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納豆と紅花の味噌汁、マルチョウ、海老とナッツのカレーの日。

朝起きると今にも雨が降りそうな寒い曇り空で、血の巡りが悪くなりそうなので納豆汁を作ることにする。小鍋に水と先日沖縄の鰹節屋さんで買って来た粉末の鰹節を加えて火にかけ、煮立ったら弱火にして紅花をひとつまみとひきわり納豆を加え火を止める。味噌を溶いたら活血作用のある納豆汁の出来上がりだ。あとは潤い補給に黒胡麻パウダーをたっぷり入れた卵焼きを焼き、冷凍の黒米ご飯をレンジで温めて夫に声をかける。今日は午前中ジムに行くのでいつもより手早く身支度し、京都に送る諸々の荷物を紙袋に詰めて家を出てまずは最寄りの郵便局へ。オフィスビル内だからか街の郵便局に比べ朝は割と空いている。局員さんから中くらいの段ボールを買い、持って来た荷物を詰めてラベルを貼る。

私が人生で一番郵便局に通っていたのは小学生の頃だったと思う。少ないお小遣いがある程度貯まると、自転車でせっせと近所の郵便局に預けに行っていた。あの頃は一秒でも早く家を出たくて、子供心にその足しになるんじゃないかと思って僅かなお金を貯金することに燃えていた。老夫婦がやっている自宅兼職場みたいな郵便局に子供の私が行く度、受付でおじいさんがもの珍しそうな顔で私を見ては、何も言わずに通帳を受け取り記帳してくれた。当時田舎の人間にとって金融機関と言えば郵便局を指し、上京して最初にアルバイトした際に給料の振り込み先としてメガバンクの口座を作るように言われ、初めて銀行という存在を認識した。今もたまに郵便局に立ち寄ると、全てにイライラしていた小学生の頃の自分を思い出す。

二週間に一度通っている品川のパーソナルジムでトレーニングした後、お腹が空いたので港南口の「山水苑」に入る。残り1席というところに無事滑り込み、マルチョウ、ハラミ、小ライス、カクテキを注文。二十代半ばから三十代前半までは週に一度トレーニングに通っていたけど、今は二週間に一度のペースに落ち着いた。「それじゃ意味ないよ」とトレーニング好きの知り合いに言われたこともあったけど、私の場合筋肉を鍛えているというよりも、二週間に一度自分の現在地を客観的に把握するという意味合いの方が強いのかもしれない。体脂肪率はこの二十年ほとんど変わっていないのに、着実に昔の服が入らなくなっている。年齢を重ねるということはそういうことだと突き付けられる。数字じゃない部分で何かが、全てが変わっている。でも今が一番心地良い。

品川駅から電車で御徒町に移動し、「珈琲処ボナール」でモカマタリを注文して小一時間読書。店を出てから天神下の「ぶどうパンとコーヒーの店舞い鶴」で、血を補う干し葡萄がたっぷり入った名物のぶどうパンを買い、「吉池」で海老と鮭の切り身を買って雨が降る前にさっさと帰宅。今夜のメニューは腎を補う海老とカシューナッツをたっぷり使ったカレーだ。買ってきた海老を片栗粉で軽く揉み洗いし水気をよく拭き、ミキサーにカシューナッツ、炒め玉ねぎ、ヨーグルトを入れてペーストにする。あとは鍋に油少々とスパイスを加えて香りが出るまで炒め、先ほどのペーストと水、ケチャップ、塩、海老を加えて火を通せば出来上がり。日本式のカレーに比べ、インドカレーは煮込み時間がかからないものが多いので忙しい人にもおすすめだ。

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