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独立した元スタッフへの言葉と、経営のこと 7.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

2007年になり2軒目をつくることになったぼくは、今度こそ全自動エスプレッソマシンをと考えていたけれど、新品は相変わらず高額だったため予算的に無理だった。
それでも最初の開業から9年も経てば状況も変わり、ネットで探せばチラホラと中古のものを見かけるようになった。ネット中を探しに探し、ついに見つけたものをぼくはヤフーオークションで落とした。
その落札価格 25万円。新品だと定価が10倍ほどもする代物だった。

この落札した全自動エスプレッソマシンの前オーナーは家具屋さんで、そのショールームへ来店されたお客さんへコーヒーを出すためのみに使用されていたものだった。
価格も大切だけれど中古である以上、このときにぼくが最も重要視し決め手となったのは、その使用頻度だった。

このわずか25万円で手に入れたものは、その後何度かの修理はしたものの結局9年間も活躍をしてくれた。そう思うとこれは大当たりだった。
それでも本来ならぼくが基本的に手を出さないはずのものに出したのは予算の都合という理由以外になく、この判断ついてはやはり他の人にはおすすめできない。

中古機器を購入する際に気をつけるべきは、やはり精密な基盤などを搭載したものの場合。
ドゥコンやスチコン(スチームコンベクションオーブン)、既述したエスプレッソマシンなどがそれにあたる。またラミノアであってもサイズが大きなものになってくるとデジタル制御されているものもあるので、その場合も含まれる。
こういった類の精密機器はやはり新品の方がいい。

とはいえ、例えばスチコンなどはとても高価な機器に変わりなく予算がどうしても合わないと判断した場合、ぼくはやはり単に中古を探すのでなくメーカーさんのショールームなどで使用されたデモ機(デモンストレーション用の展示機)を狙う。もちろん理由は、その使用頻度の少なさにある。

一方それは中古でも大丈夫でしょ、と思うのは、例えば一般的なサイズのラミノアやモルダー、油圧式の分割機といったその構造が単純なもの。
こういったものに関しては年式など全くというほどこだわらないし、こだわる必要もないと思っている。
交換すべきパーツは限られているし構造が単純な分、故障することもほぼなければ、オーバーホールをしてもらえば見た目にも綺麗になる。
ちなみにぼくはこれらを中古で安く購入した分、今度は少しお金をかけて使用するスタッフの安全性を担保されるよう、もともと付属している安全装置に加え+αの改造をしてもらうこともある。

iPhoneが走っているようなテスラは新品で、構造がシンプルなワーゲン・ビートルなら中古で大丈夫でしょ、といったイメージ。

つづく


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