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【書評】西洋人シャラポワが、谷崎潤一郎『陰影礼讃』を愛読していた!

今日はネットニュースで
ビックリさせられました。
ロシアの妖精シャラポワが
谷崎潤一郎の本について
書評を寄せたというのです。
経済雑誌「フォーブス」のサイトに
掲載されたんだそう。
記事によると、
もともとシャラポワは
日本文学が好きだそうです。

意外だなあ、と感じたのは、
それが谷崎の小説ではなく、
随筆『陰影礼讃』についての
書評だったことでした。

日本の家屋にある暗がりが
実は美学的に魅力的で、
それが日本文化の基礎でもある、
そう説いたエッセイです。

日本人だって、これを
読んでるのは、谷崎ファンか
純文学好きだけでしょう。
しかも、シャラポワは、
『陰影礼讃』をただ読んだだけでなく
愛読してるというんです。

光と陰。それは、
西洋文明と日本文明のような関係。
建築デザインや光学や
夜の明かりの陰具合。
そうしたことまで、
日本は古来、大切にしてきた、
と、、、、という最初の辺りで
私は毎回、眠気がして
途中で挫折してきました。

シャラポワやるなあ(笑)。
というか、私、毎回、途中で
なげだしてるんだから、
シャラポワに負けてるわ。汗。

それにしても、
『陰影礼讃』も
『文章読本』も、
西洋文明に対する谷崎の
逼迫した焦りに近い意識を感じます。
『文章読本』も、
西洋ばかりを学ぼう、
手本にしようとした
大正時代の日本に
一矢を報うものでした。
日本にだって
独自の素晴らしさがあるんだ、
西洋ばかり手本にするな、
そう谷崎はどちらの本でも
唱えているからです。

今日は何度めかの
『陰影礼讃』チャレンジ、
やってみようと思います。
あの本の背景には、
関東大震災以降に急速に
西洋的になっていく日本への
谷崎のメッセージが
込められている…と思えば、
今回は眠たくならないで
最後まで緊張感を持って
読めるかもしれません(笑)。

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