見出し画像

反骨心がもたらすパワー

先月海外出張があり、飛行機の中でThe Burial (邦題:眠りの地)という映画をみた。
ビジネスクラスへのアップグレードに失敗し、「長時間フライトでエコノミーはきついな」と憂鬱な気分になっていたが、この映画のおかげで、パワーをもらえた。
 
観られていない方のために簡単に内容を紹介すると、主人公はアメリカ・ミシシッピ州で葬儀屋を営むジェリー・オキーフ(トミー・リー・ジョーンズ)。彼の会社が経営難に陥り、カナダ拠点の同業最大手に事業の売却を決断する。実は、そのカナダの企業はあくどい手口で事業を拡大するのが常習になっていて、ジェリーの会社を破綻させてから、手に入れようと企んでいた。
 
そこでジェリーは、黒人弁護士ウィリー・ゲイリー(ジェイミー・フォックス)を雇い、約束を反故にした巨大企業を訴え、立ち向かうという実話をベースにしたお話だ。
紆余曲折を経て、最終的にその巨大組織の経営にも影響を及ぼす位の金額を勝ち取る。
 
一見、対照的なジェリーとウィリーの友情や巨大企業の横暴な経営、人種差別を浮き彫りにするエピソードが盛り込まれ、一気に惹きこまれた。実際起きたことをネットで検索したところ、敵対側の弁護士の性別が変わっていること以外、かなり忠実に映画で描かれていたようだ。
 
映画の紹介が長くなってしまったが、私はこういう劣勢に立たされた人たち、名もなき人たちーつまり弱者が、大組織や権力を持った者たちに立ち向かうストーリーが大好きだ。
 
Erin Brockovich(エリン・ブロコビッチ)、Dark Waters(ダークウォーターズ:巨大企業が恐れた男)、North Country (スタンドアップ)といった映画も同じカテゴリーに入るだろう。ハリウッド仕立てになっているかもしれないが、どれも実話が基となっているので、観ているこちらも、かなり気持ちが入ってしまう。
 
やっと、本題に入るが、見出しにあるように「反骨心」って皆さんどれだけお持ちですか?
人生山あり谷ありで仕方ないかと現実を受け入れるタイプ?それとも逆境にあるからこそ燃えるタイプ?
まあ、ここでいう反骨心は、裁判を起こすレベルのものではなく「(不利な状況でも)臆せず立ち向かうマインド」ですかね。

私自身、振り返ってみると、誰かから見下され、何か言われたことや嫌な仕打ちに対する怒りが一番の原動力になってきた気がする。まあ、それを反骨心と呼べるかどうかは何とも言えないが、誰かに対して、何かに対し(そして時として自分自身へのもどかしさも含め)、怒りを感じる時、通常以上のエネルギーと時間を費やし、復讐に近い感じで対峙してきた。
一方で、無常観というかありのままを受け入れることの美学も理解できる。

年齢を重ねるごとに、怒りのセンサーも鈍くなり、弱まっていた私の中の反骨心。映画をみて、少し湧いてきた。

https://twitter.com/ATF_TOKYO

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?