見出し画像

内と外と戦争

国家間の戦争は、「序列を生み出すために大国が小国を食う」あるいは、「序列を生み出すために小国が大国を齧る」仕組みだと思われます。
平和を実現するために、まず身近な所に平和を作ることを提唱する、考え方の型があります。

ダライ・ラマ14世が「世界平和のためには、人に関心を持つこと」だと言っていますし、家庭生活や、夫婦円満を国の安定の基礎におく考え方の型があります。

一方で、序列は、集団があるところには、普遍的に発生するものです。この観点から見れば、家族とは、序列を作り出す「集団」の最も最小規模のものと捉えることができます。

天理教のHPは、「幸せは身近なところにある」という理念の元に、夫婦の和、家族の和を説いています。

「家庭」という言葉は、暖かみがあって、いかにも平和に繋がるイメージですが、「家族」という言葉は、家族制度を指してもいますし、ある「集団」ないし「まとまり」を表す言葉です。

現実には、家族制度の中で、親が子どもの育ちを育み、子が親の育ちを育むという姿とは裏腹に、親が自己決定権を子どもに持たせていなかったり、子が親に支配的であるということ、自分の家庭だけを参照するなと言われるかもしれませんが、これはあるように見えます。

大正製薬の500人を対象にした調査では、家庭生活に疲労を感じ、栄養ドリンクを購入するケースが報告されています。具体例に見られるのは、言葉を通じての干渉が最も疲れる要素に挙げられることです。

会話における「干渉」とは何でしょうか。
「干渉」されないで、実現されるのは、例えば妻にとっての、あるいは夫にとっての時間と行動の「自由」です。自由だと疲れません。

各人の自由に必要とされているのは、お互いの相手に求められている、相手に対する想像力ある「会話」のノウハウであり、栄養ドリンクではありません。

また、家庭と家族とは、言葉の意味として何が違うのかと考えたときに、内を向いているか、外を向いているかの違いであるように、感じられます。

ここから先は

1,070字

¥ 1,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?