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【書く】好きな趣味のエッセイには敵わない!?

「好きを仕事にしよう!」には
私は賛成ではありませんが、 
作家たちを見て、
ある共通点を見つけました。 

たとえば、
村上春樹は音楽、特にジャズの
エッセイを読むと
力が適度に抜けていて、
リラックスしてるのが分かります。

いわゆる代表作とは
トーンがぜんぜん違います。 
気負いがありません。
足元も軽快にダンスしてるかの
ようなリラックスぶり。

川釣りが大好きだった
井伏鱒二も、
川釣りのエッセイは
「本業」の純文学に比べて
なんとも軽快です。

開高健も、大魚を仕留めたエッセイは
純文学の時には見せたことのない
清々さと無邪気さに溢れています。
好きな趣味を書くのは、
作家として相当たのしいらしい。
好きなことを書く時は、
いい感じで力が抜けているんですね。

鉄道オタクの内田百閒も、
「本業」の純文学も魅力的ですが、 
やはり鉄道エッセイ
『阿房列車』はスラスラと
読めちゃうんですよね。
気負いがないからでしょう。

西加奈子さんの料理エッセイがまた、
悠々とした自由感が満載で、
ふだんの西加奈子作品より
筆が自由な感じがするんです。

さて。
ならば、私は何を書けば
いいんでしょう?(笑)

アイドルについて?
お笑い番組について?
焼き肉について?

こういうのって、
相当くわしくないとダメでしょう?

かといって、
詳しくなるために勉強しちゃうと、
ダメでしょう?

あくまで、リラックスして
軽快に書かれるから、 
良いのであって。
なんでも勉強して書くのは、
まず楽しんでないし、
リラックスしてないし、
軽快じゃないから、
親しみやすいエッセイには
なりっこない。

う〜ん、最近、
本を読んでは、記事にして、
また読んでは、記事にして、
という毎日になりがちですが、
これは野暮というか、
粋じゃないというか、
呼吸がリラックスしてないですね。

井伏鱒二の釣りエッセイや
村上春樹のジャズエッセイは、
本業の純文学とはまるでちがうから、
読みながら、
笑みがこぼれてしまいます。

正直そうした「副業」より
「本業」の純文学のほうが
世間では売れたり人気になりますが、
それってなぜなんでしょうね?

ちなみに、
『深夜特急』でお馴染み沢木耕太郎は、
何冊も旅にまつわる本を
書いていますが、
代表作『深夜特急』より
旅に関するエッセイ『旅する力』が
筆さばきがリラックスしていて、
やっぱり、好きだなあ。

 

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