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からふるな出逢い。【インドア目線】

鳥取での数々の出会いの中で、僕にとってはひとつの大きな出来事。

鳥取市のアート系の作業所さんが、
27日までクラウドファンディングに取り組まれています。

●【障がい者アートの発信拠点を創り、商店街も元気にしたい!】
https://www.makuake.com/project/artcolourful105/

今では、市内のお店だけでなく、大学の近くなどでも作品展をされたりと、活動の幅を広げておられますが、

彼らに僕が始めてお会いしたのはもう少し前、

僕がギャラリー巡りを始めて、まだ1年も経たない時のことでした。

僕の歳以上の画歴を持たれている方、
県外や海外で活動されている方など、

ギャラリーに通うたびに様々な人との出会いがあり、

目にした作品も、
鳥取に長年住んでいる方なら「ああ!あそこか!」と誰もが反応する風景から、

もっとパーソナルな、
旅先や生活での小さな発見を作品にしたものまで、

それはもう、
インドア男子が「鳥取は楽しい!」と思うことのできた要因のひとつでもありました。



そんなテンションの延長で出会った、彼らの作品展で

ひとつの作品が僕の目に留まります。

赤・黄・緑…
様々な色のポストイットに、

メモか備忘録かのように書きなぐられた

キャッチコピーやドラマか何かのセリフ
あるいはそれらをモジッたオリジナルメッセージ…

それらをビッシリと
キューブに貼り付けた作品でした。

ギャラリーに行くと、
作家さんと直接お話しすることができるのですが、

この作業所でアートに取り組んでおられる方には、

直接言葉を交わすには、少し時間や配慮が必要な方もおられます。


当時の僕も
「話していいんだろうか…コメントしていいんだろうか…」ぐらいに感じていましたが、

ポストイットの数々を見ているうちに、
ふわ~っと湧いてくる親近感

彼らも、テレビドラマを見ていたり、


雑誌を読んでいたり、


好きな食べ物があったり…。

僕らと同じ、感情 キモチ こだわり…

それらが嘘なく投影されていることが
その作品から、伝わってきたんです。

その折、

作者の親御さんがちょうど会場におられたので、

エピソードを聞いたり、

こんなインドア男子が客に来たよという話が
作業所の職員さんへとつながり、

最終的にインドア男子は、

Facebookを頼りに、直接作業所へ突撃したのでした…。

当時から僕は、絵がうまくなるためではなく
人と会うためにギャラリーに突撃していたとはいえ、


肩書きでは美術部の部長だったということもあり

「だれよりも美術に興味がなくちゃいけない


(むしろ学問的なことや技法への興味はあんまりないのに)

「絵がうまくなければ、それを見せつけなければいけない」


(むしろ同期で一番下手で、上手くなる気もないのに)

無意識的にとはいえ、
アートの道の先輩からの言葉を日々聞いているうちに


ぼくも「◯◯しなければならない…」と、

無意識に自分で自分に嘘をついて縛り付け

苦しかったところでした…。

しかし、

あのポストイットの作品と出会って以来、

嘘ついて描きたくもないことや興味のないことは

自分が部活内外で作る作品には
入れなくなり、

「まあ…これが井澤の作品だわな…」と周りから言われるものが、

よりハッキリと固まるようになったのも、
この頃でした。

時は経て今年、
僕は、まちぐるみの芸術祭のお手伝いや

小さなカフェでの展覧会のコーディネートを
させていただくこともありますが、

ホントに圧倒される作品、


見てて気持ちよかったり、清々しくなったり
この発想はなかったわ!と人々が唸るモノが
目の前にあると

今日初対面の見知らぬ人の間でも
なんだか雑談がはじまったり、

狭いジャンルの話が起こるだけでなくて
地元の世代を越えた人と人とが話すキッカケになったりと、

0から1が生まれ、
あるいはすでにあるけど今まで引っ付かなかったものが
ここで結び付いたりしています。

僕も、描く側・作る側に立つこともありますが、
彼らのようにパワフルな作品を作る力はありません。

(むしろ今は、どうやって人と人とが個人単位から繋がるのかをセットする ほうに興味が向いてしまいます)

彼らのパワーが市街地、商店街に現れ、

彼らのアートによって、

誰かと別の誰かが、話すキッカケになったり。

普段出会わない発想に、想いを馳せるキッカケになったり。

そこからいろんな人と人とが、
真の意味で繋がったり…

もしくは僕のように、
自分自身の気持ちに気づける力も。

彼らや彼らのアートが、
そんな接着剤になったり、

彼ら自身がまた誰かと繋がったりすれば、

とっても素敵だなと思います。

もしよろしければ、
「からふる」さんにご支援していただけると幸いです。

活動の一例:https://www.facebook.com/1425632597710465/posts/2004324999841219/

~終~

読んでいただきありがとうございます。いただいたサポートは、鳥取のアートシーンで活動されている方々を応援する際に使わせていただきます。