トランプが今も大統領なら戦争は防げたのか?

トランプが今も大統領であったならウクライナ戦争などの戦争を防げたのではないか?と言う意見を聞く。私は過去のトランプ政権が一定の役割を果たし国際的な平和を維持したことについては同意するし、トランプの交渉力や発言は様々な取引をしてプーチンとのやり取りを上手く進められる人物であることにも同意する。
しかし、長期的に見たときトランプだったらウクライナ戦争が防げたという意見には賛同できない。まず前提として過去の出来事にifを付けること「もし」「もしも」を語ること自体がナンセンスであり、無意味であるという事。そしてもう一つは拡大主義的な行動をとる国家に対して融和的な政策をとり続ける姿勢はその場は平和を保てても長期的には泥沼の戦争、さらにはもっと大きな戦争を招く可能性があることである。
歴史的な事実を言えばイギリスのチェンバレン政権はナチスに融和的だったが結果的に世界大戦を防げなかった。また戦前の帝国主義の日本がその拡大主義をアメリカが融和的であれば止められたかと言うと止められるとは思わない。
その場しのぎの平和主義は結果的に拡大主義国家に成功体験を与えて拡大主義的な国家元首はその博打を繰り返すようになる。結局、世界はいずれ覇権主義とは対立せざる得ない運命にあるともいえる。ですからこの戦争は結局は場所や地域を変えて起こったでしょうし、場合によってはもっと大きな戦争、中国などを巻き込んだ戦争になっていた可能性も否定できないと私は思っています。
私は1国家の抑止力による平和には否定的ですが世界全体のパワーバランスの抑止は無意味ではないと思う。私は台湾は中国の領有だという事を認めつつも結果的に西側が団結してウクライナを支援したことは台湾などの地域でも同じことが起こるという中国へのある種のメッセージになったと思います。
しかし日本のような国がその分不相応な抑止力を持つことはむしろ不安定化を招くとは思います。様々な事を言いましたが結局、何が正しくて何が間違ってるのかそんな判断をする事はとても難しい事です。
何かの予測は誰が見ても間違ってない事もあるし誰が見てもそうなるのは必然な出来事もあるからです。
それにそれが致命的な予測であることもあるし、致命的でない予測でもある事があります。そしてそのような致命的判断は往々にして誰が判断したかよくわからないまま進んでいくことになります。
ナチスドイツの判断をヒトラー1人が判断したと言い切っていいのでしょうか?もちろんヒトラーが責任者であると思います。しかし彼でなければその判断がされなかったと言う証拠はあるのでしょうか?
私たちの世界は想像以上に複雑で確実性と不確実性が入り乱れそしてあらゆる判断の結果の被害や失敗の問題もあります。
ifであれば過去に対して何とでも言えるでしょうがその時、その場において正しい判断ができる人がどれだけいるでしょうか?
私たちは想像以上に今も暴力的な世界を生きています。ただその暴力が見えにくくなってるにすぎません。
私はいろいろ考えたけど抑止力がどこまで正しくてどこまで間違いなのかわかりません。たぶんみんなそうです。あの時、正解だった人が今日正解とは限りません。
だから何かの民主的な判断をするのをやめようと言うつもりでもないです。ただ自分がした選択が正しいのか間違いなのか。常に問いかけなければならない。
それが正しかったと正当化し、思考停止すればするほど。私たちはひどい運命を選択する事になるかも知れません。


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