『地獄の花園』

昨年、『架空OL日記』でも脚本の才能を発揮したお笑い芸人バカリズム。今回も見事な脚本で、OLヤンキーの設定をフルに生かした痛快コメディになってる!

 

 

脚本というよりは、バカリズムによるOLとヤンキーの掛け合わせのアイデア勝利。明らかにあり得ない設定だが、完全に吹っ切れていて、最後まで徹底。

普通の会社を舞台にし、会社は会社でごく普通の会社で、普通のOLもいるにはいるが、ストーリーはあくまでもOLヤンキーを中心にし、普通の会社の様子は隙間のみで見せる。

 

 

OLヤンキーの世界観はレディースやスケ番のそれではなく「ろくでなしBLUES」や「クローズ」等の野郎ヤンキー漫画を下地にし、社内での派閥闘争から社外での闘争へと発展し展開。中でも、大企業トムスンに出てくる幹部OLは遠藤憲一をはじめおじさん俳優が演じ、笑い以外にもダークな雰囲気を醸し出せてる。

 

 

バカリズムも部長役でちょいちょい出て来るが脇役に徹し、男性の世界は基本的に排除している。非リアリズムを徹底した新感覚のコメディは『翔んで埼玉』にも通じるディフォルメ演出である。ややバトルに頼りがちで一辺倒な展開だが、予告編やチラシで気になった方は見に行った方がいい。

 

 

評価:★★★★

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