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西野 友章
2020年10月13日 21:24
口ひげの、しかめっ面の、横顔写真から、森鷗外は、古くさくて、とっつきにくいと、勝手に思い込んでいた時期があった。今では、年に一度は読みたくなる作家のひとりになっている。それはたぶん、人間本然の姿を美し描くから、権力者たちをたじろがせてくれるから、人間の潔さや強さのようなものを感じさせてくれるから、そんなふうに僕が感じているからなのかもしれない。この作品もそうだった。あらすじ積み
2020年10月5日 19:57
心の奥の生々しい悩みにひたって、どこか落ち着かない感じのまま読みおわった。大正7年(1918年)、毎日新聞に連載された「生れ出ずる悩み」は、画家を目指しながらも、才能に自信が持てず、生活のために働こうとする青年と、その青年をおもんばかる文学者の煩悶が描かれていた。又吉直樹氏の作品も、よく創造的な職業への苦悩を題材とした小説があるように思うが、100年前の有島は、この作品に何を込めたのだろう