでも「フーン、よくある映画じゃん」と思うかもしれないが、本作はその量が桁違いだ。多分本作で流れた血の量は大磯ロングビーチのプールを満たせるし、脳みそが吹き出す瞬間をしっかりとカメラがとらえてくれる。当然内臓が飛び出てもそこだけ画面が暗くなったりしない。そして人がサイコロステーキみたいに飛び散るなる。

この映画は人を殺すとき、銃はほとんど使わず大体鉈か素手だ。ビリヤードの球や牛の蹄で殺したりもするが大体は素手だ。
例えばイトウが金を取りもどすために精肉店を拠点にしているヤクザにかちこみをかける。その時も素手で真正面から襲撃する。何故か? 何故なら銃はファーストフードだからだ(ザ・レイドでジョー・タスリムはそう言われてマッドドッグに殺された)。

そして本作を見て確信したのは「インドネシア人は滅茶苦茶タフ」ということだ。恐らくゾンビより死なない。例えばインドネシア人がナイフで滅多刺しにされたとしよう。普通の人ならそこで死ぬが、インドネシア人はそこからあと30人は殺す。そしてそういうやつがごろごろいる。シャドー・オブ・ナイトを見ればわかる。それは確かだ。

あと本作で最も注目すべきはやはり「イコ・ウワイス」だろう。インドネシアの新星。スーパーシラットモンスター。彼を語る言葉はいくつもある。最近では超傑作SF映画『スカイライン-征服-』の続編で宇宙人を素手でぼこぼこにする『スカイライン-奪還-』に出演し、11月にはのみんな大好きピーター・バーグ監督×マーク・ウォールバーグ主演作『マイル22』にも出演、武術指導で関わっている。

そんなイコ・ウワイスだが本作でもその格闘センスは衰えるどころか増しているんじゃないかというくらいキレキレだ。本当にすごい。あまりにも速すぎて一瞬見えない動きもあった。さらにそんなイコのアクションをばっちり撮影、演出したウワイス・チームの力量にも脱帽だ。ゴアとバイオレンスでも、血とか内臓が飛び出すタイミングが完璧な、技術力の高いゴアとバイオレンスと言える。

本作はそんな技術力の高いバイオレンスをビジュアルも性格も魅力的なキャラクターが彩っている。例えばザ・レイド2でハンマーガールを演じたジュリー・エステル氏は、素性も目的も不明だがなぜかジョー・タスリムを助けてくれる女兵士を演じている。

そんな彼女に相対するは、なんとレズビアン殺し屋カップル。一方は黒髪ショートボブのワイヤー使い。もう一方は金髪ロングのククリ・ナイフ使いとしっかりキャラ分けができている。

この三人が揃うだけでとんでもないインパクトの絵面になるのだが、それが殺し合うもんだから最高だ。もちろん、キャットファイトだなんて生ぬるいものじゃない。非常にゴアで荒々しく、血沸き肉躍る本作の見どころの一つだ。

書いているうちに疲れたのでそろそろやめるが本作はとにかく狂ってる方向にバイオレンスだった。
脚本は勢いだけあるが、逆に言えば勢いを阻害する要素が一つもないのである。これは奇跡に近い作品であり狂人の生み出した芸術品だ。
狂っているので他人にはお勧めしないが魂の映画棚にしっかりしまっておきたい。そんな一作だった。

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