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【読書会@コメント欄】海外翻訳のお気に入り作品は何ですか?

これより、海外の翻訳作品で、
読書会を開催させていただきます。

と言ったのはいいものの、
実は昨日の夜からハタと
困ってしまってます。

たくさん海外の本も
読んできましたが、
どうも書いてく上での
手応えがあまりない。

中学校では
『トム・ソーヤの冒険』に
感動したけれど、
たちの悪いいたずらの連続に
うっかり?うっとり?
魅了させられただけ。
今のコンプライアンスで
今のポリティカル・コレクトでは
アウトになるいたずらも
あるかなあ??
でもいいんですよね、
あれは少年がガキ道を極める話
ですから。

高校までは、
父親の本棚から読む本を
探すのがメインでしたから、
海外といえば、
トルストイやドストエフスキーが
まず手にとる本ですが、
ロシア文学はねえ…
あまりに長いから、
食らいつく糸口を
見つけられなくて、
何度も挫折しましたね。

そうこうしてたら
ロシアにはチェホフがいる、
それも短編ばかりだと知る。
大学時代は、
チェホフ一辺倒でした。
短い。10ページ、20ページ。
なのに、書いてあるのは
人生の真実や虚しさや
魂の儚さについて。
これはいい。  
短くて、だけど、常に人生に
ついて何か考えさせてくれる。
これで、まずは
新潮文庫のチェホフの短編集を
読んでいきます。
次は戯曲も読んでいきます。
チェホフを読んでいけば、
きっと人生の「正解」にたどり着ける?
そう信じて中毒になることを
「チェホフ病」と言うらしい。

戦前戦後はチェホフ病に
かかった作家や読者が多かった。

ところが、ある日、
目覚めてしまうんですね。
チェホフには人生の「正解」が
書かれてる訳ではない、
探し続ける人物が
延々と書かれてるだけだと。

ああ、だいたい、
20代真ん中で、 
チェホフ病から解放されました。
『中二階』
『かわいい女』 
『ともしび』
『6号室』
『犬を連れた奥さん』。
どれも人生の虚しさ儚さを
濃厚に漂わせる阿片のよう。

チェホフ好きな日本作家は
けっこういますね。
開高健、広津和郎、太宰治…。
まだまだいるのでしょうね。

次に、海外作家でハマったのが
村上春樹が日本に広めた
アメリカの短編作家
レイモンド・カーヴァーさん。

この人もほとんど短編ばかりで、
 しかもどれも、人生について
何か考えさせてくれる深さがある。

『頼むから静かにしてくれ』 
『愛について語るときに
我々の語ること』
『大聖堂』
『英雄を謳うまい』
『必要になったら電話をかけて』
などなど、全集11冊。

O・ヘンリーではベタ過ぎる。
サキやオコーナーでは
読み味が不気味すぎる。
感動がやや表面的になりがち。

カーヴァーはそれよりもっと
心の奥深いところをぎゅっ~と
掴まれるようなんです。

あれ、これはデジャブ?
そうなんです。
このカーヴァーさんも
チェホフを愛した人だったのです。
晩年には、チェホフのとある一日を
書いた作品もあり、
それも当然ながら村上春樹が
訳してくれている。

結局、チェホフ病から
完全には自由になっていなかった。

ええい、もう一生、チェホフ病で
いいやと、中年期には
諦めの境地に入り、
他の出版社の チェホフ短編集を
集め出しました。

福武文庫、
岩波文庫、
ちくま文庫、
河出文庫、  
集英社単行本、
作品はけっこうありました。
でも短編はゴールが見えるからいい。

チェホフとレイモンド・カーヴァー。
短編好きな、
人生論好きな人はきっとみんな
ハマってしまうでしょう。
チェホフ病があるように、
カーヴァー病があるでしょう。

カズオ・イシグロあたりが
もっと短編に力をいれ出したら、
この二人の系譜を受け継いで
くれるかもしれませんね。

大袈裟過ぎず、
静やか過ぎず、
長過ぎず、
浅過ぎず、
そんな世界観。

海外翻訳作品、みなさんは
どんな本がお気に入りですか?
ミステリー、絵本、ホラー、
青春小説、恋愛小説、、、、
色々ありそうですね。

良かったら、みなさんの
海外オススメ作品の
話をお聞かせください。

この記事のコメント欄にて
記入していただければ幸いです。


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