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体内時計① 世界一わかりやすい「体内時計」のはなし

時間割美容の基本は、体内時計です。「体内時計」という言葉を知っている人は多いと思いますが、その意味をしっかり理解している人は少ないかもしれませんね。

体内時計こそ、美と健康の基本。
大切だからこそ、知ってほしい!
できる限りわかりやすく書きましたので、ぜひ最後まで読んでくださいね。


体内時計=生き残るために生まれた、最も大切な機能


もし突然、原始時代にタイムスリップしたらどうしますか?
電気・ガスはもちろん、スマホもネットもない世界。あるのは「明るい昼」と「暗い夜」、そして「大自然」だけ。


明るい昼、暗い夜という真逆な環境を持つ地球。地球上に生まれた生命は、「昼夜のリズム」に合わせて生活することが、生存戦略の基本だった


私なら、明るいうちに食べ物を探しに出かけ、暗くなったら安全な場所で身を休めます。おそらく、ほとんどの人がそうするでしょう。
中には、真っ暗な夜に出歩く人がいるかもしれません。ですが、彼らは崖から落ちたり、猛獣に襲われるなど、命の危険に晒されやすくなることは容易に想像できますよね。

ご先祖様も同じです。ヒトは古来「明るい日中に行動し、暗くなると休む」ということを繰り返してきました。それが生存競争に有利だったからです。そして、これを何年も繰り返すうちに、あることに気づいたのです。

「地球と同じ時計を持ったら、もっとイイかも!」

つまり「明るい昼+暗い夜=1日24時間」という時間の感覚を持てると、

・鹿が通る時間を予測できる → 狩りの成功率がアップ!
・猛獣が出てくる時間を避けらる →食べられずに済む!

など、生存競争により有利になりますよね。

こうしてヒトは進化の過程で、地球と同じ約24時間の時計を体に組み込みました。これを「体内時計」といいます。


体内時計を持つことで計画的に行動できるようになり、より生存競争に有利になった!


実は、体内時計を持っているのはヒトだけではありません。動物や魚、植物に至るまで、今地球上に生き残っている生物は、みな体内時計を持っています。逆を返すと、進化の過程で体内時計を持てなかったものは絶滅したとも考えられています。

体内時計は、地球上に生まれた生命が、生き残るために最初に作った生理機能。つまり体内時計を地球に合わせて生活をすることは、「シミを消したい」とか「美肌になりたい」以前の話。自分が「健康に生き続ける」ために、最も基本的で大切なことなのです。

概日リズム

体内時計を獲得したことで、一日を計画的に活動できるようになった生物たちは、さらに進化をします。

ヒトは、「昼に活動し、夜には休む」という行動がより効率アップするように、体温調節やホルモン分泌など、必要な機能を約24時間周期でプログラミングしていきました。

概日リズム

私たちは意識しなくても、体にはしっかり生理的な機能が1日周期でプログラミングされている


イラストを見ると、「よくできてるなぁ」と思いませんか?活動時間にはしっかり脳が活動し、睡眠の時間帯には成長ホルモンが分泌するなど、昼夜の行動にあわせて最適なものがプログラミングされています。この一日周期の変動を「概日リズム」といい、本当はもっと細かく組み込まれています。


概日リズム見ると、「いつ、何をすれば効率良いか」が一目でわかります。
例えば、ヒトの骨が作られるのは深夜。骨を強化したいなら、深夜から逆算して夕食にカルシウムを摂ると、効率良く骨を強化することができます。また肌荒れを治したいなら、成長ホルモンが最も多く分泌される深夜にはぐっすり眠っておく必要があることもわかりますよね。

逆に、脂肪を溜め込む「Bmal1」が大量に体内に出ている22〜6時に夜食などを食べると、太ってしまうことは一目瞭然。また夜更かしを続けると、成長ホルモンがしっかり分泌されず、肌荒れが起きることも理解できます。


肌修復の時間に眠っていないと、メンテナンスができない!


大切なのは、体のリズムを知って、それに合わせた生活をしてあげること。お肌はもちろん、心も体も軽くなり、充実した日中を過ごせますよ。充実した日中を過ごせると、夜には質の良い睡眠がやってきます。覚醒と睡眠は二つで一つ。私は、このメリハリこそ、美と健康の基本だと思っています。まずは、美容液や美顔器など何かに頼るのではなく、自分が本来持っている力を最大限生かして、キレイを目指したいですね。


時間割美容は、体内時計をもとに、キレイになるための最も効率良い方法をお伝えしています。時間割美容で、確実に効率よく、キレイを手に入れてくださいね。


最後に、大切なお話。人間の体内時計は地球より少し長く、日本人は最新の研究で「24時間10分」だと言われています。このままでは毎日10分ずつずれしまうことに。そこで毎日地球に合わせて体内時計をリセットする必要があるのですが、その話は近いうちにご紹介しますね。


<参考文献>
柴田重信/小田裕昭/加藤秀夫/堀江修一/榛葉繁紀/香川靖雄(2009)「時間栄養学」女子栄養大学出版部
大塚邦明(2012)「体内時計の謎に迫る」技術評論社
古谷彰子 著/柴田重信 監修(2017)「食べる時間を変えれば健康になる」ディスカヴァ-・トゥエンティワン
明石真(2013)「体内時計のふしぎ」光文社新書
産業技術総合研究所(2007)「きちんとわかる時計遺伝子」白日社
田原優(2019)「体を整えるすごい時間割」大和書房

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