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WAKIMIZU

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散文詩など
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記事一覧

胡蝶の夢

誰かの綺麗な夢の中だけで
生きていられたらいいのになぁ
四季全ての花が咲き乱れて
光が それは柔らかい光が漂っているの
そんな夢の中だけで

朝が来ても、やることはたった一人分の洗濯だけで
気付くとうつらうつらと二度寝して
結局三度洗濯機を回す羽目になった

お昼ご飯はパインアップル
芯を取らずに食べられるやつ
それだけでいい
一人では

去年育てた蝶はきっともう土に還った
今年育てるのは自分

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目覚めの気持ち

人の大切な物を壊す夢ばかり見る

自分の大切な物さえ壊せない臆病者のくせにね

私は私の空いた口を塞ぐためだけに手を使って

そのまま転げ落ちて

頭を打って

死ぬのだ

椿

寒い

寒い
だってそうです誰も
そうするしかないと諦めているから

寒い
砂漠の遠くで冷えていく
体を心を暖められないから

寒い
たった一つのものも
守れぬしがない手は何のためにある

寒い
近くの街にて冷えていく
心を体をしかと知っていながら

寒い
それさえもどうにもならない私に
あの命に涙を流す権利はあるのか

渋谷で?時の夢の中

私は渋谷駅の南口と東口の間にあるマクドナルドを抜けて、そこから続くモールのようになっているアーケードを全速力で走っていた。
呼吸器が痛い。口の中に血のような味が滲んできた。
ビルの隙間から開けた空を見るのが好きで、私は空き地に寝転ぶ。
雲は渦を巻いている。
突然、空き地の目の前の道の向こうから、こちらへ向かってくる激しい音がした。
近づいてくるガソリンと焦げた匂い。
赤ちゃんの人形が付いた火炎放射

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必殺技の内訳

恋に落ちてしまえ
お前も
お前も
お前も

恋に落ちてしまえ
お前も
お前も
お前も

此れを奉り給え
ガランゴ
ガランゴ
ガランゴ

此れを奉り給え
ガランド
ガランド
ガランド

暮なずむ

鳥に注意してね
ギャランボ
ギャランボ
ギャランボ

鳥に注意してね
ミャミャンミャ
ミャミャンミャ
ミャミャンミャ

竹藪出来た
出来たら笑え
笑え 笑え
山笑え

これは呪いですよ
シャランシャ
シャ

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ダークサイドです。お気をつけ下さい。

あっという間に、薩摩芋のジャムも凍えた星月も、桃とジメジメ畝る闇に取って代わるでしょう。

危ないほどピンク色の夕暮れ
足が縺れた
歩けるはずの平らな道
日が沈む
日が沈む
日が沈む

トロッとした闇は香る
鎖と同じ温度が首を縛る
玉虫色に魅了されてはいけない
あの言葉を聞いてはいけない
耳と目は塞いでも
脳の中から見えて聞こえる
見えて聞こえる
見えて聞こえる

古い指輪の夢

海辺では何も聞こえない
サラサラと砂の落ちる
ザワザワと波の押し寄せる

縞模様の中に取り残された
高いところから落ちたせい
頭を打ったから鮮明になってしまった

口から何かがするすると
身体中をペイズリーが這い回っている
とても気持ちが悪いけれど
それではどうぞ
CGの中で必死に
必死にチャールストンを!

1.2.3.4.1.2.3.4.1.2.3.4.1.2.3.4前!後ろ!前!後ろ!
遡行

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独りごちてサイゴニ

山裾が燃え出したとき呟いた イマノアナタヲゼンブクレナイ

重ねれば忘れてゆける思い出も クズレオチタヨトウフノカタマリ

滝壺の白とグレーと青緑 セカイハアラタニアカイヨアカイ

ニューロマンティク

梅林の雑踏
蓮華畑のピンク

光が肩をすり抜ける
大きな袖が靡く
飲み水に顔を浸した
前髪が垂れる

紋白蝶が羽ばたく大きな音
杜若の口づけ

迷いが胸に被される
小さな声が消えて
追い風に強く願った
藍染の浴衣

太陽が燃え尽きる直前の香り
黄金の田が揺れる波

鏡越しの暴風雨
ミュグレーのダンス
回路の変換
黙る赤い山

ワルプルギスの霄

ミーハーなのよ。下世話なのよ。それが1番楽しいでしょう?ねェそうでしょう?

そんなことより花を一輪頂戴。1番真っ黒のをね。

ローリーかよこエズラさちよソフィマリアンエルシー芙蓉ねェそうでしょう?

どんなことよりソレの話が楽しい。1番楽しいのよね。

ジャスミンの香りが充満していても もう誰も気づかない。私達しか気付けない。

こんなに芳しい夜になったから この闇は私達のも

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令和初期、サンセットシティはいい天気

カムパネラは街中鳴り響き
不浄の切っ先がひび割れる 畏る 淡い海 桃源郷

サンセットは街中グラデーション
無常の一刻は迫り来る 私にも あなたにも 平等よ

大都会に住んでいたって 私の家の近所には
躑躅も藤も木香薔薇も 目が痛いほど咲いている

悲しいことが起きたって逃げられない 帰れない
ドルマンスリーブは空を飛べない

橙に桃紫藍色
苦渋の選択が下される お菓子にも 鸚鵡にも 想像よ

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桃色の雲

何百年ぶりの 外歩きだろう
ひどい風で 恐ろしいほどの花弁が踊る
清々しいほど しずかです この街は 今

明日のことは明日のことです
何百人がかつて歌った
昨日のことは昨日のことです
忘れることなどできないけれど
付けっぱなしの日常 消そうとしてやめました

西の空には桃色の雲 目指して歩いてゆこう
西の空には桃色の雲 目指して歩いてゆこう
耳が痛い 千切れそう 心は脆い 千切れそう
西

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ルナティック・パンデミック

壹、

キンコンカンコン

体と心を融解する作業

些細な体と些細な心

ナイフのような音楽

衝撃映像

揺さぶり

ガムランの音

マッキントッシュの起動音

さすらい人の笛



貳、

式場は埋め尽くされている
美しい水色
フランス語の歌声
恙無く執り行われる儀式

太陽と月を殺し

海と山をぶつける

太陽と月を殺し

海と山をぶつける

暖流と寒流の鬩ぎ合い

ダルメシアンの吠え声

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血色是空

涙に浸った睫毛が瞼へ貼り付いた時
時計の針は記憶を失って彷徨うであろう
唐草模様は誰一人として逃がさない
無駄な足掻きはやめて
洗濯物の渦の中へ

まゆらぎがけたゝましく鳴いてゐます

眼鏡を捨てた時に味わった
この衝動は罪だと言われる
街灯が点滅をする度毎に
全部が始まり
気付く間も無く全てが終わっている

頬に赤みを差さねば外にも出られない
この苦痛は何処から芽生えたのだろう
タイダイ染は宇宙

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