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【コラム】「ネガティブ」は大きな原動力

悔しい・悲しい・怒り・恥ずかしい…
色々な「ネガティブ」が感情には存在しますが、これらの感情は何かに立ち向かう時の「爆発的」な原動力になると実感します。

しかし…ネガティブをエネルギーにした原動力は、意外と「持続性」に乏しいことも。
「親の仇!!!」のような怒りは別として、その他のネガティブは、感情が薄れていくもの。

人の脳や感情って本当によくできてますよね。

もちろん、嬉しい・楽しい・幸せ・アガる…のようなポジティブが多ければいいですが、毎日そればかりではないのは私も同じです。

けれど、ネガティブな状況に対する「なにクソ〜!!!」的な気持ちが強いのも、ある意味私の長所なのかもしれません。

冒頭に提示したネガティブ四天王。
その中でも、私は「恥ずかしい」「悔しい」から這い上がってきた人間だと自負しています。笑

この二つの中でも「恥ずかしい」は、その始まりの種は小さくても、人の動きを鈍らせる威力がすごいですよね。
対人関係でも、仕事の接客の場、大勢の前で何かを発表する時など、「恥ずかしい」が優ってしまうと、前に一歩進むちょっとした勇気「えいや〜」がどうやっても出なくなってしまう。

そんな経験、皆さんもありませんか?

それで言うと、私は人生で感じた恥じの大半を、社会に出てから感じました。

学生時代までは、「無理しなくていいよ〜」が当たり前の環境でも、社会に一歩出たら「これくらい出来るよね〜」に状況が一変します。
私にとってのその代表例が、外国人対応でした。

世間的には、「CAさん=英語ペラペラ」という印象をお持ちの方も多いのですが、実際にはそんなこともありません。
海外暮らしが長いような帰国子女も多くいますが、私のような
「日本生まれ・日本育ち・英語は学校教育のみ・海外経験は旅行のみ」
という人も少なくありません。

そのような人でもお客様の対応が十分に行えるよう、企業では「英語の会話マニュアル」を用意しています。
これが非常にありがたい!!

けれど…お察しの通り、そのマニュアル通りにことが進めば苦労はありませんが、大半はマニュアル以外の状況がほとんどです。

その状況に、入社1年目の頃は、毎日がため息の連続。
咄嗟に英語が口から出てこず、十分な対応ができないこともありました。

最近の訪日外国人の状況を見ても分かりますが、私が新人だった2009年頃も、東京・北海道・京都・沖縄は外国人に大人気でしたし、特に沖縄には
米軍基地がある関係で、国内線でも外国人旅客が多くご利用になります。

成田=那覇(沖縄)では、お客様の90%以上が外国人のお客様ということも珍しくありません。
なので、毎月のスケジュールにこの路線のアサインが入っていると、ものすごく憂鬱な気持ちになった記憶があります。

成田から那覇に乗る外国人旅客=海外からの長距離移動中の方が大半です。

例えば小さなお子様連れのお客様などは、日本では見たことのないような「お子様用機内便利アイテム」を持ち込んで使用するお客様も多くいらっしゃいます。

(心の声&本音)
「う…なんだコレは??コレは使っていいやつ?ウソ…聞きに行かなきゃ…見なかったことにしたい…」

けれどそんな訳には当然いきません。
初めは破茶滅茶な英語でお客様にアプローチしていました。トホホ

実はある時、移動の為に同乗していた自社のパイロットが、私の外国人対応を見かねて助けてくれたことがあったのです。
その事例も、今考えると本当にたいしたことのない内容でした。

それが本当に恥ずかしかった…
「あ、このCAさん、英語喋れないんだ…」
言葉にしなくても、周囲の方がそのように思っているだろうと深読みしてしまい、そこからの2時間は地獄でした。

その経験がまさに「スイッチ」に!!
「二度とこんな思いをしたくない!!」と、「恥ずかしさ」が原動力となり、英語対応の猛特訓をしました。

英語の勉強でも、英会話の勉強でもありません。
「英語対応」の特訓です!笑

知識があっても、旅客対応が必要なタイミングに、言葉が出なければ意味がありません。
とにかく現場で使えるに重きを置き、練習を開始しました。
まさに「火事場の馬鹿力」的動力で。

あの時の「恥ずかしい」がなければ、私の成長は確実にありませんでした。

しどろもどろな英語で旅客対応に苦慮していた私が2年後、外国人CAも含めたマネジメントが出来るようになり、まさかその5年後には外国人CAにもフィードバックをするインストラクターになろうとは…。

その都度色々な「恥ずかしい」はありましたが、それでもそこまで行けたのは、あの時の「恥ずかしい」のおかげです。

最近、インバウンド旅行者が多い仙台でも、飲食店やカフェで外国人対応に苦慮しているスタッフの方を多く見かけます。

中学1年英語の教科書に出てくる「ハンバーガーショップでの注文」を思い出しますが、“For here ?”の一言が出てこずに力技で「て・ん・な・い・で・す・か?」と日本語で押し通すスタッフの方を見ると、あの頃の自分の姿が浮かびます。

色々な状況から湧いてくる「ネガティブ」も、使い方次第で爆発的な自身の変化につながります。
「本当に私の英語って正しいのかな?」
「私の発音で通じるのかな?」
「なんか怖いな、恥ずかしいな」

色々な気持ちがあると思いますが…
ちょっとした「えいや〜」で、見える景色やお客様の反応が驚くほど変わります。

発音なんて完璧じゃなくていい。
文法も間違えたって問題ない。
SNSによくある「ネイティブはそんなこと言わないよ〜」も気にしなくていい。

第一声の
“Hello"
"How are you"
"May I help you"
そして最後に
"Thank you"
"Have a nice day"

全部中1英語ですが、コレだけでも印象がガラリと変わります!!
ネガティブから始まる勇気の一歩で、お互いのワクワクを増やしていきませんか?


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