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市子

鑑賞:2024年1月@新宿シネマカリテ

上手い。

2024年最初に劇場で見た作品となりました。2023年に見るのが間に合わなかった作品のひとつ。上手い脚本と配役で、とても満足しました。

作品のトーンを明確に書き記すと、
・面白い
・上手い
・楽しくはない

際立つのがストーリーの上手さ。何度も練り直されている、もしくは何人もの手が入っているとしか思えない。自信満々に収録に挑んだと感じます。引き込まれるし、魅力タップリですけれど、作り物感が最後まで喉に刺さった小骨のように残ります。
遊びが欲しかったな。

事情をもろもろ抱えた主人公は杉咲花さん。本作最大の魅力で作品を牽引。思わせぶりなセリフ、表現、セーラー服。リアリティの無い主人公を具体化するのに大成功。そもそも魅力的すぎて杉咲花さんファンにはたまらないでしょう。
そして主人公を追っていくパートナー役に若葉竜也さん。ムリに関西弁ネイティブじゃない設定で、作品のトーンをグリップ。なんとも言えない感情を、なんとも言えない表現で訴えてくれます。素晴らしい。
他の役者さんも抜群で(単に好きな役者さんで)、中村ゆりさん、宇野祥平さん、そして渡辺大知さん。大知さん凄く良かったです。森永悠希さんも素晴らしい、倉悠貴さんも良かった。とにかく役者さんの魅力が引き出されるシナリオです。役者さんだけ見てると、今泉力哉監督を連想しました。

大変面白い作品でした。シナリオが上手過ぎて感動できなかったのが、なんとも罪深いと思わされました。

▲杉咲花さんと言えば「杉咲花の撮休」。

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