脳科学リサーチ【オフィスワンダリングマインド】

オフィスワンダリングマインド代表。脳科学・心理学に関するコンサルティング業務を行う傍ら…

脳科学リサーチ【オフィスワンダリングマインド】

オフィスワンダリングマインド代表。脳科学・心理学に関するコンサルティング業務を行う傍ら、大学院で脳科学の研究をしています。趣味は人間観察と考えること全般。執筆依頼はオフィスワンダリングマインド:https://what-is-man.me

記事一覧

失恋の痛みは薬で軽減できる?

失恋の痛みは体の痛みと匹敵します。しかしこの痛みは脳科学的にはどのようなものとして捉えることができるのでしょうか。今回取り上げる論文は、社会的な痛みと身体的な痛…

恋愛の終わりについての現象学的記述

いろんなものには形のないカタチというものがある。例えばアメリカであればアメリカらしさがあるが、それはカタチとしては見えない。しかしアメリカのすべての事象の根底に…

失恋の悲しみは依存症?

失恋というのは辛いものですが、それにもかかわらず私達は失恋の悲しみに好んで浸ります。失恋をテーマにした音楽などはその最たるものでしょう。 しかし、失恋時には一体…

失恋で引き起こされる脳活動とは?

失恋というのは結構な痛みを伴うものですが、この時脳の中では何が起こっているのでしょうか。今回取り上げる論文は、この失恋に伴う脳活動について調べたものです。 「恋…

恋の痛みの脳科学:失恋で脳がどう変わるのか?

恋は幸せも連れてきますが、痛みや辛さも引き連れてきます。とりわけ失恋は心に大きなダメージを引き起こしますが、このような時、脳はどのように活動しているのでしょうか…

一目惚れホルモン?フェニルエチルアミン(PEA)

人間生きていると一度や二度は一目惚れの経験があると思うのですが、コント昨日の中では何が起こっているのでしょうか。今回取り上げる論文は、愛に関するホルモンについて…

恋に落ちる時ホルモンはどうなるのか?

恋に落ちている時には、行動的になる一方情緒不安定にもなりますが、一体身体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。 今回取り上げる論文は、恋愛に関する神…

恋愛、母性愛、友愛に関わるホルモンとは?

人間の愛情には様々なものがあります。燃えるような恋愛感情や暖かい母性愛、そして友人同士の連帯愛のようなものなど様々ですが、これに関わるホルモンというのはあるので…

愛のホルモン:恋愛における変化と影響

恋の病という言葉がありますが、確かに恋愛中は情緒不安定になったり勇気が出たりと大分心持ちが変わります。この時、私達の身体の中ではどのような変化が起こっているので…

恋愛ホルモンで愛と性行動がどう変わるのか?

人は恋に落ちると心持ちや行動パターンが変わってきますが、これには一体何が影響しているのでしょうか。今回取り上げる論文は恋愛に関する神経生理学の知見についてまとめ…

アロプレグナロンが愛と性欲に与える影響

人間の体には様々なホルモンがありますが、近年注目されているものにアロプレグナロンがあります。 これは性ホルモンであるプロゲステロンをもとに作られるホルモンですが…

βエンドルフィンと愛の関係とは?

ラブホルモンといえばオキシトシンが有名ですが、近年注目されているホルモンにβエンドルフィンというものがあります。果たしてこのβエンドルフィンは愛に対してどのよう…

オキシトシンは本当にラブホルモンなのか?

私達の身体には様々なホルモンがあり、心身両面の機能を支えています。その中の一つに女性ホルモンの一種であるオキシトシンがあります。オキシトシンは通常出産前後に分泌…

ラポール構築のためのコミュニケーション方法とは?

ラポールというのは相手との信頼関係のことですが、これを築くにはどのような方法があるのでしょうか。今回取り上げる論文は、語学教師が用いている方略について調べたもの…

対面交渉はラポールを高める?

お金を巡って交渉するにはタフさが求められますが、交渉をスムーズに運ぶには一体何が大事になるのでしょうか。今回取り上げる論文は対面での交渉がラポールと交渉にどのよ…

なぜ私達は同調するのか?

ラポールを取るためには同調行動が大事と言われています。同じタイミングで頷いたり、同じように足を組んだりなどすることで心と心が繋がりやすくなるというのです。このよ…

失恋の痛みは薬で軽減できる?

失恋の痛みは体の痛みと匹敵します。しかしこの痛みは脳科学的にはどのようなものとして捉えることができるのでしょうか。今回取り上げる論文は、社会的な痛みと身体的な痛みの関係について論じたものになります。 失恋と骨折:社会的痛みと身体的痛みの類似点に関する神経的観点Eisenberger, N. I. (2012). Broken hearts and broken bones: A neural perspective on the similarities between s

恋愛の終わりについての現象学的記述

いろんなものには形のないカタチというものがある。例えばアメリカであればアメリカらしさがあるが、それはカタチとしては見えない。しかしアメリカのすべての事象の根底にある「らしさ」は、ある。それはあなたらしさかもしれないし、男らしさなのかもしれないが、物事の基盤にある何かがある。 哲学の一分野である現象学では、それを「基底」という言葉で呼ぶ。今回取り上げる論文は、結婚生活における愛の終焉について現象学的立場から記述し論じたもの。 明日読む論文: ロマンチックな愛からの脱落に関す

失恋の悲しみは依存症?

失恋というのは辛いものですが、それにもかかわらず私達は失恋の悲しみに好んで浸ります。失恋をテーマにした音楽などはその最たるものでしょう。 しかし、失恋時には一体私達の脳はどのように活動しているのでしょうか。今回取り上げる論文は、失恋した人たちの脳の働きを調べたものです。 恋愛の拒絶に関連する報酬、依存症、感情の制御システム Fisher, H. E., Brown, L. L., Aron, A., Strong, G., & Mashek, D. (2010). Rew

失恋で引き起こされる脳活動とは?

失恋というのは結構な痛みを伴うものですが、この時脳の中では何が起こっているのでしょうか。今回取り上げる論文は、この失恋に伴う脳活動について調べたものです。 「恋愛関係の別れを悲しむ女性の局所的な脳活動」 Najib, A., Lorberbaum, J. P., Kose, S., Bohning, D. E., & George, M. S. (2004). Regional brain activity in women grieving a romantic rel

恋の痛みの脳科学:失恋で脳がどう変わるのか?

恋は幸せも連れてきますが、痛みや辛さも引き連れてきます。とりわけ失恋は心に大きなダメージを引き起こしますが、このような時、脳はどのように活動しているのでしょうか。 今回取り上げる論文は、失恋した人と恋愛中の人の脳活動を比べた研究になります。 Stoessel, C., Stiller, J., Bleich, S., Boensch, D., Doerfler, A., Garcia, M., ... & Forster, C. (2011). Differences a

一目惚れホルモン?フェニルエチルアミン(PEA)

人間生きていると一度や二度は一目惚れの経験があると思うのですが、コント昨日の中では何が起こっているのでしょうか。今回取り上げる論文は、愛に関するホルモンについての総説論文です。 PHYSIOLOGICAL BASIS OF LOVE-THIS IS OUR BRAIN ON LOVE: Physiology of Love and its basis 愛の生理学的基礎- これは愛に関する私たちの脳です:愛の生理学とその基礎 オキシトシンやセロトニンなど愛といえば定番といっ

恋に落ちる時ホルモンはどうなるのか?

恋に落ちている時には、行動的になる一方情緒不安定にもなりますが、一体身体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。 今回取り上げる論文は、恋愛に関する神経生理学について詳しく論じたものになります。 ロマンチックな愛の科学: 進化的、神経的、ホルモン的な特徴 The science of romantic love: Distinct evolutionary, neural, and hormonal characteristics この論文によると恋愛中には主

恋愛、母性愛、友愛に関わるホルモンとは?

人間の愛情には様々なものがあります。燃えるような恋愛感情や暖かい母性愛、そして友人同士の連帯愛のようなものなど様々ですが、これに関わるホルモンというのはあるのでしょうか。 今回取り上げる論文は愛の神経生理学的知見についてまとめたものになります。 愛の社会神経科学 Social neuroscience of love. これによると恋愛、母性愛、友愛では以下の3つの違いがあることが述べられています。 まず恋愛については、ドーパミンが主な役割を果たすことが報告されていま

愛のホルモン:恋愛における変化と影響

恋の病という言葉がありますが、確かに恋愛中は情緒不安定になったり勇気が出たりと大分心持ちが変わります。この時、私達の身体の中ではどのような変化が起こっているのでしょうか。 今回取り上げる論文は、恋愛中のホルモンの変化と行動の変化について論じたものです。 脳の中の愛: 社会神経科学のレビュー Love in the Brain: A Social Neuroscience Review この論文によると恋愛に関係する主なホルモンとして、以下のものがあります。 ・ドーパミ

恋愛ホルモンで愛と性行動がどう変わるのか?

人は恋に落ちると心持ちや行動パターンが変わってきますが、これには一体何が影響しているのでしょうか。今回取り上げる論文は恋愛に関する神経生理学の知見についてまとめた論文になります。 Neuroanatomy and neurochemistry of sexual desire, pleasure, love and orgasm 性的欲求、快楽、愛、オーガズムの神経解剖学と神経化学 この論文では愛と性に関わる様々な神経生理学的知見が述べられています。愛と性に関わるホルモン

アロプレグナロンが愛と性欲に与える影響

人間の体には様々なホルモンがありますが、近年注目されているものにアロプレグナロンがあります。 これは性ホルモンであるプロゲステロンをもとに作られるホルモンですが、今回取り上げる論文は、このアロプレグナロンが愛と性欲を始めとする社会性に与える影響について論じたものです。 社会的、認知的、感情的、身体的機能に対する神経ステロイドの効果とメカニズム Neurosteroids' effects and mechanisms for social, cognitive, emot

βエンドルフィンと愛の関係とは?

ラブホルモンといえばオキシトシンが有名ですが、近年注目されているホルモンにβエンドルフィンというものがあります。果たしてこのβエンドルフィンは愛に対してどのような効果があるのでしょうか。今回取り上げる論文は、βエンドルフィンと愛の関係について論じたものです。 Endorphins, oxytocin, sexuality and romantic relationships: an understudied area エンドルフィン、オキシトシン、セクシュアリティ、恋愛関係

オキシトシンは本当にラブホルモンなのか?

私達の身体には様々なホルモンがあり、心身両面の機能を支えています。その中の一つに女性ホルモンの一種であるオキシトシンがあります。オキシトシンは通常出産前後に分泌が増加し、女性の母性を育むことから愛のホルモンとも呼ばれます。また母子関係だけでなく男女の絆や社会的つながりにも関わるとされいます。今回取り上げる論文は、このオキシトシンと愛の関わりについて深く調べたものになります。 オキシトシンと愛:神話、隠喩、そして謎 Oxytocin and love: Myths, meta

ラポール構築のためのコミュニケーション方法とは?

ラポールというのは相手との信頼関係のことですが、これを築くにはどのような方法があるのでしょうか。今回取り上げる論文は、語学教師が用いている方略について調べたものになります。 Communicative Styles, Rapport, and Student Engagement: An Online Peer Mentoring Scheme コミュニケーションスタイル、信頼関係、学生の関与 この研究ではオンライン語学教師の発話内容と生徒の反応を分析し、教師がどのような

対面交渉はラポールを高める?

お金を巡って交渉するにはタフさが求められますが、交渉をスムーズに運ぶには一体何が大事になるのでしょうか。今回取り上げる論文は対面での交渉がラポールと交渉にどのような影響を与えるかについて調べたものになります。 紛争解決における親密さ: 動機が複雑な紛争において、対面での接触がどのように相互協力を促進するかを説明する Rapport in conflict resolution: Accounting for how face-to-face contact fosters

なぜ私達は同調するのか?

ラポールを取るためには同調行動が大事と言われています。同じタイミングで頷いたり、同じように足を組んだりなどすることで心と心が繋がりやすくなるというのです。このようなことを意識的にすることもありますが、気心がしれていれば自然と体の動きが同調することもあります。しかし、脳科学的にはこの現象はどのように説明できるのでしょうか。今回取り上げる論文は、この同調行動を予測符号化と自由エネルギー原理と呼ばれる理論を用いて説明したものになります。 なぜ私たちは他人と同調してしまうのでしょう