カッピングとか 3.
※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。
内田さんにお話を伺っている間にも豆を少しずつ計量し挽いたものを並べられ、お湯を注がれている。これがカッピングかと注視していると、「そろそろいいころだと思いますので、こちらのスプーンを使ってどうぞ」と内田さん。
目前には産地などの違う6種類のコーヒーが並べられた。それぞれ豆の焙煎加減も違えば、香りもまったく違う。
「これ、ローストが違うのは豆の特徴によってそれぞれに合ったものに焙煎される方が調整されているということですよね?」
「はい、もちろんそうです」
当然、すべてがぼくが苦手、飲めないと言い続けていたブラックで、それぞれの銘柄、産地といったものもわからない。
仮にわかったところで、ぼくには先入観にすらならないだろうけれど。
何はさておき、はじめてのカッピングを経験させていただいた。
「あっ、これは美味しいです。ぼくでも全然平気です」
「これは、ぼくのイメージするコーヒーに近いです」
「これは、少しクセが強い気がします」
「あっ、これめっちゃ美味しいです。少し甘みがあって飲みやすいです。これ、何も入っていないんですよね?これなら水のようにガブガブ飲めます」
あぁ我ながらなんて語彙の貧相な素人丸出しの感想だと思ったけれど、結論から書けばどれもすべて美味しく飲めた。
中でも「これとこれは・・・」と、ぼくが特に良い反応をすると内田さんが「おっ!」と言われるので、「もしかして、少しは違いのわかる男になっていますか?」と訊くと「嬉しいです」と笑顔をされていたので、ぼくの味覚も少しはマシになったのかもしれない。
カッピングをさせていただいたうちの2つはゲイシャという希少な品種だったけれど、同じ品種でもまったくというほど味が違うことも知ることができた。
味などの判断基準ができたのもまだ最近であることやその判断方法、スペシャルティコーヒーの歴史そのものがまだ浅いことを考えると、話を聞けば聞くほどそれは、ワインのテイスティングに倣ったものだと感じた。
つづく
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