或一時の熱狂から冷め、視界が広く明るく解放されていくと、熱中していた頃の振る舞いの一切が、ビデオの中の自分のように、酷く幼稚で滑稽に思えて恥ずかしくなる。
過去に満足する事は、未来に対して失望する事よりも、遥かに困難だ。猛る狂奔の渦から飛び出してくる僅かな理性を頼りに、人は後悔と懺悔の城塞を築き、その中に閉じこもり時が過ぎるのを待つ。だが人生には、いつまでも後悔の嵐が吹き荒れている。後悔しないように生きる事など出来ない。何を選んでも、何をしても、何をしなくても、生き続ける限り後悔に悩まされていく。それでも、何もしない事など出来ないから、皆諦めと投げやりの微笑を浮かべ、また後悔を重ねていくのだ。