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「ユーレカ!」が人生を面白くするという話。

本を書いています。 Vol.28

前回の投稿から数日。今回の選挙戦はさぞや盛り上がるだろうと思って期待していたものの、蓋を開けてみれば散々な投票率だったことに衝撃を隠せない上に、湿気でジメジメした日が続いていて、これはもうビールの一杯でも飲まずにはやってられません。

ときに、私の中で人生の三大疑問というのがありまして、まずひとつ目はこれであります。

「人生って何だろう?」

これは、おそらく誰もが思っていることでしょう。しかしながら、いくら考えても全く答えがわからないのですが…。そして、二つ目はこれ。

「面白いって何だろう?」

これは、まさに今回それを解明するためにを書いたのですが、これで終わりではありません。自分の中での永遠のテーマだと思っています。で、三つ目がこれです。

「みんな何を考えて生きているんだろう?」

これについては、SNSができたことで昔に比べれば少しは想像しやすくなったと思います。しかしながら、今回の投票率のような結果を見てしまうと、ますます「ぜんぜん分からないなぁ…」と思ってしまうのです。

そんなことはいくら考えても絶対に分からないのでしょうけれども、VUCAなこんな時代だからこそ、人それぞれに人生を楽しく生きる術を持つべきなんじゃないかなぁと、勝手ながら日々思っている次第です。

では、自分にとって人生の内で最も楽しい時間ってどんなときだろう?と考えると、それは「面白いことを思いついたとき」なんだな、ということに最近あらためて思い至りました。

仕事柄、常に「何か面白いことないかなー」と考え続けてしまう癖があり、感覚的には24時間考え続けているつもりなのですが、本当に面白いアイデアを思いつくことは、滅多にありません。

それでも諦めずにウニャウニャと考え続けていると、あるときパッと思いつく瞬間が訪れたりするのです。それは正にアルキメデスの有名な「ユーレカ!」の瞬間です。

それが結果的に成功するかどうかは置いておいて、何だか頭の中で「カチッ」とスイッチが入ったように感じ、それ以降はそのアイデアをどう実現するか、ワクワクを抑えきれなくなったりするのです。

「これはもしかすると大発見かもしれない…!」

「もしかすると今この瞬間、同じことを思いついている人がいるかもしれない…できるだけ早く実行に移さなきゃ!」

…とかとか、それはもう期待と不安でどうにも他のことが考えられなくなるくらいに、ワクワクドキドキします。

これは例えるなら、男女間によくある付き合う前の関係に近い感覚なのかもしれません。「いけるかな…いや、やっぱり無理かな…」と逡巡している時間が、実はいちばん幸せだったのかもしれない、というのはよくある話です。

実際、思いついたアイデアが、ちょっとググったら似たようなものがワンサカ出てきてしまって、しおしおと肩を落とすこともよくあります。とはいえ、このワクワクな時間があるからこそ、面白いことを考えるのが病みつきになってしまうのです。

ただし肝心なのは、この「ユーレカ!」に至るまでの「ひたすら考え続ける時間」です。

かのニュートンは、リンゴが木から落ちる様子を見て万有引力の法則を思いついたと言われていますが、ある婦人が「どうしてあなたはこの発見をされるようになったのか」と尋ねたところ、彼は「常にそれを考えることによってです」と答えた、という有名な話があります。(ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」より)

アルキメデスも同じです。ただ漫然と風呂に入っていて突然アイデアが降ってきたのではなく、ずーっとそれについて考え続けていた苦悩の時間があったからこそ、ふとした瞬間に「ユーレカ!」が訪れたはずなのです。

つまりは、本当に面白いアイデアを思いついてワクワクする至高の時間を得るためには、それなりの苦悩が必要でもあるということです。それでもなお、考え続けることをしてしまうのは、それだけその至高の瞬間が中毒性を持つほどに魅力的だということです。

それこそ本を一冊読んだくらいでいきなり面白いことがポンポン考えられるようにはならないんです。そこは大変申し訳ないのですが…。

ただ、願わくばその「ユーレカ!」の瞬間を得る喜びをたくさんの人に知ってほしいということ、そして、それが目標として自分の中にあり続けることで人生がグッと楽しくなるんだということを伝えたくて、この本を書いたという所もあるのです。

人が何を考えて生きているのかなんて、いくら考えても分からないのですが、少なくとも自分にとっては、ずーっと「面白いこと」について考えている方が人生楽しいだろうな、と思っているということです。

ここで言う「ユーレカ!」は、何も世界を変えるような大発見じゃなくてもいいんです。むしろ何でもない日常の中で小声でささやくくらいの方がいいかもしれません。

それは例えば、人によっては「ずーっとおいしいもののことを考え続けている」とか、「ずーっと猫の肉球のことを考え続けている」とか、何でもいいのです。自分の好きなこと、自分の好きな瞬間のことだけを考えて生きるのが、やはり幸せな毎日への近道なんじゃないでしょうか。

早いもので、もう発売から1ヶ月が経ちました。方々からチラホラとありがたい感想を頂いております。本当にありがとうございます。まだ読んでいない方も、ぜひよろしくお願いします。そしてできれば、Amazonのレビューでも、忌憚なきご意見を頂戴できたら最高に嬉しいです。そこはひとつ、お手柔らかにお願いしたいところではありますが…。


Photo by Mpho Mojapelo on Unsplash


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