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「素直」という言葉は要注意

「素直だね」と言ったり言われたりすることがあると思いますが、どのようにして使っていたり、思ったりしていますか?
特に、子供に対して使うことが多いのではないかと思いますが、子供に対して「素直」という言葉を使うときは、子供が元気よく「はい!」と返事をしたりすると、「あらぁ、素直ないい子ね〜!」と言ったりしますよね。

果たしてその子は、「素直ないい子」なのでしょうか?

「素直ないい子」なのは間違いありません。ただし、それは「あなた」にとってです。
あなたの言うことに対して「素直」で、あなたの言うことを聞いてくれるから「いい子」なのです。

「素直」という言葉の注意しなければならない所は、自分に対して「素直」なのか、相手に対して「素直」なのかというところです。
子供は、親の期待に応えたかったり、認められたいという気持ちが強いので、「はい!」という返事は、こちらも聞いていて気持ち良く、いい子だなぁと思うのも当然だと思います。

以前フジテレビで放送された「僕と彼女と彼女の生きる道」という、草彅剛主演のドラマがありましたが、そのドラマの中で、母親が出て行ってしまい、仕事しかしてこなかった父と二人で過ごす中で、捨てられたら生きていけないとわかっていた小学1年の凛ちゃんの「はい!」というセリフが、とても可愛く、世のお父さんを癒したことでしょう。私のとても癒されましたが、ちょっと違和感も感じます。

親の不仲によって、凛ちゃんの素直さは、自分を守る為のものであり、仲の良い家族であれば、「はい!」なんて、それほど言わないものです。なのに、健気に「はい!」と言う凛ちゃんを見ているよ、何とも言えない気持ちになりましたが、最終的にはそれも心地よく受け入れらえるようになりました。

このドラマは一つの例ですが、子供よりも、大人にとっての「素直」の方が重要だと思います。


大人の皆さんは、どれだけ自分に「素直」でしょうか?

「素直」になると言っても、ムカついたからと言ってあおり運転をしたり、暴力を振るったりしてはいけませんよ!?ただ、嫌だと思っても、その気持ちの源泉を見ずに、気持ちをごまかしたり、諦めたり、押し殺したりしてしまうのが大人です。果たしてそこに、幸せや喜びはあるでしょうか?家族の中に、そんな風に過ごしている人がいるのはどうでしょうか?そういう親を見て、子供はどう思うでしょうか?

自分の気持ちに素直になって、何でもしていいという話ではありません。ただ、自分の気持ちを押し殺して、素直になっていないことが、きっと人生を貧しくしてしまう要因なのではないかと思うのです。

私自身過去に、自分の気持ちに素直になれていないと自覚して、素直になれたときに、どれだけ楽になれたことか。嫌だと思うことを嫌だと認めることも大事なことで、そうしないと、問題と向き合うこともできません。

一度、自分の心に素直になって、自分の本当の気持ちを受け入れてみてはどうでしょうか?

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