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【徒然草】書くとは、理性を超えることかも?

みんな教科書で出会う『徒然草』。

脂が程よく抜けたおじさんが
700年以上昔に書いた
珠玉のエッセイ集ですね。

有名な冒頭の、
『そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ』
これは
「書くという行為」の
非常にファンキーな
ポテンシャルに触れていますね。

「日々、心のままに書いてたら
心が狂いだし、おかしくなりそう」
と吉田兼好おじさんは言うんです。

心が狂いだし、
気持ちがおかしくなりそうだ、 
というのは、
集中して没頭して書いてる時に
起きる、ライティング・ハイみたいな
境地をさすんでしょう。

自分はまだそんな境地に
なったことはありません。
まだ「ものぐるほしけれ」な
気持ちになるほど、
覚醒した境地には達していない。
書けば書くほどに
気持ちが妖しくなる、 
というのは、
よく作家がいう
「神が降りてくる」状態でしょう。

どんどん自我レベルの私では
出てこないような言葉が
きっと出来てる、出来てる。

心が狂いそう……のくだりは、
学校では避けて授業するし、
岩波文庫の現代語訳も、
はぐらかしています。

「心のままに書いていく」
というのは、本当に
自分の心の深みを見つめ、
書いて行くこと。

普段は制御してる欲望を解き放つ、
ちょっと危なくも楽しい行為。

自分の心を本当に見つめ、
論理性や知識を介在させずに、
自由気ままに書いていく。
じつにワクワクと楽しいでしょう。

心のままに書いて行く、
醍醐味と危なさ。
いつか私もそんな体験、
味わってみたいなあ。

700年前の、人生と観察の達人の
エッセイは、たぶんまだ、
日本文学エッセイ部門の
最高峰として
超えられてないでしょうね。

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