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池袋とアート

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池袋が画家や彫刻家の多く住むアトリエ村だった、池袋モンパルナスと呼ばれたアートとの関わりを深掘りしていくマガジンです◎
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記事一覧

池袋とアートについて

池袋とアートについて

おはようございます。池袋西口通信社の中の人です。池袋の西側には90年くらい前に木造建築のアトリエが沢山ありました。

池袋は今もなお、「アート」と深い関係にあります。池袋に潜むこれまでのアートとこれからのアートをちょっとずつ深掘りしていく企画が始まります!

まずは、皆さんご存知の「池袋モンパルナス」から、池袋のアート事情を調べてみようと思います。皆さんの情報提供もお待ちしております!

それでは

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池袋モンパルナスについて

池袋モンパルナスについて

おはようございます。池袋西口通信社の中の人です。池袋の西側には90年くらい前に木造建築のアトリエが沢山ありました。
池袋は今もなお、「アート」と深い関係にあります。池袋に潜むこれまでのアートとこれからのアートをちょっとずつ深掘りしていく企画が始まります!

まずは、皆さんご存知の「池袋モンパルナス」から、池袋のアート事情を調べてみようと思います。皆さんの情報提供もお待ちしております!

それでは!

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池袋
モンパルナス
ーすずめが丘アトリエ村跡ー

池袋 モンパルナス ーすずめが丘アトリエ村跡ー

要町駅から歩いてすぐのところにある「すずめが丘アトリエ村跡」。他のアトリエ村と比べ、複雑に入り組んだ住宅街の一部となっているように見えました。

かつての「培風寮」は現在建て替えられ、賃貸アパートになっています。靉光を代表とする著名なアーティストが創作活動を行なっていました。

それでは!次回をお楽しみに!

靉光
と
シュールレアリスム

靉光 と シュールレアリスム

靉光(1907–1946)といえば、すずめが丘アトリエ村を代表する画家。《眼のある風景》は日本におけるシュールレアリスム絵画の先駆的な作品。一方で、ルドン(1840–1917)は象徴主義の作家です。彼は「眼」をよく描きました。時代は違いますがよく似た絵です。

靉光 《眼のある風景》 1936年 102✖️193.5cm 東京国立近代美術館 

       ルドン 聖アントワーヌの誘惑より 18

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アトリエ村の起源

アトリエ村の起源

数々のアトリエ村はどのようにして成立していったのでしょうか。村の起源を調べてみました。

1924年に詩人花岡謙二が培風寮を開寮。

28年には地主の奈良慶が絵描きの孫のためにアトリエを新築しました。これがすずめが丘アトリエ村の起源となりました。

35年になると、アメリカ帰りの初見六蔵・こう夫妻によってさくらが丘パルテノンの建設が始まります。

そして、38年にはつつじが丘アトリエ村が建設されま

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松本竣介について

松本竣介について

松本竣介(1912–1948)は、靉光と同じくすずめが丘アトリエ村を象徴する画家。

彼は主にどことも言えない都市の風景を描写する風景画や、人物画を得意としていたようです。とはいえ、彼は様々な画家たちの作風を自らのものにしていました。

松本竣介 《構図》 1940年 37.5✖️45.5cm 個人

カンディンスキー 《Composition》 1924年 22✖️18 ストラスブール近現代美

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池袋モンパルナスとモンパルナス

池袋モンパルナスとモンパルナス

なぜ、池袋がモンパルナスと呼ばれたのでしょう。詩人小熊が「池袋モンパルナス」という詩を読んだことは大きなきっかけです。

▲池袋周辺の空撮写真

しかし、その背景には「地理的」、「人種的」な意味において見逃せない共通点がありました。丘の上の「上野」(=パリで一番高い丘モンマルトル)とダウンタウンの「池袋」(=下町モンパルナス)や「多国籍アーティストで賑わったモンパルナス」と「地方出身者で賑わった池

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熊谷守一美術館
について

熊谷守一美術館 について

熊谷守一(1880-1977)はさくらが丘パルテノンとつつじが丘アトリエ村の間あたりに居を構えていました。

浮世離れした生活スタイルはアトリエ村界隈の若手アーティストから尊敬を集めていたようです。美術館は、1985年に熊谷の次女・榧氏が開館しました。後の2007年には豊島区立となりました。

▲入館時にもらえるパンフレット

▲チケット

1階から3階まであり、3階は貸しギャラリーとなっています

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アトリエ村と太平洋美術会

アトリエ村と太平洋美術会

アトリエ村を代表する作家といえば、靉光、麻生三郎、井上長三郎、寺田政明、松本竣介、吉井忠などが有名です。彼らの共通点はなんでしょうか。

彼らは当時谷中にあった「太平洋美術学校」の生徒でした。現在学校は「太平洋美術会」(西日暮里)として、当時のように若き才能を才能を世に輩出しています。明治から令和にかけて、芸術家を育てる歴史ある教育機関です。

             ▲初代校長 中村不折

 

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つつじが丘アトリエ村と安部公房

つつじが丘アトリエ村と安部公房



           ▲つつじが丘アトリエ村跡

様々な芸術家が出入りした「アトリエ村」。たとえば、つつじが丘アトリエ村には芥川賞作家の安部公房(1924-1993)も出入りしていました。

また安部と共に、1950年に結成した「世紀の会」のメンバーである勅使河原宏や瀬木慎一も同じように出入りしていたようです。

それでは!次回をお楽しみに!

もっと知りたい!
池袋モンパルナス

もっと知りたい! 池袋モンパルナス

池袋モンパルナスについて、もっとも確かでわかりやすい情報に触れられる場所があります。

それは、「豊島区立郷土資料館」です。池袋西口から歩いて約10分です。「IKE・Biz としま産業振興プラザ」の7階にあります。東京芸術劇場に向かって歩き、劇場通りを警察署に向かって真っ直ぐ歩くとすぐに見えてきます。

そして、「豊島区立郷土資料館企画展示室」では、「生誕120周年 小熊秀雄 遊歩者のスケッチ」が

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展示会レポート 「小熊秀雄
遊歩者のスケッチ」

展示会レポート 「小熊秀雄 遊歩者のスケッチ」

豊島区郷土資料館で開催されている展示、「小熊秀雄 遊歩者のスケッチ」では小熊の全作品を鑑賞することができました。

小熊は詩人でしたが、池袋を遊歩しながら多くのスケッチを残しました。展示会場では、彼の詩とスケッチのコラボレーションをみることができ、小熊の創造的な世界を感じることができました。

それでは!次回をお楽しみに!

展示会レポート②「小熊秀雄
遊歩者の
スケッチ」

展示会レポート②「小熊秀雄 遊歩者の スケッチ」

3月13日に終了した「小熊秀雄 遊歩者のスケッチ」では小熊のさまざまなスケッチを鑑賞できました。

「池袋モンパルナス」がテーマの展示会では小熊の《夕陽の立教大学》がよく展示されます。

     ▲水彩、インク、クレヨンなどで描かれた個性的な描画

実は、他にもたくさんの個性豊かな作品があることに気づきます。例えば、上に載せた漫画やイラストチックな作品もその一つです。イラスト史の文脈から検討して

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書籍の紹介「アトリエのときへ
10の小宇宙」

書籍の紹介「アトリエのときへ 10の小宇宙」

2018年2月6日から3月25日まで開催された展示会「アトリエのときへ 10の小宇宙」のカタログのご紹介。

建畠覚造、麻生三郎、吉井忠、桂川寛、入江比呂といった池袋モンパルナスを代表するアーティストの貴重なアトリエ写真が載っています。

このカタログの大きな特徴は、アーティストたちが具体的にどの地点にアトリエを構えたのか、現在の住所と地図とともに紹介している点。実際の足跡を辿れるのはとても貴重で

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