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【本のセレクト】5月病にならないための10冊。

今日は久しぶりに
選書企画をやりたいと思います。
 
今回のテーマは何がいいですかね?

4月だし、
進学、入社、環境変化などで、
戸惑っている人もたくさん  
いるかもしれませんね。
それが続くと、
昔は「5月病」という、
気だるいメンタルになる傾向が
ありました。
そんな5月病に効く本を
10冊、選んでいきたいと思います。

(1)『舟を編む』三浦しをん。 
いっけん、三浦さん得意の
お仕事小説かと思いきや、
辞書作りに奮闘する主人公と
恋人や上司らとの人間模様が
バツグンです。
軽すぎず、深刻過ぎない   
三浦しをんらしい1冊。

(2)『重力ピエロ』伊坂幸太郎、

伊坂さんの長編デビュー2作め。
デビュー作
『オーデュボンの祈り』も
イキイキしていていいし、
3冊めの『ラッシュライフ』で
伊坂幸太郎さんは
この三作で作家として
伊坂ワールドをカッコたるもにした。
そんな伊坂ワールドでは
「春」という言葉から始まるから
あえて、この2冊めを選びます。

(3)『歴史を考えるヒント』網野善彦
約20年前に書かれた日本史入門。

色んな謎や疑問を
わかりやすい解いてくれる入門書。
「日本」という国名はいつから?
貨幣経済はどんな力になったか?
サムライは農民だったって本当?
本来、百性とは漁民や商人をも
さしていた言葉だった?
などなど、大事なテーマを
わかりやすく書いている。

(4)『うらおもて人生録』色川武大。
天才ギャンブラーでもあった
色川武大が、子ども向けに説いた
人生に役立つ人生録。

人生で必要なのは、  
人を好きになるチカラ。
具体的には、博愛ですね。
また、人に興味を持つ大切さ。
あるいは、勝ち率3割を、
常にキープすることなどを
具体的に書いてあります。

(5)『ヘブン』川上未映子
斜視にコンプレックスを抱く
少年と少女のディープな物語。
読んでいると、自分も
彼らの教室にいるような
強い磁力に惹きつけられる。

(6)『鴨川ホルモー』万城目学
先に直木賞に選ばれた
万城目学がブレイクした作品。
京都に暮らす大学生たちが
ウブな青春ストーリー。
万城目学の作品は
どれもキツネにつままれたような
感覚になる不可思議さが良い。

『鹿男あをによし』も
鴨川ホルモーに匹敵する面白さ。

(7)『さくら』西加奈子。
桜の季節がよく似合う長編。
西加奈子といえば
『サラバ』が断然いいけれど、
西加奈子が最初にブレイクしたのは
『さくら』なんですよね。
いっけん今風の癒やし家族小説かと
思いきや、全然ちがう、
そんなとこがいいんだよね、  
西加奈子さんて。
ほろ苦な青春ストーリー。

(8)『センセイの鞄』川上弘美
なぜだか、悲しめの春を
イメージさせる奇妙な恋愛小説。
これもいっけん数多ある
癒やし小説かと思わせるのに、
読み進むうちに、
なぜだかザワついてくる
ひと癖ふた癖ある、
老人と教え子の奇妙な恋愛小説。

(9)『TVピープル』村上春樹
「季節は春だ。たぶん春だと思う」
シュールな生き物が急に 
やってくるなら、やっぱり
春がいちばん似合うはず。

このTVピープルを収録した
短編集『TVピープル』は
他にも、春樹らしい世界なのに
季節はどれも、春めいています。 
「飛行機」
「我らの時代のフォークロア」
「加納クレタ」「ゾンビ」   
「眠り」など。

(10)『空飛ぶ馬』北村薫』

北村薫といえば、
「円紫さんと私シリーズ」が
代表作品ですが、
その1冊めが、これ。

高校生の主人公は
眠さと葛藤する、
いかにも高校生らしさから
ストーリーが始まる訳です。
甘くほろ苦い北村薫ワールドは
心がはずみますね。

さあ、10冊を選んでみましたが、
春を彷彿とさせる作品に
なるようにしたけど、
同時に、青春時代の作品が
たくさん入っていますね。

本は、
春らしい作品もあれば、
冬らしい作品も、
夏らしい作品も、
秋らしい作品もある。

とりあえず、テーマは
今は5月病に効くということで、
春らしい作品を選ぶことに
思いがけず、なりました。

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