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ヨイショの男、惟光くん物語

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「あの時代劇シリーズ」のテーマである著作権以前の時代の名作源氏物語の出来るキャラ、惟光くんの理不尽溢れるブラック企業平安王朝で主、光源氏ヨイショひとつで成り上がる物語。
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ヨイショの男、惟光くん物語#1

ヨイショの男、惟光くん物語#1

今は今、

電子の板でよしなし言
あまたさぶらひける中、
一服な清涼剤になればと千年前に著作権が切れているので堂々と源氏物語の二次創作。という名の

振り切ったコメディを一作、投稿し奉りまする…

第一話、光と惟光

作者が鶴屋東館地下一階のアフタヌーンティールームに行くとそのカフェの一番奥で長烏帽子に直垂姿の高校生くらいの可愛い顔立ちをした男の子がぼ〜っとした顔でショートブレッドをかじっていた。

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惟光くん物語#2五条の干瓢

惟光くん物語#2五条の干瓢

第二話・五条の干瓢

僕と光る君の17歳の夏。

あれは五条の家の干瓢の花が開いていた頃でした。

「んもう、光る君がお見舞いに来て下すったお陰であたしったら病気が治るどころか若返っちゃうかも〜」

なーんて、光る君を前に調子のいい事を言っているおばさんは…僕の母です。

ここは平安京の五条にある僕の実家。

病気がちになって臥せっている僕の母の見舞いに源氏の大将こと光る君が来て下さったので、母を

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惟光くん物語#3 揉み消して、秋

惟光くん物語#3 揉み消して、秋

程なくして光る君は夕顔の花をくれた女主人と逢瀬を重ねるようになりました。

夕顔の君との逢瀬から帰った光る君のデレデレしたにやけ顔といったら!

あれを脂《や》に下がっている。って言うんだな。って僕は思いましたよ。

「で、さ~あの人が頼りなく僕の胸にもたれるところなんて男としてはもうたまんないんだよねえ…
ちょっと惟光くん聞いてる?」

「はいはい聞いてますよ」

こっちは雑用が立て込んでいて忙

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惟光くん物語#4相方、源良清

惟光くん物語#4相方、源良清

源氏物語「若紫」より脚色

夕顔の君急逝から半年が経ち、光る君18才の三月。

平安京の底冷えが過ぎて梅の花開き、高貴な殿方たちも「どっかいい女いないかな~」とそぞろ歩く季節だというのに…

光る君ったたら瘧《おこり》(マラリア)に罹ってしまわれたのです!

発熱と全身倦怠感で苦しむ主を前に新入り従者の良清くんは、

「ど、どうしようどうしよう…惟光せんぱい」

とおろおろするばかり。

ここで新

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惟光くん物語#5 運命の人、紫ちゃん

惟光くん物語#5 運命の人、紫ちゃん

皆さんお久しぶりっ!

僕の名はは藤原惟光、お肌すべっすべの18才。

世界的にも有名な好色一代男、光源氏の従者だよ。

前回までのあらすじ、

瘧《おこり》(マラリア)に罹った我が主、光る君は北山に住む高僧の祈祷で何とか散歩できるまで回復したものの…叡山電鉄15分(当時は無かったけどね)の寺と坊さんしかいない北山でスキル「垣間見(覗き見)」を発揮し、
尼君のお孫さんと思われるまだ10才前後の可愛

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惟光くん物語#6、光源氏計画

惟光くん物語#6、光源氏計画

「たったひとりの保護者であるおばあ様を亡くされて姫君はさぞ心細く過ごしておいででしょう。お悔やみに行ってくるよ」

とこの時は僕を置いて光る君は姫君のお屋敷へと向かったのです。

翌朝、なんか落ち込んだ感じでお帰りになった光る君は、

「ゆうべは激しい霙《みぞれ》が降っていただろう?

僕女性ばかりの家で宿直の代わりをしてあげたってのにさ、とにかく少納言の乳母が
『あなたは信用できません!』と付き

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維光くん物語#7十六夜焦り命婦

維光くん物語#7十六夜焦り命婦

作者
「ちょ…惟光さん、一体どこまで私をつれ回す気ですか」

惟光
「『源氏物語』の話どおりにインタビューなさるなら僕よりも詳しい人がいますのでその人のお家にご案内します!」

作者
「まさか奮発してこじゃれたランチを食べる店がぽつぽつある上乃裏(上通の裏道)が一瞬して迷路になろうとは」

作者が惟光くんに連れて来られた店は蔦がはびこった赤レンガの壁、重そうな木の扉の横にはランプ。

という中に魔

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惟光くん物語#8紅花姫、焦らないで光くん

惟光くん物語#8紅花姫、焦らないで光くん

はいは~い、私の名前は大輔の命婦。

今回の常陸宮の姫君に関しては惟光くんに代わって光源氏のやっちまったストーリーの語り部を務めまーす。

短期間のお付き合いですけどよろしくお願いしまーす。

前回までのあらすじ

宿直の時に私が世間話ついでに私の祖父、故常陸宮さまの末娘の姫君の不遇を光くんに教えるとちょうど

「身分はそんなに高くなくてもいい心安らげる恋人(つまり夕顔の君の代わりだ)が欲しい!」

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惟光くん物語#9花の宴に立場も朧

惟光くん物語#9花の宴に立場も朧

「花宴」脚色、光源氏二十歳の春。

のっけから僕は怒り心頭で我が主を尋問しています。
僕と光る君との間には見るからに高貴の姫のものと思われる扇。

こうして膝付き合わせて光る君が目を合わせてくれないのは、

それは本当にやっちまったかもしれない…とお思いになられているからなのです。

「では、この扇の持ち主は本当に右大臣家の姫君のものだというんですね?」

「た、たぶんそうだと思います。惟光さん…

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惟光くん物語#10祭りのあと

惟光くん物語#10祭りのあと

源氏物語「葵」脚色

皆さんお久しぶり!
作者の方に諸事情があってなかなか更新されなかった社畜惟光物語も残りあと三話か四話。

前回までのあらすじ。

わが主の光る君が一夜だけのアバンチュールの相手が政敵右大臣の娘だったにも関わらず右大臣家のパーティーに招かれて意中の姫君を見つけ出しちゃったよ!

となんか異次元転生タイトル風で失礼いたしましたが、恋多き男は失う愛もまた多いもの。

今回は光源氏が

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惟光くん物語#11そこに合意はあったのかい?

惟光くん物語#11そこに合意はあったのかい?

源氏物語「葵」脚色

光源氏の社畜、惟光くん物語もいよいよ佳境。

今回は衝動に負けた光源氏
(いつも負けっぱなしじゃねえか。なツッコミ全て受け止めます)
が焦ってやってしまったお話です。

正室葵の上を亡くした光る君は妻の弔いと産まれたばかりの夕霧くんの誕生祝いの儀式を同時進行させなければならず、葵の上のご実家左大臣邸にこもりっきりです。

夕霧くんが笑えば「ごらん、この子は私によく似ている」と

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惟光くん物語#12行き行きて、須磨明石

惟光くん物語#12行き行きて、須磨明石

皆さん、僕の名前は藤原惟光25才。平安中期の価値観ではちょい枯れです。

近衛大将光源氏の執事職である家司《けいし》。という役職で貴族の端くれなのですが…

冒頭から僕は泣きながら荷物をまとめて妻子に別れを言っています。

「いいかい、最低でも3年は都に帰らないつもりだからお前たちは実家に帰ってあまり目立たないように過ごすのだよ…

あのフ○ッキンな右大臣の世の中なんてどうせ長くは続かないだろうか

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惟光くん物語#13救いの主、マスター明石推参

惟光くん物語#13救いの主、マスター明石推参

光源氏とその従者たちは隠遁先の須磨で最初は別れた妻子を思って泣き暮らしてましたが二月三月も経つと…

「こうして田舎暮らししてると俺たち通勤しなくても食うのに困らないいい身分だったんだなー」

「ほーんとほんと落ち延びてきた貴公子、と現地で噂が広まって頼んでもいないのに漁師たちが貢物くれるし新鮮な海鮮うめーし隠遁ライフも悪くないなー」

と宮仕えから開放された僕らは貴族階級の有り難みを噛み締めなが

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惟光くん物語#14明石の桃源郷

惟光くん物語#14明石の桃源郷

皆さんお待たせ!
光源氏の一番の従者である僕、藤原惟光の物語も残すところあと2回。

隠遁地、須磨を離れて変わり者の入道に無理矢理連れてこられた感のある明石での新生活が始まりました。

光る君は早速都にいる縁者全てに

自分は須磨から明石に避難したから大丈夫。

という旨の手紙を書き、最後に「都でも天変地異が続いて皆恐れ慄いています」という内容の手紙をくれた愛妻、紫の上への文を書く時には一章読む毎

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