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『無常ということ』を読んで

雑誌、表現者クライテリオンの同人ブログにて記事を執筆しています。政治や経済に明るいわけでない私は、自分なりに、文化や藝術に想うことをコラムとして投稿させていただいています。

私たちは、今、情報の荒波にさらわれ、何千年と培ってきた豊穣な大地から、この足を引き離されそうになっています。
最近話題になっているAIのこともそうです。流行病のこともそうです。
直感、直観で判断したと思っていることすら、知らず知らずのうちに情報や、そこから身についた知識による判断であることは少なくありません。私たちは、空を見上げ、風の匂いを感じるより前に、天気予報をたよりにその日の服装を決めたり、持ち物を決めたりします。見上げれば、誰の上にも空はあるのに、手のひらのなかの小さな画面を俯きがちに見ているのが、現代の私たちです。

情報が飛び交う世の中で、私を錯覚へと導く情報や知識は数多あります。
そうして生きていくうち、私たちは心を虚しくし、何も思い出せず、何も感じられなくなっていくのかもしれません。

#006 『『無常といふこと』を読んで』 記事本文より


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