装釘のすばらしい書物09

『谷崎潤一郎家集』

家集とは、勅撰(ちょくせん)集・私撰集に対して、個人の和歌集のこと。谷崎の個人的な歌集という意味。
湯川書房より1977年に発行された。
装丁としては、函入り、函の題簽は金、銀撒き。クロス装、背革装のドイツ装になります。
判型が140×240と長方形の形をしている。和歌を記載するためにデザインされたものだと思われる。特殊サイズの印刷製本は規格サイズに比べて煩わしい事が多く、シンプルな造本だが手の込んだものと言える。見えないところに心を砕くというのは、なんとも日本的な美意識に思える。


本文


表紙


ドイツ装とは、製本方式の一種で、表紙の面と背が分離して製本されているものを言います。素材を変える事で本に表情が出ます。
元パラ、帯有り
特装版としてもう一種類出ています。

.湯川書房
1070~80年代に交流した限定本の担い手
湯川成一(1937~2008)
1969年大阪市で設立。1998年京都市移設。
証券会社で働く傍ら独学で本作りを始める。詩人マラルメの著書の美しさに感銘を受け造本を決意。

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