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WAKIMIZU

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散文詩など
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2018年12月の記事一覧

灰色に世は暮れ、明けてまた色為すことを

萬・

仟・

佰・

拾参・衣擦れの音に桜や藤を見て

拾弐・未だ来ない時代の色を夢想する

拾壱・今日が月あしたは日よともどかしく

拾・浮き足立ち砂を掃いて絵をえがく

玖・青高くから降る色と戯れて

捌・今日の地の温もりに任せ溶けてゆく

漆・山茶花も椿も判らぬようになり

陸・太陽の短さに凍え窓の側

伍・橙に灰色の街が負けてゆく

肆・ビルの間に間に閃光は行き渡り

参・目に焼き付いて

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暮れの為のうた

沙羅曼蛇色瞳から発して近付いて来る孔雀の精から五穀豊穣を願って自害を図る振袖姿の娘まで誰の事かも何の事かも分からないまま呑み込み続けた群青色の空の雲をもう誰も見る事は無い

我らの作った恐ろしい街 恐ろしい暮らし 恐ろしい愛 恐ろしい渦

草食動物の夢の中で捥がき続けて死んでしまった私の友人の結婚式は金襴緞子の帯締めたグッピーの群れに襲撃されてウェディングケーキから木苺の血空から金剛石の

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