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こないから創った「モテキ」

去年の11月ごろ、ついに手を出したものがある。
「マッチングアプリ」だ。
まだ私たちアラサー世代は、ネットを介しての男女の交流=「出会い系」というイメージが強いかなとは思う。
援助交際のきっかけや怖いおじさんの登場とか美人局、宗教または壷を勧められるのではないかという不安がまだ拭いきれない世代というか。
(ネットリテラシー的にはその不安を持っていた方が安心だと自負しているところあるけど。)

ここ2年くらいでよく耳にするようになって、上京後ますます年頃の男性との接点を持つことがなかった私にとって、やらないといけない気がする存在だったが上記みたいな感覚があって、前向きな気持ちにはならなかった。
それに加えて「マッチングアプリ」に抵抗を感じていた理由に恋人とは自然に出会うもの至上主義が脳内に横行しているということも挙げられる。

ネットで出会うなんていうのは、リアルな世界で出会いがなかった者たちの手段なのであって、マッチングアプリは「モテない人たちの溜まり場」とちょっと蔑んだ気持ちを抱くのが正直なところでないでしょうか…?


実際、友達が「マッチングアプリ使ってる」と言うと、少なからずネガティブな方向で「リアルで出会えなかったのか」と感じはしない?
私も今使っている身だからこそ「あたしもやってる~!!」などとテンション高く話にのれるが、使ってなければ今も変わらず素知らぬ顔のまま、奥底で「私はアプリに頼らず、素敵なヒトと出会うんだもん!」と乙女な部分が主張していたと思う。


ほんとは友達の紹介とか行きつけの飲み屋で偶然とかずっと友達で…とか、そういうので出会いたいのです。(行きつけの飲み屋なんてないけど。)


けれど、現実問題出会いがないのだ!


考えてもみて、20数年間今まで人生で3回あるはずのモテキがなぜまだこない?それとも自覚ないままチケット消費したのだろうか…?
と頭を抱えてしまう事態だ。(モテキ3回なんて幻想だって声は聞こえないんだから泣)
そして友達がマッチングアプリをやっていたことを、恋人いたことない現在出会いゼロの処女アラサー(私)が、蔑んだことが馬鹿らしかった。自分の何もしないくせに人を評価してる姿に飽きたなと思った。
進歩なし。おもんない。


マッチングアプリを始めるにあたって、まだ恋人に自然に出会いたい主義で恋愛に向けて動くのが億劫な私は、あるテーマを設けることでその気持ちを緩和させることにした。
「こないなら創ろうモテキ!」と「これは恋人づくりではなく男友達づくりマッチングアプリだ!」の豪華2本盾。

結局、こうやって少しうがって武装しないと始められないのがプロのこじらせ女子たる所以。
「真剣に恋人探してます。」と書こうものなら、恥ずかしさのあまり自尊心が発作を起こして、絶叫しながら地球一周してこれそうだ。


また道逸れますが、「友達づくりのマッチングアプリ」あったらぜっっったい、流行りますよね!!
というかなぜない?(あるのか?)上京してきた地方出身者としては、ほんとに助かるツールになると思う。
周りで「友達がいない」とか「就職して上京して結婚したから、話相手がこどもか夫だけ」という人が何人もいる。
私も欲しい。

そうやってはじめてみたら。
話に聞いていたが女子はモテる。比較対象がいないのでほんとのところどうなのか分からないけど、
始めるとすぐいいね!的反応が十数件きた。
中には、「めっちゃ可愛くて思わずいいねしました!」とか「趣味が合いそうなので、まずお話しませんか?」とかメッセージ付きなんかでくる。すごい。

余りにも展開が速くて、登録したマッチングアプリ上の私に現実味がなくなって、何万と登録されているデジタルの中に「私」が放り出されて、すこし上の方で浮かんでいるような感覚だった。
(今は、現実感がありつつ可愛めの写真を上げて、○月は何をするのが楽しみ!という近況を
更新することが楽しみの中心となっている。そうだ、日記だ。)

いいね!をくれた人の何人かにいいね!を返し、アプリ内でメッセージのやり取りをして。
その内3人と実際に会うことになった。
人生初の「“デート”で男の人とご飯する」を体験して、それを三週連続。

その機会、年単位でバラバラに来てほしかったな…。だけど、私は行った…こんなタイミングまたいつくるか分からないからな!泣

そうやって恋愛に向かって「行動」をやっとしてみたところ、なんと、現実世界でも出会いがあった。

同郷の学生時代の同級生に誘われて行った年末のクリスマス会に来ていた地方住みの人で、出張で東京にやってくることが多く、その時に気になるお店に行くのが楽しみという甘いもの好きな同い年だった。

その時は知り合いが少ない同士で集まって話しているうちに会が終わり、はい解散となった。

その後会の帰りに参加者のLINEグループに招待され、そこから「さっきの会で教えてくれたお店、気になるから店名もう一度教えて」と個人で連絡を取ってきてくれたのだ。

こんな連絡の取り方ってほんとに起こることなんだ!漫画とか恋愛コラムの体験談とかでしか見たことなかった笑

今も彼とは断続的にLINEを続けている。
しかし、8月の今までマッチングアプリで出会った含め誰とも「恋人」という関係にはなっていない。(マッチングアプリを始めたころに出会い、3週連続デイトとした人たちとは次第に連絡が途切れた。)

・・・どうしてかなぁ~(棒読み白目)
きっとどこかで「恋人」になるきっかけはあったと思う。それか自分から行動すれば前進した瞬間が。
けれど、それが分からなかったし、してみようと一歩踏み出すことは出来なかった。
結局、どんなに趣味が合ったり、かわいいと思ったと言われてもどれもどこか私じゃない私に言われている感覚でどこか他人事のように感じていた。だから、どこか相手を受け入れていない雰囲気が出ていたのかも。

やっぱり、他人に自分をさらけ出すのは怖い。

そして、気づいた。

自分の好きなタイプを大事にすることを。
今までなかったことなので、自分に少しでも好意を持ってくださった方にはひとまず会ってみた結果、今の現状なわけで。正直、どなたもタイプど真ん中ではなかった。

タイプど真ん中の人を相手にするとドキマギしずぎて気持ち悪くなって、帰宅後そんな自分に心底うんざりするという流れがありありと想像できるが、そんな人に会わないと、いつまでも他の友達を変わらないフラットな気持ちで接してしまうようだ。(=恋愛対象という目で見てないし、見ないでくださいといったバリアを無意識に張っている模様。)


それぞれ出会った方とのことはいつか書くかもしれない。
ひとまず、創った「モテキ」の余韻が残っている今のうちに、自分が好きなタイプの人をおこがましいが選んで「恋愛」という方向に改めて進んでみようと思った。

かわいいはつくれる。
じゃないけど、モテキはつくれた。
私はその“偽(ぎ)モテキ”を楽しんでみて、
とりいそぎ尻に火がついた自尊心の火消しをした。結局そういうことだ。