『人類の選別』ショートショート小説

この星では、人間がどんどん増えて、食料や土地の争いがあちこちで行われている。

とても醜い状況だ。

そんな中、神様が人々の前に現れた。

「1年後、人類の選別をする」

巨大な船が海に現れた。

「これ、聞いたことあるぞ!
船に乗っている人だけが生き残って、信じずに乗らなかったものが死んで    しまった」

「有名だよね。ノアの箱舟だよね」

冷静に話す富裕層の2人の男たちがいた。

たちまち人々が乗り込んだ。

しかし、全人類が乗ることは到底不可能だ。

殴り合い船から落としあう人間たちで溢れた。 

2人の男たちは、呼びかけた。

「この船に乗らなかったものには、100万をやる」

   手を挙げるものは、いなかった。

「なぜだ!!?何もしなくて100万貰えるのだぞ」

「1年後死ぬのに100万もらってもしょうがないだろ!!」

と強い口調で返されていた。 

屈強な男が言った。

「俺と一緒に戦えば、勝てるぞ!!!」

多くの人々が集まった。

こうして、この地球上では、争いがどんどん激化した。

殺し合い、騙し合いなんとしてでも生き残ろうとする醜さはもう見ていられない。

私は、大きな声をあげた。

「私は、この船に乗らなくていい!!!」
「来年死んでもいい!!!」
「殺しあったり、騙しあったりしてまで生きたくない!!」
「だからあと一年楽しく暮らさせて!!!!!!」

「僕も!!!」

「私も!!」
と声がたくさん聞こえてきた。

同じような気持ちの人たちもたくさんいて、安心した。

「そうやって、生き残ろうとする考えか!!」

「違う!!私は本当に、、」

神様が再び現れた。

「よかろう、船に乗らなくてもいいものために島を用意した。船を乗らなく  てもいいという考えの者たちは、ここに住むといい」

こうして、私たちは、島で楽しく暮らすことになった。

ここに住む人たちは、優しくていい人ばかりだ。

今まで1番安心して暮らしている。

こんな楽しいのは、初めてだ。

以前は、いつもどこで争いがあり、ビクビクしていた。

1年後、死ぬとしても悔いはない。 

私は、一日一日を噛み締めるように暮らしていった。

気の許せる仲間たちにも出会えた。

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巨大な箱舟が現れて、明日で1年となる頃

「いよいよ、明日だね」

「そうだね。最後にみんなでパーっと楽しもうよ」

「宴だ〜〜〜〜〜!」

そうしてパーティーが開かれ、すごい数の人で賑わった。

私も浴びるように酒を飲もうかな。

高級シャンパンを開け、

「みなさん!!今までありがとう!!!」

と叫びながら飲んだ。

そうして、飲んでいくうち、だんだんと眠くなってきた。

最後の日くらい絶対寝てたまるか!

楽しい仲間とおいしいお酒を飲めて最高なこの時間を少しでも長く味わっていたい、、、、、、、、

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「あっっ!!!!!!!寝ちゃった!!!!!なんで起こしてくれなかった  の!!!あと何時間!!??」

「それが、もう過ぎたんだよ」

「なんで、何もないの!!?」

「神様のはったりだったのかな」

「まあとにかく生きていてよかった」

「そういえば、島の外は、今どうなっているのかな?」

「ちょっと見に行ってみよう」

島を出て見たものは、この世の物とは思えないくらいひどかった。

どんなに探しても生き残っている人は、1人もいない。

「ひどいね、これは」

「悲しいね」

「船は、無くなっているのかな」

巨大な船があった場所に行った。

「やっぱり無そうだね」

「どのくらいの人が乗ったのかな」

「あれ!!?」

「どうした?」

「見てよ、あれ!!!
あんなところに山なんてあったけ!!??」

「違うよ!!船だよ!!!!
船がひっくり返ってる!!!!」

「どうやら生き残ったのは、私たちだけのようだね」

こうして、人類の選別は行われたのであった。

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