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「やりたいこと」が見つからないあなたへ〜脳科学者が教えるやりたいことの見つけ方/西剛志

(対象)
・就職にあたってやりたいことが見つかっていない方
・働いているけど「これが自分の本当にやりたいことか?」と疑問がある方


大学3年やM1の方、就職活動の進捗はいかがでしょうか?
また、企業によっては先月なり今月エントリー開始というところもあろうかと思います。
自分は今でこそ、(地方ですが)それなりに名の知れた企業に勤め、幸いにも順調に出世し年齢相応のポジションにいます。ありがたいことに、途中、社会人として学位を取ることもできました。

こうやって聞くと、人によっては順調な人生だなぁと思うかも知れません。
自分も経歴だけ書き出すと、道を外れることなく順調にここまできたなぁという感じです。

でも、振り返ってみると就職先を選ぶ時も悩みに悩みましたし、胸の内をさらけだすと実は今でさえ、「この仕事が本当に自分の転職なのか?」と自問自答することがなきにしもあらずです。

企業に所属すること=仕事、だった一昔前と比べ、今は働き方も働く場所も、ほぼ無限といっていいほどの選択肢があります。
メディアに露出するような人たちは、自分のやりたいことを仕事としてやっていて、キラキラして見えます。在宅でパソコン仕事をし、日中でもサーフィンに出かけ、子供との時間を大切にする。
そんな感じのある種の ”理想の姿”  が目立ちすぎた弊害なのか、会社の歯車として働く自分と比べ、「いいなぁ」と思っている人も少なくないのではないでしょうか?

自分を振り返ってみて

40歳も近くなり、(今更感はありますが)自分のやりたいこと・好きなことはある程度明確なってきた感があります。

でも、上述のように就職先の選定はめちゃくちゃ悩みました。
決定を先送りにするように大学院に進学し、いざ就職活動。
突然のように、どこの会社かを選ぶ必要がでてきて、エントリーシートも提出しなきゃいけません。
っていっても、突然「あなたはどんな仕事がしたいの?」と言われたって、即答できない人がほとんどですよね。
だって、それまで自分の人生で大事なことなんてほとんど考えてこなかったし、夢や希望を熱く語るのは格好悪い、みたいな空気もあったし。

でも、エントリーシートの締切は迫ってくる。
勢い、なんとなく自分の大学時代の経験を多少なりとも活かすことができ、業務の内容もそれなりに自分の希望に近く、待遇が悪くないところを選定。
志望動機をそれっぽく仕上げて試験・面接に臨むというわけです。

で、いざ働き始めると要領のよくない(?)自分は目の前のことに一生懸命になり、半分視野狭窄状態で勤務約15年、ここまでたどり着いたというわけですw

今は仕事にやりがいを感じる部分も増え、待遇にも不満はないので結果論として良かったのでしょうが、できれば就職する時、かりにその時にしそびれたら就職してから早いうちに自分軸というか自分の価値観と本気で向き合う期間をとること。
非常に大事になってくると思います。
本書は、その向き合う際の強力なツールになる一冊。

価値観とは?

本書は解説と複数のワークから構成されています。
面白いなと思ったのは、「感情」を第一としている点。

価値観を考える時、正攻法としては「自分にとって何が大切か?」「自分は何がやりたいのか?」を自らに問うて答えを出すのが正攻法かと思います。
しかし、著者はやりたいことではなくで、やりたいことを通じで得られる感情に目を向けましょうと主張しています。
これは、多分類書にはない面白い着眼点です。

例えば、食べることが好き、寝ることが好きという行為があったとすると、それらには食べることでどういう感情が得られるから好きなのか?というところまで深掘りせよということです。
すると、自分の好きな行為の共通項が炙り出されてきます。

そこまでくればシメたもの。
あとは自分の満たしたい感情を逆算し、それを誘発する行為を仕事にするなり趣味にしていけばいいわけです。

ワークの概要

著者は人間が満たして充実感・幸福感を得られる感覚を7つに整理してくれており、ワークをとおしてそこから逆算する形で自分のライフワークを求めていきます。その7つの感覚とは

1 安心感
2 好き
3 面白い
4 知りたい
5 ワクワク
6 役立てる
7 フィット感

この7つの感情こそが、あなたが死後おものをや趣味を通して満たしたい感情だとしています。
自分が得たい感情、といった時に何かをやり遂げた時の「達成感」や美味しいものを食べたり温泉に入った時の「快感」もあるような気がします。
それらは広義の「好き」、や「ワクワク」に分類されるという整理かと思います。

ワーク1
・著者がライフワークにつながると整理してくれた77個の動詞から自分の心が動く動詞を10個程度抽出
・それらの動詞に目的語を追加
・目的語+動詞の塊10個をつなげて 〜な仕事で言い切るように文章を作る

ワーク2
・ワーク1に対し現状を採点する

ワーク3
・7つの質問に答えて自分の個性を可視化する

ワーク4
・10個の才能に関する質問に答え自分の才能を診断する

ワーク5
・仕事を構成する20要素から自分に引っかかるものを複数選び仕事を創作する

ワーク6
・人間関係、時間、お金について理想を書き出し、現在の状況を採点する

ワーク7
・1週間、三ヶ月、1年、3年、20年後に死ぬとしたら何がしたいかを網羅的に書き出してみる

一通りワークをしてみた感想

喫茶店でノートを開き、自分もワークに一通り挑戦してみました。
所要時間や約3時間。
脳をフル回転させたような感覚があり、完了あとは結構な疲労感がありました。

感想としては、自分のことは自分が一番よくわかってるとあぐらをかかず、きちんと言語化していくことが大事だなと思ったのと、頭が整理されて、これまで気づかなかったしたいことに気づけた点。

例えば、自分は才能として言語的知能と内面的知能の得点が高い傾向にありました。それらを組み合わせた行動としては、心理療法の紹介をしたり、人の相談にのったり。
以前から心理学に強い関心がありましたが、こうやって言語化されるとその興味関心の根っこの部分=自分の内面的知能の影響というのがよく見えてきたところです。
なんとなく以前から、気になるな〜とか、この本(心理学)面白そうだな〜と思うことあ他の分野に比べて多かったですが、その理由がよくわかりました。

で、意識できると人は強いもので、今後の指針にもなってくれそうです。



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