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WAKIMIZU

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散文詩など
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2017年9月の記事一覧

晩に

闇来りて家路を急ぐ鳥の大群
それはヒッチコックの映画で観たときより余裕が無く、只々必死に上空を過ぎて行った。
赤色沈む寂しさに暮れて
渦巻いた雲に隠れながら少しずつ輝き始める、青い星月の夜がやって来た。
永遠に明けない宇宙の夜。今晩は。

それでも私達は生活を送らなくてはならない。やりたいことをやる。恋もする。何かを諦めたり、やめたりはしない。

いつかまた戻ってきて欲しい。どうか戻ってきて欲しい

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小豆

_あんな服を着て歩く人の気が知れないよ

_どうして?

_全く男というものをわかっていない

_あらそう?

_あんなどぎつい色を着ている女がいいもんか

_じゃああそこのご婦人も?

_あぁ、だいたいいい年して綺麗な色を着ようなんてのが浅ましいのさ

_じゃあ何を着ろっていうの?

_小豆色でも着ていればいいのさ

_まあ、私小豆色好きだわ。早くいい年になりたい

_バカを言うな。年寄りになり

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