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Apple製品のネーミング

今回の投稿は、Quoraにおいての2020/11/30の投稿です。

1.質問『なぜiPhoneを使っている人は電話やスマホといわず「iPhone」というのでしょうか?「mac」ともいいますよね。鉄っちゃんが車種をいうような感じですか?』

質問ありがとうございます。
iPhoneやMacを製造販売しているAppleという企業は、明らかに自社製品を、そういう愛称で呼んでもらおうとしていて、しかも、
その販売戦略が成功しているということだと思います。
日本が誇るSONYと比較してみるとわかりやすいと思います。
以下、AppleとSONY製品のネーミング比較です。

2.『スマホ』

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・iPhone-Apple

iPhoneという名前に世代ごとのナンバー。
ジョブス復帰後の大ヒット製品『iMac』から、一連の"i"シリーズ。
しかもiPhoneはiMac以上の大ヒット。

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・Xperia PRO-I(XQ-BE42)-SONY

『Xperia』の後に必ず型番。

3.『ノートPC』

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・MacBook Pro-Apple

MacBookの『Mac』とは、
Apple1984年のデスクトップPC『Macintosh』から『Mac OS』が登場し、
1998年『iMac』『Mac』というネーミングがハード側に登場し、
2006年以降ノートPCも『MacBook』で統一。

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・VAIO SX14 VJS1441-SONY

VAIOという名前は通ってはいるけど、新製品として大きく打ち出しているのはやはり型番。
そもそもSONYは、VAIO製造自体を別会社として切り離してしまった。

そして、一番わかりやすいのが、

4.『イヤホン・ヘッドフォン』

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・AirPodsシリーズーApple

それまでBluetoothワイヤレスイヤホンの分野は、SONYとBoseの2強が競い合っていた。
特にそれまでノイズキャンセリング機能搭載はヘッドフォンのみで、
ノイキャンBluetoothイヤホンはありそうでなかった。
2017年 そのBluetoothイヤホンの分野に、Appleがいきなり『AirPods』で参入。

2019年 さらに続く『AirPods Pro』はBluetoothノイキャンイヤホンを実現。

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・WF-1000XM4ーSONY

完全に型番が製品名。

5.携帯音楽プレイヤー

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・iPodーApple

Appleの携帯音楽プレイヤーといえば、『iPod』
現在でもAppleから製造販売されているのは、『iPod Touch』のみ。

ただし最近Apple日本版公式ページのメニューバーからも、iPodの項目は消えてしまいました。

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・WALKMANーSONY

有名なWALKMANシリーズも、最新版はやはり型番ネーミング。

もちろんネーミングの親しみやすさが売上にどれほど貢献しているかは、証明しようもないですが、
普通に『WF-1000XM4』より『Airpods』の方が覚えやすいと思います。

6.iMacなど『i』シリーズに込められた意味

以前に書いた上に貼ったnote記事(の後半)に詳細が書いてあります。
『iMac』から始まる『i』シリーズのネーミングを考案した、
『ケン・シーガル』氏のAppleにおける広告戦略を紹介しています。

ここでは、上の記事で触れなかった、『i』に込められた意味を簡単に説明します。

Steve Jobs: Original iMac Preview - Apple Special Event 1998

1998年5月6日『Apple スペシャル・イベント』
『iMac製品プレゼンテーション』『スティーブ・ジョブス』が、
『i』のネーミングについて語っています。

ネーミング『i』には、
・エキサイトメント
・インターネット(internet)
との融合を基調に、
「誰もがシンプルで素早く、インターネットを楽しめるように」
という意味が含まれている。

その他に次のような意味も含まれています。

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『Apple製品名「i」の意味』
・internet(インターネット)
・individual(個人)
・instruct(指導する)
・inform(知らせる)
・inspire(ひらめき)

7.『iPhone』というネーミングセンス

僕が以前に見たテレビ番組で『堀江貴文』さんが、
Appleが製品名を『iPhone』という名前にした、販売戦略上の意味を語っていました。

だいたい次のような内容でした。

『iPhone』=実態は『多目的デバイス』
つまり、
・『気軽に持ち運べるパソコン』
・『持ち運べるインターネット通信機』
・『携帯音楽プレイヤー』
などであって、
電話機能は、多くある使用用途(機能)の中の一部に過ぎない。

しかしそれをあえて、
『i』+『Phone』
という電話っぽい製品名にして、
「これは電話です」と、
『携帯電話』のカテゴリーとして売り出した。

当時(2007年)頃は、インターネットもパソコンの利便性も、イマイチ一般に普及してなかった。

まだiPodも『携帯音楽プレイヤー』のジャンルで、SONYの『WALKMAN』を切り崩していなかった。

しかしこの『多目的デバイス』を『携帯電話』のジャンルとしてネーミング・カテゴライズ・販売することによって、
「田舎住まいのご老人にも、わかりやすい。(手に取りやすい)」
形で製品化。
2008年 Andoroid端末発売
『スマートフォン』を一気に普及。

以降、世界的に広く普及した。
しかし近年は、市場成熟などにより普及スピードは低下している。

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