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認知症リスクを下げる食事:和食

今日のポイント

  • 大豆、海藻、野菜、魚が多い和食は認知症リスクを下げる

  • 和食を継続する場合は米などの糖質と塩分の過剰摂取に注意する

  • 認知症リスクを下げるためには超加工食品を減らし、地中海食と和食の要素を取り入れると良い

参考文献
[J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2016 Oct;71(10):1322-8.]
[Am J Clin Nutr. 2013 May;97(5):1076-82.]

本文

地中海食ほどではありませんが、和食も認知症リスクを下げるのではないか、と言われています。今日は和食と認知症の関連を調べた研究をご紹介します。

はじめに、ここでいう和食とは「米、味噌汁、海藻、緑黄色野菜、魚、緑茶が多く、牛肉や豚肉が少ない」ものを指します。直近の 50年間で米や野菜の摂取量は半減し、乳製品や肉類、油脂は 3-5倍増加していますので、現在私たちが日常的に食べている食事とは違うことを知っておく必要があります。

日本人14402人を約6年間追跡して和食と認知症リスクの関連を見た研究があります。結果は、和食をしっかり食べている人ほど認知症リスクが低い (最大 20%のリスク低下) というものでした。

和食の食品に注目した研究もあります。日本人1006人を約15年間追跡して食事パターンと認知症リスクの関連が検討されました。研究の結果、大豆、野菜、海藻、乳製品の摂取量が多く米の摂取量が少ない人はアルツハイマー型認知症および脳血管性認知症のリスクが低いというものでした。

これらの研究に共通しているのは「大豆、野菜、海藻などを中心とした和食は認知症リスクを下げる」という結果です。ただし、白米などの糖質が多い食品や和食で高くなりがちな塩分に関しては、糖尿病や高血圧の原因となり、長期的には動脈硬化や認知症のリスクが上昇しますので、要注意とされています。

私の結論(2023年7月時点)ですが、食事で認知症リスクを下げるためには、超加工食品を減らして地中海食と和食の良い要素を取り入れるのが良いと考えています。具体的には、超加工食品、牛肉、豚肉、菓子、米を減らし、野菜、海藻、豆、魚、ナッツ、オリーブオイルを増やすということです。

以上となります。何を食べようか考える時に今回の記事を思い出していただけると良いなと思います。厳格な食事制限はなかなか続けにくいですから、無理のない形で取り組み始めて、長期的に継続していきましょう。

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