ありそうもない表紙で巡る名作(その2:日本文学編)

先日、もし岩波文庫がハリー・ポッターを出したら(ありそうもない表紙で巡る世界の名作)というものを書きました。『ハリー・ポッターと賢者の石』を岩波文庫風の表紙にしてみたり、ゲーテを官能小説風の表紙にしてみたりと、ふざけた記事だったのですが、一部の文学好きな方から「ぜひ日本文学編もやってほしい!」と言われたので、ご要望にお応えして、日本文学の名作(?)をありそうもない表紙でご紹介していきたいと思います

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ブックデザインは誰のものか? トークイベント「装丁と紙でふりかえる平成」をふりかえる

もう一ヶ月も前の話だ。デザイン性と汎用性を兼ね備えた紙の発展を牽引する「竹尾」の展示・装丁万華鏡にて、装丁家・桂川潤、装丁家であり日本図書設計家協会長を務める小林真里によるトークイベントが開催された。長く装丁に携わった二人による「ふりかえり」はまさにタイトルに相応しく、平成の背景となる明治〜昭和、DTP台頭の平成、そして令和への展望も含めた充実の内容であった。(いまさらながらメモが出てきたので、雨

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装幀ヲ浪漫スル —もうすぐ絶滅するという紙の書物に恋して

あなたはこの大型連休、何冊の紙の本を手に取っただろうか?
ひと昔前、連休といえば「普段は取り組めない分厚い本を読む」という人も少なくなかった。
しかし今や、紙の本は、そんな地位にはいない。

紙の本は読むための道具として完成形であると、紙の本愛護団体の人たちは、しばしば語る。飲むためのスプーンが、そうであるように。だから電子書籍とは棲み分けができる、と。
あるいは、かの米国における研究によると、電

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おすす麺10選④麻婆麺/SHIBIRE NOODLE 蝋燭屋(銀座)
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小説 『グッド・バイ』読後感

グッド・バイ (新潮文庫) 文庫–太宰 治 (著)

小説『グッド・バイ』を久しぶりに再読しました。美的印象を与えるような素敵な装幀で、再読してみる気持ちが湧いたのです。

読み通すことが出来たのは、文体が秀逸だったからだと思います。書籍の内容はすっかり忘れていましたが、新鮮な風味があって面白く読みました。没後71年が経った現在でも、人気があることがうなずける小説です。

本書は戦後の数年間に短

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本の装幀について

装幀に関心を持ったのは、電子書籍を出版する予定の小説『夏のかけら』のことを考えてからです。

※本文をクリックすると、電子書籍:小説『夏のかけら』キンドルストアのページが開きます。

作品を出版して世に出す限りは、少しでも、多くの読者と出会いたいという願望があります。
本の装幀の良し悪しは、男女の出会いに似ていると思います。素振りや口振りであったり、髪型・服装・持ち物などによって、相手に与える印象

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「わたしを離さないで(イシグロ・カズオ)早川書房」
受け入れがたい運命を受け入れるようになるために、高度に洗脳していく課程がリアル。
知ってるのに知らない。表層的には知ってるけど、深くは追わない。
未来のことは考えない。
これは私たちの日常にもよくあること。特別のお話ではない。