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OKRを成功させるための3つのポイント

スタートアップを中心に導入が増えてきたOKR。
社外の方に「どうやってるの?」と聞かれることが増えてきたので、名著『OKR ― シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』(クリスティーナ・ウォドキー著)を引用しながら、成功させるためのポイントをまとめてみました!(私もすごくマスターしてるわけではないので、勉強がてらです)

OKRとは? Objective and Key Result(目標と主な結果)の略称。目標と目標達成度を測る指標をリンクさせ、企業やチーム、個人が向かうべき方向とやるべきことを明確にする目標管理手法。1970年代にインテル社が採用し、グーグルやジンガなど、数多くのグローバル企業が採用している。



1. Objectiveは関わる人たちを鼓舞する内容にする

ありがちなのが、Objectiveがただのやることリストや結果になっているケース。例えば、「売上30パーセントアップ」や「新規システムの導入」など。Objectiveはそれを持って関わる人たちや自分自身を突き動かす内容にしなければなりません。
本書の中では、Objectiveの設定について以下のように書かれています。

Objectiveは従業員が毎朝、わくわくしながらベッドから飛び出すようなものにしよう。CEOやベンチャー・キャピタルであれば、コンバージョン率が3パーセント上がった朝、喜びのあまりわくわくしながらベッドから飛び出すかもしれない。しかし、ふつうの人は、仕事の意義と進歩を実感したときにわくわくするものだ。そして、チームに合った言葉を使おう。「勝ち取る」や「刺さる」のようなくだけた言葉のほうが心に響くなら、そうした言葉を取り入れよう。”

「ベッドから飛び出すような〜」という表現、すごくいいですよね。熟考してこういったワクワクするようなObjectiveを見つけるのがOKRの醍醐味かなと思っています。


2. 達成可能性50%のKey Resultsを設定する

一方KRは、定性的なObjectiveを「どうやって達成したと分かるのか」可能な限り定量化して設定していきます。一般的には1つのOに対して、3つのKRを定義します。
ポイントとなるのは、難しいが不可能ではない(達成できるという自信が50%の)KRを設定するということ。
本書の中では、KRの設定について以下のように書かれています。

OKRは常にストレッチ・ゴールにしなければならない。そのためには、OKRに10分の5の自信度を設定するとよい。自信度10分の5とは、「目標を達成できる自信が半分しかない」ということだ。(中略)失敗すると罰せられる会社では、従業員はやがて挑戦することをやめてしまう。大きな成果を挙げたいのなら、人がより遠くに手を伸ばしても罰せられないようなやり方を確立しなければならない。”
“自分のKRを見てみよう。「これを達成するためにはあらゆる面でベストを尽くさなければいけないな…」と腹のそこからむずむずしてきたら、おそらく適切な目標だ。うつむいて「無理だ」と思ってしまう目標は高すぎ、「ちょっとがんばればできる」と思える目標は低すぎる。”


メルカリでは評価に関して、未達成=マイナスではなく、チャレンジングな目標に対しての個人の成長を評価するようにしています。全員が積極的にストレッチして、高い成長を目指せる仕組みが何より重要です。


3. OKRを日常の一部になるよう運用する

気合いを入れて設定したOKRも、常に意識をしてアクションをしていかなければ日々のインシデントによって、タチマチなかったことになってしまいます。
本書の中では、OKRを日常の一部にする(フォーカスする)ために、月曜日のチェックイン、金曜日のウィン・セッションという2つのミーティングを行うよう書かれています。


チェックイン・ミーティングでは、それぞれのKRの進捗や優先事項、ブロッカーについて共有し、達成に向けてチームで協力をしていきます。
ウィン・セッションでは、1週間の成果を発表しあい、チームで盛大に祝います。エンジニアであれば作業中のコードを、デザイナーはモックなど。営業部門であれば、成約に至った顧客の紹介など。どんなチームでも共有できるものはあるはずです。ポイントは、達成した仕事を祝うことに集中すること。誰もが高い目標に対して厳しい1週間を送ってきた終わりには、できたことに目を向けましょう。

“毎週、週の初めに優先事項を設定するのも効果的だ。O(目標)を実現できるよう、チームとほかの社員に対してコミットする。毎週金曜日に、その週に達成したことを讃えて1週間を締めくくるのが、パフォーマンスの高いチームだ。この“コミット”と“お祝い”のペースによって、“実行”の習慣がつくられる。


OKRに限らず、目標管理手法は目標設定とそれを実現するための運用に乖離が起きがちなので、上記のようなアクションは形は変えたとしても漏れなく行うことが重要だと思っています(成果を分けるポイント)



すごく簡単にですが、重要なポイントを3つに絞ってまとめてみました。
OKRは概念自体わかりやすいので、それだけでわかった気になってしまいがちですが(このエントリーとかw)、本書を読むことでその効果と重要性を10倍理解できると思います。前半ストーリー、後半方法論でまとめられていて、読みやすい構成でオススメです。


OKRを使うこなすためにはとにかくたくさんのトライアンドエラーが必要だと思うので、私自身もチームで運用する中での気づきをいろいろな形でまとめるようにしています(↓たとえばこんなふうに)

「こんなふうに運用するといいよ」とか「こんなツールあるよ」など、いろいろ情報交換しながらOKRを使いこなすチームが増えると嬉しいな〜と思っています◎

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!