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スルーシナインの旅 第2話 任務の確認

スルーシナインの車内では、ミエーテルとテツヤが念入りに最終確認を行っていた。というのも、ソースステーションと通話やデータ送受信ができるのは、最初に停車予定のエーデンナァ星までで、エーデンナァ星を出ると、邪悪な電波やシールドによって、ソースステーションとの接続が断たれているからだった。
 おまけに、エーデンナァ星を出た後の会話や記録は、ダークサイドに盗聴されたりする恐れもあるため、隠密パトロールの任務を負っている彼らにとっては命取りになる。だから、エーデンナァ星を出た後は、盗聴もハッキングもされないように注意を払い、お互いの意思疎通は念話を使用することになる。万が一にもダークサイドに彼らの素性や任務が知られたら身柄が拘束され、死刑(生贄)になる危険もあるのだ。

ミエーテル
 「テツヤ、最終確認よ。 私たちの任務は何があっても、生きて調査結果
 を保存したメモリーチップをソースステーションに持ち帰ること。 
 無茶はしないようにね。 捕まらずに生きて帰るのよ。」

テツヤ
 「わかったよ、ミエーテル。 調査結果っていうか、見聞きしたこや調査
 したことは、自動的に脳内チップに保存されるんだったよね。 
  あとはお互いに単独行動はせず、常に姉弟として観光目的の旅行者を
 装うこと、だよね。」

ミエーテル
 「そうよ。 そして、私たちの身分は、ネムリヤ星のアソナカヘイジに
 雇われた“派遣旅行者”だということも忘れないでね。 ネムリヤでは
 ヨウシコンピューターにも、“派遣旅行者”として登録されてるから問題は
 ないはずよ。」

テツヤ
 「うん、わかった。 俺たちはアソナカヘイジに雇われた“派遣旅行者”の
 姉弟という設定だったね。」

ミエーテル
 「それから、エーデンナァ星を出たら会話も禁止よ。 ダークサイドに
 盗聴されたりハッキングされる恐れがあるから。 だから念話を使うの。 
  私たちの念話で使用する周波数は、愛・尊重・調和・平和の周波数、
 ダークサイドは不安・恐怖・脅迫・支配の周波数だから合わないの。 
 だから念話は傍受されない。 ただし、いったんダークサイドの星系に
 入ったらソースステーションとの接続も断たれるから、自分を信じて、
 内なる自分(ソース)をしっかり持つこと! 良い? ダークサイドに
 心を奪われたら彼らの周波数と同調することになるから氣をつけてね。」

テツヤ
 「わかったよ、ミエーテル。 ソースステーションで受けてきた自分軸と
 か内なる自分(ソース)を信じること・感じることの訓練や教育が試され
 る時なんだね。」

ミエーテル
 「そうよ。 訓練を思い出してね。 それから、自分軸をしっかり保つ
 ための合言葉をちゃんと覚えてる?」

テツヤ
 「覚えてるよ。 合言葉は“ソースがともにあらんことを”。」

ミエーテル
 「完璧ね。 さぁ、エーデンナァ星に着くわよ。 ここでは旅行氣分で
 観光も楽しもうね。
  けど、この星を出たら、かなり過酷な任務になるから、氣を抜かない
 ようにね。」

テツヤ
 「わかったよ、ミエーテル。 ところで、エーデンナァ星では久しぶりに
 エバおばさんに会えるかな?」

ミエーテル
 「そうね。 エーデンナァ星がダークサイドの支配から解放された後、
 私たちと一緒に、ソースステーションで復興計画について、一緒に学んで
 いたころを思い出すわね。 
  実際にどのようにして、エーデンナァ星が愛と調和の惑星になっていっ
 たのか、その経緯についての調査も今回の重要な任務にもなってるから、
 きっと、エーデンナァ星の皇女でもあるマダムエバにも会えるんじゃない
 かしら。」

テツヤ
 「やった~! 楽しみだなぁ~。」

そうこうしている内に、スルーシナインはエーデンナァ星に到着した。

車掌
 「エーデンナァ星~、エーデンナァ星~、どなた様も忘れ物がないように
 お降りください。 なお、当ケムトレインは当駅に5日間停車します。」

ミエーテルとテツヤもスルーシナインから降りて、駅構内にあるホテルに
チェックインした。

あくる朝、フロントからの連絡を受けて、彼らがフロントに向かうと、そこにマダムエバのところに案内してくれるという紳士が待っていた。

紳士
 「ミエーテルさんとテツヤさんですね。 マダムエバが宮殿で待っていま
 すので、私が案内します。 どうぞ、車に乗ってください。」

二人を乗せた車が、マダムエバの待つ宮殿へと向かって走り出した。

  この物語はフィクションであり、作者である私の妄想から
  産まれた空想物語です。
   したがって、登場する人物や名称などは実在のものとは
  異なりますので、ご注意ください。

      ~ つづく ~

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