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まだ夏休みの読書感想文、終わってないのwww!? 読書嫌いの為の読書感想文スピード攻略マニュアル



【この記事の前置きまとめ】

・「本の要約」+「自分のエピソード」を上手く繋げて書こう。
・「要約」は調べてもいいから正しく読み取ろう。
・「自分のエピソード」は無いなら作ろう。どれだけ些細な事でもいい。
・文字数でカサ増ししてもいい。
・良い感想文なんか中々書けないから目指さなくていい。
・提出しなければ0点。




【この記事は目次を読んで気になった部分を読む形式です。】



まだ読書感想文終わってないのwww!?

 え、この記事を読んでるってことは・・・まだ君(あなたのお子さん)は読書感想文が終わってないの!?2学期まであとどれくらい!?大丈夫!?今のままで間に合う!?


読書感想文、めんどくさいよね。

 まぁ、私も記事を読んで頂きたいので敢えて読者様を煽るような見出しと冒頭文から始めさせて頂きましたが、実際問題、読書感想文という宿題はひじょ~~~~~~~~に、面倒くさい宿題として全世代的に恨まれてきただろうという事は重々承知しております。

 遊び盛りのガキンチョにはドシンと席に着いて本をじっくり読んで、胸に込み上げる文の美しさにひと夏の思い出を見るなんていう風情は中々理解されないでしょう。忙しい現代人にとっては大半の大人でもそうだろうと思います。


実は読書感想文が一番簡単な宿題

 しかし、この記事の手始めとして、まず読者の皆様には是非、少なくともこの夏の読書感想文を完成させるまでは、皆様の頭の中に鎮座する2つの常識を捨ててほしいのです。それは、

 1.課題の本はちゃんと全部読まなくてはいけない。

 2.読書感想文は難しい宿題

 という常識です。

 これからの章では具体的に感想文の書き方を説明していきますが、1つだけ、1つだけ注意してほしい事があります。それは、この記事で既に知っていそうなテクニックや内容はサッサと読み飛ばして、知らなそうな部分だけツマミ食いしてほしいということです。その為に、もしまだ前述しているような「本は最初からちゃんと全部読まなきゃ」という呪縛にかかっている真面目ちゃんは、まずこの記事の一番上にある四角囲いの「目次」を本文だと思って読んで下さい。そこでさらに詳しく知りたい部分はクリックして、その部分だけ細かく読む。こうして要領よく文を読むことが読書感想文最速クリアの裏ワザです。



「読書」ではなく「読書感想文」を理解しよう。

「本の要約」と「自分のエピソード」で書けばOK!

 ずばり、読書感想文の構成要素は「本の内容の要約」「自分のエピソード」の2つで最低限完成します。これだけ。この2つの要素がバランス良く、整った文章で明瞭に書かれているほど、その感想文を読んだ多くの人にとって良い読書感想文になります。

 この話を聞いてこういう疑問を抱く子がいます。「本の要約はわかるけど、なんで自分のエピソードを書かないといけないの?」という疑問です。非常に鋭い疑問だと思います。本を読んで、その本の内容に共感したんだから、その本の要約が僕の気持ちということではないの?という純粋な発想はある意味とても論理的だと思います。しかし、実はそれだと読んだ人にとっては君の気持ちは伝わっていないのです。

 では、本の要約しか書いていない文を「本の内容と自分の気持ちは同じだから、これは感想文だ。」と提出した時、それを読む人にはどんな文章に感じるでしょうか?実はこの文章を読んだ人にとっては「本の内容がまとめてあるだけで感想文ではない。」文章になってしまうのです。

 なぜそう読まれてしまうのでしょうか?それは「本の内容は○○でした。そして、この本を読んだ私の考えも○○になりました(○○です)。」という説明が文章に無いからなのです。この説明ができてないと、せっかく頑張って本の要約を書いたのに、自分の感想がない文章になってしまいます。

 だからこそ、読書感想文には「自分のエピソード」を入れる必要があります。「わざわざエピソードを書く必要ある?」と思うかもしれませんが、もし本の要約のあとにチョロっと「私の意見も同じです。おわり。」なんて書いてあったら、あまり気分が良くない文章になってしまいますよね。

 生物にとって「自分のエピソード」には、とても強い説得力があります。それには、人間が「論理的な正論」や「単純で簡単な事」より「感情的な意見」や「複雑で難しい事」が大事だと思いがちな性質があるからです。

 実は、この「自分のエピソードを書く」という方法は、自分にとって「正しくて当たり前」の「単純な事」の筈なのに、相手にとっては「感情的で自分とは違った見方」の「複雑な事」になる効果を与えやすいとてもお得な方法なんです。

 是非、本の内容にマッチしていると思ったエピソードを思い出して、考えて、簡単に質の高い感想文を書いてみましょう!!


「何を書けばいいのかわかんない!」→正解がある部分とない部分がある。

 作文を前にして皆が叫ぶ悩み。それが「何を書けばいいのかわかんないよ!」だと思います。

 作文課題の難しいところは正解がないことですよね。「何でも書いていいよ。」って言っておきながら、いざ頑張って書いてみても「なんか違くない?ちゃんと求められている事を書かないと。」って言われちゃう。意味わかんないよね。

 実は、この「好きなように書いていいけどメチャクチャな文は書いちゃダメ。」という言葉は、矛盾しているようだけど実際は説明が足りていないだけなんです。この文の必要な言葉を補ってみると、こんな風になります。

 「感想の部分は好きなように書いていいけど、本の要約が間違っていたり、感想と本の内容が噛み合っていないメチャクチャな文は書いちゃダメ。」

 です。

 皆さんは既に、読書感想文が「本の要約」と「自分のエピソード」からできている事を分かっているので、もうわかっている人もいると思いますが、

 ・本の要約 → 正解がある

 ・自分のエピソード → 本の内容と噛み合えば好きに書いていい

 ということなんです。これがわかれば、作文課題はだいぶ楽な気分で書けると思います。正解がある部分は頭なんか使わずに素直に正解を調べたり、本を読んだりして探し出せばいいだけだし、感想は自分の思った事を自分の思ったままに書いていいからです。

 この考えは感想文の構成を考える上でもとても役に立ってくると思います。本の内容と自分の意見をキッチリ意識して書き分けると、とてもメリハリの付いた読みやすい文章になります。是非、頭の片隅に置いて感想文を書いてみましょう!


素晴らしい内容なんか目指さなくていい!

 素晴らしい文章なんて書こうとしなくていい!素直に思ったことを書こう!それが一番いい文章になる!



「本の要約」のやりかた

まずは大筋のストーリーを調べよう

 手元に課題の本があるなら、裏表紙や表紙実は本文を読まなくてもストーリーや冒頭の展開が書いてある場所があったりします。本文を読まなくてもそうした部分を読むだけで「主人公の名前」「世界観」「物語の導入」などの情報はわかるでしょう。

 もしあなたがそこそこ文章を書く事に自信があったり、自分のエピソードで充分文字数を稼げる自信があるなら、少し強引なやり方ですが、こうした部分から本文を推測して実際の本の内容と破綻しない程度に読んだ風を装いながら読書感想文を完成させてしまうのもテクニックの一つです。実際、本当に器用な人の中にはタイトルと最初の一文だけで物語の世界観・価値観と本の雰囲気を推測して感想文をそれっぽく書いてしまえる人もいますが、この記事で読書感想文の書き方を学ぼうとしている方にはあまりオススメできない方法でしょう。もし感想文を読んだ人に実は本を読んでいなかったことがバレてしまうと相手を非常に嫌な気持ちにさせてしまいます。

 前の章で要領よく文章を読むことが読書感想文最速クリアの裏ワザだと説明しましたが、実はこの大筋のストーリーを調べることは正に要領よく本を読む為の大事な下準備でもあります。これを旅行に例えるなら、皆さんは何の準備も無しにフラリと旅行に行くこともできますが、事前に家で行先の美味しい食べ物や名所を調べておくとより効率よく充実した旅行ができたりします。読書感想文も同じで、より早くより楽に仕上げるにはこれから読む本の下調べをしておくことが結果的に自分の助けになるでしょう。


その本の雰囲気を掴もう

 文章は大きく分けて2つの要素から構成されています。それは「客観的な事実・論理」「それに対しての筆者の姿勢・気持ち」です。

 「客観的な事実・論理」とは、簡単に言うと「起こったこと」です。例えば、「今日は晴れて良かった。」という文章なら、「今日は晴れだ。」が起こったことになります。

 「それに対しての筆者の姿勢・気持ち」とは、簡単に言うと「筆者の考え」です。「今日は晴れで良かった。」という文章なら、「晴れは良いことだ。」が筆者の考えになります。

 そう考えた時に、その文章の「雰囲気」とはなんでしょうか?それは、文の要素で紹介した2つ目の「筆者の姿勢・気持ち」に当たります。皆さんもお友達と遊んでいる時に、同じ遊びをしていて自分は楽しかったのに、お友達は「この遊びつまらないから別の遊びをしよう。」と言って来たことはありませんか?あれが正に「ある事に対して人によって姿勢や気持ちが違う」ことなのです。

 実は人間というのは、その人の生き方や経験の違いによって全く同じ状況でも全く違う考えを持つということがたくさんあります。それは本でも同じで、筆者はある事柄に対して「自分はこう思う」ということを常に読者に伝えようとしています。それを正しく読み取る事ができれば、より楽に分かりやすい読書感想文を書く事ができるでしょう。

 もう少しこの事を分かりやすくするために、いくつか具体例を出してみたいと思います。是非参考にしてみて下さい。

〈例1〉
起こったこと  :世界中で動物のお肉が食べられている。
筆者が菜食主義者:動物を食べるのは可愛そうだから野菜だけ食べよう。
筆者がコックさん:世界中の肉料理を食べてみよう。作ってみよう。

〈例2〉
起こったこと   :今年の夏は雨が降らない。
筆者が夏休みの子供:雨が降らないからいっぱいお外で遊べて嬉しい!
筆者が野菜農家  :降水量が少ないせいで野菜の育ちが悪くて悲しい。

〈例3〉
起こったこと    :サッカーでAチームとBチームが試合をする。
筆者がAチームファン:Aチームが勝ってほしい。
筆者がBチームファン:Bチームが勝ってほしい。


要約は「作者(主人公)は、○○を経験して、△△に成長(を学習)した。」

 このテンプレートを理解しておくと、本を読み進めていく上で心の準備がしやすくなります。是非、頭に留めておいてください。

 このテンプレートが重要な理由は2つあります。1つ目はこの形を意識しながら本の内容をまとめていくと本の重要なテーマに気付きやすくなるということ。2つ目に「主人公は、○○を経験して、△△に成長した。」という形はそのままエピソード型の文章になるので、後で感想文に「自分のエピソード」を書く時のものさしとして役立つからです。

 1つ目の理由について説明すると、皆さんが読むのが億劫になってしまっている課題の本。実は、作者自身も書くのが億劫になりながら本を書いている事が多いのです。冷静に考えてみて、400~800字の感想文がこんなに面倒くさいのに、それが数百ページに膨らむ本なんて書くのが大変に決まっていますよね。作者も皆さんと同じ人ですから、当然どうにかこうにか本らしい体裁を保つ為に、時には同じような内容を何度も復唱してみたり、わざわざ例え話を入れてみたりして本を分厚くしたわけです。そうして分厚くなった本から本質を導き出す方法の1つが、テンプレートのような形の文を抜き出してみる事なのです。これを要領よく抜き出せないと、1ページ目から丁寧にじっくり時間をかけて本を読まなくてはいけないから大変ですよね。

 2つ目の理由は、もし本の重要な部分をテンプレートに正しく当てはめることができたら、次に自分の記憶や考えからテンプレートに近い言葉を当てはめてしまうだけで「自分のエピソード」の部分が完成してしまうからです。この方法で感想文を書くと、前の章で言っていた「感想の部分は好きなように書いていいけど、本の要約が間違っていたり、感想と本の内容が噛み合っていないメチャクチャな文は書いちゃダメ。」というルールを破ることなく自分のエピソードを完成させることができます。是非意識してやってみてください。


難しいなら他人の感想文を読んでみよう(コピペ厳禁)

 皆さん、感想文を書く時に「皆と同じような感想文になったら嫌だな。」と思って中々書き進められない経験はありませんか?もしそういう方がいるなら、安心してください。ちゃんと自分の手で書いた文章というのはまずちゃんとあなたの文章になっています。偶々他人の文と似ることも無くはないですが、それは本質的には気にしても仕方のないことです。そもそも感想文はあなたの素直な気持ちを書くものなんですから、あなたにそこそこの常識がある限り内容が当たり前の事になるのはむしろ正解みたいなものです。気にせずガンガン書き進めちゃいましょう!

 その上で、読書感想文の宿題は「良い文を書く」こと以上に「ちゃんと完成させて提出する」ことの方がよっぽど重要です。もし分からないことや書き悩んでいる部分があるなら、すぐにでもお友達や、お母さんお父さん達に質問したり、感想文を読ませて貰って参考にしながらガンガン書き進めてしまいましょう!

 ただし!コピペ(一語一句書き写しは止めといたほうがいいです。ちゃんとバレます。前の部分で「ちゃんと自分の手で書いた文章というのはまずちゃんとあなたの文章になっています。」と言いましたが、これは逆に言えば「あなたの原稿用紙にあなたの字で書かれてあっても他人の文章はちゃんと他人の文章のまま」ということにもなります。読んでる人はすぐに違和感に気付くので、絶対にコピペではなく、同じような内容でも自分の言葉で書きましょう。

 ただ、引用という形を取れば他人の言葉をそのまま借りることができます。しかし、感想文なのに引用ばかりだと読み人によっては感想文と認めて貰えなくなるので、適切な引用になるように注意しましょう。


実は本を読まなくてもいい!?

 ここまで要約の仕方を読まれた方の中には薄々気付いている人もいるかもしれませんが、こと読書感想文の宿題を完成させるだけならわざわざ課題の本を丁寧に読破する必要はありません。重要なのは完成させて提出することですし、そもそも読書感想文自体のメインコンテンツはあなたの感想・意見だからです。「自分のエピソード」を丁寧に完成させれば、それこそ本については要約のテンプレートのままでもいいくらいです。

 読書感想文を早く終わらせてしまえる子の中には、課題本は最初の1ページしか読まないような子もいます。そういう子の頭の中ではこんな考えが行われています。

 「(最初の1ページを読んで)あぁ、作者って大体こういう感じの人なんだな。じゃあストーリーや話的にここからああいう感じのイベントが起きてこういう事の重要さに気付くんだろうな。もう後は要約文だけ見て読んだ事にしちゃおう。」

 これでも推測の精度が良いと後々気になった部分だけ読み返した時に整合性が取れていたりします。もし皆さんが課題図書を学校から勧められた中で選んでいるなら、こういうストーリーに物凄く複雑で議論の残る心理描写の本はあまり選ばれない傾向があるので、尚更こういう乱暴なやり方でもそれっぽく感想文が書けてしまえるのです。


※ぶっちゃけ本の要約はググれば出てくる(コピペ厳禁)※

 今の時代、皆さん一家に一台はPCがあったり、もしかすると自分用のスマホを持っているかもしれません。なら、皆さんには、世界最大の図書館であるGoogleを使うことができる筈です。Googleであなたの目の前にある本のタイトルを入力して、スペースを開けて「要約」と入力し検索をかければ、一瞬でそのほんの要約をまとめたブログがヒットする筈です。周りに聞ける人や環境が無く、どうしてもの時は素直にGoogle先生に頼りましょう。大丈夫、書いているのも人です。それにあなたは学術論文を書いている訳でもありませんからね。

 ただし!コピペはダメ!理由は「難しいなら他人の感想文を読んでみよう」で書いているのでご一読下さい。


「自分のエピソード」の書き方

夏休みの思い出なんてねぇよ!!

 いや!あるね!自分の頭の中をほじくり返して意地でも思い出してみるんだ!それさえできれば、あとはこの記事のやり方に沿って書けばいいよ!エピソードがオリジナルなら君の感想文はちゃんとオリジナルになる!ガンバレ!


どれだけ小さな話でもいい!!文字数でカサ増ししろ!!

 どれだけ小さな話でもいい!実際、私が小学生の頃は読書感想文のアイデアが思いつかなくてボーっと窓の外を眺めてた時に、空が青かったから「主人公が見上げた空も青かったのだろうか。」って書き出しで感想文書いたからできる!例えば昨日の夜に蚊を叩き潰したとか、そうめんを食べたとか。そんな些細な内容でいい!あとは少しずつ目立たないように文字数をカサ増しして乗り切ろう

 ただし、この時に簡単な漢字まで無理矢理ひらがなでかいたり、やたら句読点を打ったりしたら凄く怒られるから気を付けよう。

もし、きみが、がっこうのせんせいで、なつやすみ、あけの、2がっきに、せいとが、こんな、どくしょかんそうぶんを、ていしゅつ、してきたら、きっと、いやなきぶんになるだろうとおもうことはあるのではないでしょうか?


①夏休みに行った場所を思い出してみる。

 夏祭り、プール、花火大会。こういうイベントがあるととても書きやすいですよね。

 しかし、活発な印象のある夏ですが、暑い夏はインドアが好きな人もたくさんいるのではないでしょうか。そうすると特段大きなイベントに行っていなくて、中々感想文が進められないなんてこともあると思います。

 そんな時は、「特別な場所」ではなく「普通の場所が特別になる」という言い方で探してみるのがとても効果的です。例えば、皆さんの中には夏になると風鈴を飾るお家があるのではないでしょうか。風鈴のような季節のアイテムは、普段から過ごす家の中を特別な夏の場所に変えてくれます。このように、いつも通りの場所を「夏」や「本の内容」に絡めて、特別な場所のように書いてみると、むしろただイベントに遊びに言ったよりも風情のある素敵な文章が書けるかもしれませんね。最後に簡単な例をいくつか紹介するので参考にしてみてください。

〈例1〉
場所   :いつも行くコンビニまでの道
夏の要素 :夏の暑さ
本の要素 :主人公は灼熱の大地を旅してオアシスに辿り着く
言い換え後:
 いつもお菓子を買いに行くコンビニまでの道は、夏の暑さのせいで、まるで本の中で主人公が旅をした灼熱の大地のように感じられた。しかしコンビニというオアシスに着いて買ったジュースを飲んだら、生き返るように気持ちが良かったです。きっと本の主人公もこんな気分だったんだろうと思いました。

〈例2〉
場所   :家の中
夏の要素 :蚊取り線香
本の要素 :
 「角川ソフィア文庫 著:石弘之『感染症の世界史』」より、「世界で最も人を殺している生き物は蚊だ」という内容を引用
言い換え後:
 私の家では毎年夏になるとお母さんが陶器でできた豚の入れ物を出してきて蚊取り線香をたいてくれます。私は蚊取り線香のふしぎな香りが好きで、いつも真っ暗な夜空にゆらゆらと伸びていく線香の煙を見るのが好きでした。
 でも、夏休みの読書感想文の為に読んだ「感染症の世界史」の中で、蚊が世界一人を殺しているということを知ってとても驚きました。私の大好きな蚊取り線香の香りが、私たちの命を守る為の先人たちの知恵だと知ってとても感謝の気持ちが湧きました。


②夏休みに遊んだコト、人、を思い出してみる。

 皆さんは夏休みという自由な時間に色んなことをしたと思います。例えばお友達と水遊びをしたり、親戚と集まって花火をしたり。そういう思い出はとても文章にいかしやすい大切な経験ですから、是非読書感想文に書いてみましょう。

 コトや人を考える時、必ずしも特別な経験や特別な出会いを意識する必要はありません。外が暑すぎるから家でゲームをしていたとか、学校が無くても学校の友達と遊んだとか、そういう普通のことでも、「夏休み」や「本の内容」に上手く絡めて書くことで、とても良い文章に仕上げることができます。最後に簡単な例をいくつか紹介するので参考にしてみてください。

〈例1〉
コト   :1日中家でゲームをプレイした
人    :学校の友達と
本の要素 :物語の主人公が仲間と離れ離れになってしまう。
言い換え後:
 自分は普段から友達と一緒にゲームをして遊んでいるけれど、物語を読んでいくうちに、仲間を失ってしまう主人公の悲しみに強く心打たれてしまった。本を読んだ後は友達とゲームをして遊ぶ経験も今だけの特別な時間なのかもしれないと思えるようになって、夏休みの時間を大事に過ごす事ができたと思う。

〈例2〉
コト   :夏休みの宿題をやっていない
人    :お母さんに怒られた
本の要素 :タイムスリップして子供の母親に会う
言い換え後:
 正直な告白をすると、ぼくは8月の後半までほとんど夏休みの宿題に手を付けていませんでした。毎日楽しく遊んでいたら気付いたら1日が終わっていて、そういう生活を続けていたら全く宿題が終わっていません。そうしたらお母さんにすごく怒られて、なんでこんなに怒るんだろうと思っていました。しかし、読書課題の本の中で、主人公が過去に行って子供の母親と会うシーンを見て、ひょっとしたら僕のお母さんも子供の頃、夏休みの宿題をサボって怒られたから、ぼくにはちゃんと宿題をしてほしいと思っているのかなと思いました。


③普段から感じている自分の主義主張を言語化してみる。

 エピソードは必ずしも自分が体験した具体的な出来事のことだけではありません。皆さんには必ず普段生活をしていく中で知らず知らずのうちに様々な考え方や好き嫌いができていると思います。好きな食べ物、嫌いな食べ物。好きな教科、嫌いな教科。勉強が好き、勉強は嫌い。外で遊ぶより家でのんびり過ごしたい。あらゆるものにそういう考えを持っています。

 「主義」とは、そういう具体的に好きな事嫌いな事を判断する時に自分の中で働いている考え方のルールの事を言います。

 例えば、皆さんの中にピーマンが嫌いな方はいらっしゃると思いますが、そういう方の中にはさらにブラックコーヒーも苦手な方が沢山いるだろうとも考えられます。なぜそう考えられるのでしょうか?それは、ピーマンが嫌いな理由が「苦いから」だとしたら、きっと別の苦い食べ物であるブラックコーヒーも嫌いだろうと考えられるからです。この時、このピーマンもコーヒーも苦いから嫌いな人については、「苦いものは美味しくないと考える主義の人」と言う事ができるのではないでしょうか。

ピーマンが嫌い。    = ピーマンが(苦いから)嫌い。
ブラックコーヒーが嫌い。= ブラックコーヒーが(苦いから)嫌い。
つまり、「苦いものが嫌いな人」だと言える。

 このように、一人の人間の様々な好き嫌いや考え方を分析していくと、そのうちその人にはその人だけの「考え方のルール」があることが見えてきます。もし、そのような「考え方のルール」が分かってくると、感想文を書いていく上で書き進める事が非常に楽チンになります。「こういう場合はこうで、ああいう場合はこうで…」とその都度考えなくても、「だいたいこういう感じで考えればOK!」と柔らかく考えることができるからです。

 「主義」を考えることは読書感想文を書いていく上で非常に役に立ちます。実は、読書感想文の中に「主義」は2つ存在しています。1つ目が「本の作者の主義」で、もう1つは「その本を読んだ自分自身の主義」です。もし本の作者の主義と自分の主義がぴったり噛み合って、自分がその本の内容に共感できたとしたら、あなたは「この本はとても素晴らしい本でした。なぜこの本が素晴らしいかというと○○だからです。」という感想文を書けばいいことになります。反対に、もし本の作者の主義と自分の主義が噛み合わず共感できなかったとしたら、あなたは「この本を読んでみたけれど、あまり納得できませんでした。この本の○○の部分では○○だと言っていたけれど、僕は○○だと思うから違うと思いました。○○という考え方でもいいのではないかと思いました。」という感想文を書けばいいことになります。

 最後に、「主義なんて言われても良く分かんないよ。」という方の為に、簡単にではありますが、ざっくりとした「主義の見つけ方」の1つを紹介してみたいと思います。少し難しい言葉で言うと「抽象度を高める」などの言い方がありますが、簡単に「自分の考え方を知る」と思っていただいて間違いではありません。

 1.好き嫌いの具体例を挙げるジャンルを決める。
  (例:食べ物、教科、生き物 etc…)

 2.実際に「好き」「嫌い」で振り分けてみる。
  (例)
   ジャンル:食べ物
   好き:アイス、ジュース、チョコレート
   嫌い:コーヒー、ピーマン、ゴーヤ、魚

 3.振り分けた結果をもとに、自分の考え方の傾向を言葉にまとめる。
  (例)
    好きなものは甘いもので、嫌いなものは苦いもの。
     →僕は「甘いものが良い」主義
        「苦いものは良くない」主義

 (4.)1~3の手順を別のジャンルでも同じようにやってみる。

 (5.)色々なジャンルで出した自分の主義同士の共通点をまとめる。
  (例1)
   食べ物:甘いものが良い主義 →頭を使う為に糖分が必要
   教科 :数字を扱う教科が重要な主義 →科学的根拠
   生き物:貝や虫の規則性のある形が美しい主義 →数学的美
   ⇒ つまり、自分は「科学主義」的な考えの人間である。

  (例2)
   食べ物:世界の多様な食文化が良い主義 →外国に興味
   教科 :歴史や社会が重要な主義 →国際的な関心
   生き物:その土地固有の自然な動物が良い主義 →地球環境
   ⇒ つまり、自分はグローバリズム的な考えの人間である。


④「未来のエピソード」を予想して作ってみる。

 もうどうしても思い出とか経験とか書けない!っていう人は、開き直ってこれから自分が経験するかもしれない未来のエピソードを考えて書いてみましょう!
 読書感想文に未来のエピソードを書く時のポイントは3つあります。これに気を付けて丁寧にエピソードを考えましょう。

 1.本の内容を反映したエピソードにすること。

 2.非現実的な内容を書く時は、なるべく前向きに書くようにする。
  (いい例)もし映画スターになれたら、僕の演技で皆を笑顔にしたい。
  (悪い例)もし○○君に悪口を言われたら、返り討ちにしてやりたい。

 3.文字数稼ぎの為でもダラダラと長く書かない。


⑤「過去の反省」を書いてみる。

 実は、エピソードの中でも過去の反省は非常に力強い意味を持つ話題になります。この記事の前半でも、「自分のエピソード」は読んだ相手に「感情的で自分とは違った見方」の「複雑な事」として受け取られるので強い説得力があるという説明をしました。

 そうした「自分のエピソード」の中でも、自分自身が経験した反省というのは特に力強く読者に訴えかける力があります。なぜなら、反省そのものがエピソードの中に「自分が思っていたのと違う考え方」と「複雑な感情」を既に備え持っているからです。

 感想文を書く時に少し冷静になって今までの自分を振り返ってみて、その時に気付いたことを本の内容に重ねながら書いていくと、おのずと深みのある読書感想文を書く事ができるだけでなく、読書感想文を書いている自分自身も成長することができるかもしれませんね。


「本の要約」とうまくつなげよう。

 もう既に「自分のエピソード」の書き方の中で何度も説明しているかもしれませんが、自分たちが今書いている文章が読書感想文であることは忘れてはいけません。きちんと本の要約と自分自身を関連付けて感想文を書かないと、他人が読んだ時にメチャクチャな文章だと思われてしまうかもしれません。この時に注意してほしいのが、必ず読者目線で「本の要約」と「自分のエピソード」がきちんと結びついている事が重要だという事です。読書感想文は必ず提出すると先生に読まれますから、その時に先生が混乱しないような感想文を書けるように頑張ってみましょう。



クソッタレな夏休みの宿題なんてサッサと終わらせちまおう。

 ハイ!これで大体の読書感想文の書き方は説明しました!終わり終わり!皆も分からない事はこの記事を読んだりネットで調べたり大人に質問したりしてさっさと読書感想文なんか終わらせちゃおう!!


大前提として読書感想文の宿題はクソ

 みんなは読書感想文の宿題は好きかな?中には好きな子もいるかもしれないけれど、学生時代の私自身は読書感想文の宿題は嫌いでした。だって面倒くさいじゃん。ただでさえ宿題なんてやる気にもならないのに、わざわざ正解のない感想文を、それも大して面白いと思えない課題図書から書かなきゃいけない。

 みんなもそうかもしれないけれど、私は小さい頃から人に何かを強制的にやらされたり、自分で納得できないまま時間を奪われるのが堪らなく嫌な人間だったから、本当は面白かったもしれない課題図書だって「宿題なんだから読め!」って言われたら途端に面白くなくなってしまった。それに、いくら面白い漫画や映画を見ても、見終わった後に「はい、じゃあ今見た作品の感想を800字で書いて提出してね。」なんて言われたらもう何が面白かったのかも分からなくなってしまう。

 つまる所、読書感想文っていうのは私たちが嫌になる要素がギュッと詰まった宿題なんだよね。でもやらなきゃいけない。だからこそ、この記事で紹介した書き方や下調べをして少しでも楽に早く完成させてしまおう。

 さっさとこのクソッタレな宿題を終わらせて、残りの夏休みを思い切り楽しんじゃおう!!


大抵の教師も自分じゃそこまで良い感想文なんか書けないから安心しよう

 皆を安心させるために、大切なことを皆さんに教えたいと思います。それは「実は、多くの大人や先生たちも、そんなに良い読書感想文なんか書けない」ってこと。ほとんどの人は文章を書くプロフェッショナルでも無ければ、この記事で紹介したような文章を書く為のテクニックも知らない。でも皆読書感想文を提出しなきゃいけないから、同じように悩みながら文章を書いています。

 だからこそ落ち着いて安心してから、集中してさっさと読書感想文を書いちゃってもいい。自分の全力で本気の読書感想文なんか書かなくてもいいから。不安にならずに感想文を完成させちゃいましょう。


大丈夫、最初から君も僕も、最高の素晴らしい感想文なんか書けない。 

 もし君も私も、本当に素晴らしい文章が書けたら、きっと今頃全世界に感動の嵐を巻き起こして、文学賞を総なめして、読書感想文なんか書かなくても、自分の本を書いていれば何の問題もないよね。

 でも実際そんなことはない。最初から誰もそんな最高の文章を書く能力なんかない。皆が皆、どんぐりの背比べみたいにちょっとずつ自分の良いと思ったことを文章にしているだけだから、皆さん緊張しないで心に浮かんだことを素直に書いていきましょう。なんだかんだそれが一番いい文章になったりしますから。


怒られなければいい。提出しなければ0点。

 もし皆さんの書いた読書感想文に100点満点で点数が付くとしたら、いったい何点くらいになるでしょうか?きっと気になりますよね。

 例えば、今皆さんが読んでくれているこの文章が私の夏休みの読書感想文なら、いったい何点くらいが付けられるでしょうか?これは私の勝手な妄想ですが、そんなに良い点数は付かないかもしれません。長いし、「ちゃんと本を読もう」という先生たちからの教えにも否定的だし、読書感想文のことをクソッタレ呼ばわりしていますから、きっと赤点ギリギリと言ったところでしょう。

 しかし、読書感想文なんてものは、乱暴な言い方をすれば「赤点さえ取らなければいい」んです。それはなぜかというと、そもそも正解がない問題で、内容が明らかに破綻していなくて日本語が間違っていなければ、絶対に不正解にすることはできないからです。

 だからこそ、一番ダメなのは「提出しないこと」です。読書感想文の宿題には唯一、絶対に合格にはならないことがあります。それは読書感想文を提出しないせいで、先生たちが採点すべき文章を採点することすらできないことです。これは正真正銘の0点。もし自分の感想文に自信がないからといって、あと少しの所で感想文を書く事を諦めてしまうと、そこまで書けていた内容がどれだけ素晴らしくても必ず0点になります。

 もし一度感想文を書き始めたら、落ち着いて、難しいことなんか1つも書かなくていいですから、必ず最後まで感想文を自分なりに完成させて提出しましょう。それさえできれば、皆さんには何の問題もありません。


まとめ

・「本の要約」+「自分のエピソード」を上手く繋げて書こう。
・「要約」は調べてもいいから正しく読み取ろう。
・「自分のエピソード」は無いなら作ろう。どれだけ些細な事でもいい。
・文字数でカサ増ししてもいい。
・良い感想文なんか中々書けないから目指さなくていい。
・提出しなければ0点。


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