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書くこととより良く生きることの関係〜メモで自分を動かす全技術/高田晃

どうせ実行したところで、人生が一変したりはしないだろう。
そんなことはわかっていながら、気になって手に取ってしまう「〇〇術」「〇〇法」の類。
ノウハウコレクターになるだけでは勿体無いので、是非ともQOLの向上やより良い人生を歩むのに取り込めるものがあれば、是非とも取り入れたいところです。

過去にもビジネス雑誌でメモ術、手帳術の本はいくらか読んだことがありましたが、本書は表面のテクニックというより、もっと大局的に
”より良い人生を歩むために、メモ(とノートと手帳)を活用しよう”
というスタンスで書かれていて、具体的な細かいテクニックより、思想に重きが置かれている印象を受ける1冊でした。
具体的なテクニックを知りたい、というよりも書く行為を人生でどのように位置付けるか、という点でメモ・ノートとの関わりを考えたい方におすすめ。

メモ魔な成功者は多いみたい、という話

レオナルドダビンチやエジソンがメモ魔であったことは、この手の本によく出てくる話。
本書では、スポーツ界や実業界にまで目線を広げ、マクドナルドの藤田田さん、孫正義さん、野村監督、大谷翔平選手と書くことを習慣にしている複数名について紹介されています。
興味深かったのは、孫正義さん。
勉強時間が惜しいから効率よく稼ごう、と特許を取ることを決意し、毎日5分アイディア出しをし、発明ノートを書き溜めていたそう。結果、翻訳機の特許をシャープに売り渡し、一財産をなしたのは有名なエピソード。
メモが大事、とも言えますが考え続ける習慣がすごいなと。

アイディアの断片は手持ちのメモに残し、母艦ノートで考える

方法論についても賛否が分かれるところかと思いますが、著者の高田さんは常に携帯する小型のノートなりに気づきを集積し、大事な項目は母艦ノート(ルーズリーフ)に書き写す、ということを推奨しています。
この母艦ノート、気づきを書き込み思考を深めていくだけではなく、新聞スクラップも基本的にはルーズリーフに貼り付け、一元化します。
で、気づきがあればどんどん書き込んでいく。
本書の特典動画では、昔の新聞スクラップの記事で、オンラインの靴屋が増える中で対面販売で人気を博している、という内容のものから、自分がオフ会を開催するときにどういう点に気を配ればお客さんは満足してくれるだろうか?というふうに抽象化の作業とアイディアの応用までの流れが書かれていて、興味深かったです。
多分、多くの人はこのご時世、情報をフローとして見ており、こういった「昔の新聞記事から着想を得て、今の自分に生かす」なんてことが難しい状況になっているかと思います。
そういう意味で、母艦ノートは情報のストックスペースになるわけですね。
早速AmazonのブラックフライデーセールでA4のルーズリーフを買ってしまったミーハーぶりw

読書とメモの関係〜3行記録をすべし

実用書を読んだけどなかなか活用できない。
自分もですが、そんな方も少なくないかと。
なんか面白そうなメソッドと出会うと、その時はテンションが上がるのですが、日常に戻ると結局活用できてない、という・・・
著者の高田さんはそんな人もフォローしてくれています。安心してください。

方法としては、手帳に本から得た実行したい行動を3つ書き出しておく、というもの。例えば、本書を読んだ自分がメモるとすると

①小型のメモ帳を常に肌身離さず持ち歩きメモる
②メモを母艦ノートに整理しながら書き写し、実生活への応用を考える
③新たに出会った語彙、人生の目標などもメモっておき、定期的に見る

といったところでしょうか。
本書では、読書やメモの方法にとどまらず、人生を価値観にそって充実させながら生きるためにという大目標にまで踏み込んで述べられています。

メモ術を知りたいというより、人生をよりよく生きるために書くことについて考えたい方におすすめの1冊。


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