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ベトナムを知る~春を呼ぶ桃の枝-幸運を運ぶ伝説 -テトに込められたベトナムの心

ベトナムのテト(旧暦のお正月)は、ベトナムの最も重要な伝統的な祭りです。西暦で、通常は、西暦の 1 月末から 2 月初めにかけて行われます。テトは、春節とも呼ばれ、旧正月を祝うためのお祭りです。
今年のテトは、西暦の今日です。

ベトナム北部でのテト(旧正月)の伝統には、特有の風習や象徴がありますが、南部のゴールデンアプリコット(Mai Vàng)に相当する重要な植物として、桃の木(Cây Đào)カイダオが、挙げられます。

テトの期間中、ベトナム北部の家庭や企業では、春の到来と新年の幸運を象徴するために、美しく飾られた桃の木を置くことが伝統です。

1.桃の木(Cây Đào)の伝統

春の象徴
桃の木は、冬の終わりと春の始まりを告げる植物として、新しい年の新たな始まりと再生を象徴しています。桃の花が咲くことで、家族に幸運と繁栄がもたらされると信じられています。

邪気払い
桃の木は、その鮮やかなピンク色の花で悪霊や邪気を払い、家庭に良い気をもたらすとされています。このため、テトの期間中に家の入り口やリビングルームに桃の枝を飾ることが伝統的な習慣となっています。

装飾
テトに向けて、桃の枝や木はさまざまな装飾品で飾られます。これには、赤い紙で作られた幸運を象徴する言葉や、伝統的な装飾品が含まれます。

家族の絆
テトの準備として桃の木を飾る行為は、家族が一緒に新年を迎える準備をする大切な時間となり、家族の絆を深める機会となります。

2.トゥ・ビンとトラン・フン・ダオの伝説

旧正月の訪れと共に、ベトナムの大地は古の伝説を呼び覚ます。その中でも、天と地をつなぐ守護の神、トゥ・ビンと、鬼神を退ける伝説の英雄、トラン・フン・ダオ将軍の物語は、時の流れを超えて語り継がれています。

トゥ・ビンは、この世の全ての家庭が繁栄し、和平に包まれるよう見守る、大地の神。彼の優しさは、土の中から生い茂る草木に息吹を与え、人々の生活を豊かにしています。

一方、トラン・フン・ダオ将軍は、モンゴルの侵略軍という途方もない試練に立ち向かい、その不屈の勇気と戦略で国を守り抜いた、ベトナム史上、最も輝かしい英雄の一人です。

この二人が、共に登場する伝説は、旧正月の夜、人々の家庭に不幸をもたらそうとする悪霊や鬼が地上に現れるというもの。

その悪霊や鬼の出現に、毅然として、トゥ・ビンとトラン・フン・ダオが手にした桃の木の枝は、その神秘の力で悪しき者たちを遠ざけ、家々を守ると言われています。

桃の木の枝は、ただの枝ではなく、悪霊を寄せ付けない強大な力を秘めた護符なのです。

そのため、ベトナムの家々では、旧正月を迎えるにあたり、入り口や祭壇に桃の枝を飾ることで、新たな年が幸運と繁栄に満ちたものとなるよう願いを込めます。

桃の木は、その鮮やかな花と生命力あふれる姿で、新しい始まりと希望の象徴とされています。

人々は、桃の木を通じて、健康と富、家族の幸福、そして未来に待ち受けるすべての良いことへの願いを天に届けます。桃の木の下で結ばれる家族の絆は、世代を超えて強く、深いものとなり、その美しい花は、永遠の愛と希望のメッセージを伝え続けるのです。

3.ベトナムのテトの北部と南部

北部と南部で異なる木を使用するこの伝統は、ベトナムの多様な文化と気候の違いを反映しています。
北部では桃の木が、南部ではゴールデンアプリコットが、それぞれ新年を祝う象徴として重んじられています。

最近は、ベトナム北部のお家でも、黄金色のゴールデンアプリコットの木をお供えして、新年の富と繁栄を祈り、風水を取り入れる人たちが多くなりました。

どちらも、テトの祝祭において欠かせない要素であり、家庭に幸福と繁栄をもたらすと信じられています。

明日はベトナムテトに欠かせないもう一つの金柑の木を書いていきます。

ベトナムを身近に感じていただけると幸いです。


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