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膝窩筋の触診

前回まで股関節に関する筋を整理していきました。それぞれ機能解剖を確認することで、臨床でなぜその筋を触診するべきか?どのような場面で評価するべきか?が明確になります。ご紹介している内容はその筋の機能の一部です。一度ご自身で整理することをおすすめいたします。
前回の内容はこちらから
臨床1年目の教科書
今回からは膝関節周囲の筋について整理していきましょう。今回のテーマは”膝窩筋”です。

1 触れることの意義

膝関節は屈曲する際に、脛骨を内旋させます。この内旋が生じることで、膝関節完全伸展位において生じている外旋固定のロックを解除することが可能となります。この内旋を主に担当するのが膝窩筋です。
逆に膝関節が伸展する時には脛骨が外旋します。この運動はscrew home movement(終末強制回旋運動)と呼ばれ、膝関節の完全伸展を見据えた時には必ずチェックしておきたいポイントです。

今回テーマの膝窩筋は脛骨の内旋に作用しますので、不全が生じてしまうと、脛骨が最終域で外旋することができず、screw home movementが生じない場合が臨床上多く見受けられます。そのため、しっかりと膝窩筋を触診でき、状態を評価しておきたいポイントとなっています。

2 特徴

膝窩筋は膝関節の後面の安定性にも寄与します。しかし、深層筋のため、直接アプローチすることが難しいですが、解剖学的特徴を把握することでアプローチが可能となります。
そのため、まずは走行を確認していきましょう。
【起始】大腿骨外側上顆 
【停止】脛骨上部後面 
この走行をさらに細かくすると
膝窩筋筋腹には半膜様筋の線維が一部合流しています。膝関節の後方は腓腹筋、ハムストリングス、膝窩筋が関節包を補強することで安定性が得られます。さらに、停止部は外側半月板を後方へ引き、顆部との挟み込みを防ぐ役割も担っています。

(引用:visible body 2021)

上記の特徴を整理しておくだけでも、膝関節の安定性と運動性に関係していることが理解できます。
さらにアプローチの際には半膜様筋を介して可能であると考えられます。

3 実際の触診方法

では、実際に触れていきましょう。
① 脛骨を内側から巻き込むように触診
② 末梢から徐々に近位部に巻き込むように触診を繰り返す
③ 膝関節周囲で触診した感覚よりも硬くなった感覚が得られたら膝窩筋と考えられる

4 まとめ

機能解剖を学ぶと、臨床でその筋がどう活用されているのか?またどのような場合不全が生じてしまうのか?が理解でき、触診する目的をより明確になります。
ぜひ1度整理してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。

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