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タイの農園に初めて行く

兼業農家は大変そう


「ウチの農園に来ませんか」と妻の同僚が誘ってくださり、その先生の奥様の実家に訪れた。その先生はもともと日本の大学でタイ語を教えていたが、奥様の農園のお手伝いをしなければならなくなりタイに戻ってこられたそう。今は大学で日本語を教えながら、兼業で果物農家をやっていらっしゃるとのことでその体力と気力のすごさに圧倒された。その農園も大学から車で1時間以上かかる場所にあり、授業のある日は遠くから車で通っていらっしゃるとのことだ。

タイに来てから通勤に片道1時間かけているということに「すごすぎる」と思ってしまうのだが、日本で働いていたころは私は1時間半余裕でかかっていたので、やっぱり日本の常識は海外ではそうではないことを感じる。ただ、誘ってくださった先生は東京ドーム何個分だろうというだだっ広い農園で管理、収穫をしながら、往復2時間以上かけて大学でも教えていらっしゃるのはすごすぎる。今の私は何をしているんだろうと自分が情けなくなる。

イメージと違った農園

タイの果物

農園に案内していただき、見てみると思っていた「農園」と違っていた。タイでよく食べられているランブータン、ロンガン、いろんな種類のバナナ(日本は果物の種類は本当に少ない)を育てている農園とのことで、ビニールハウスとかあるんだろうかなんて思っていたら全然違う。区画ごとにそれぞれ植えられているものの、日本の農園のような植物工場のような感じではなかった。


ミミズ工場

有機農業とのことでどんな風にしているのか伺うと、農園の中に「ミミズ工場」があり、牛糞の中にミミズを住まわせた箱を作り、ミミズの糞を肥料にしているという。ある一定の期間が経つと箱をふるいにかけ、ミミズ、ミミズの糞、ミミズの卵を分けて糞以外をまた箱に戻して糞の肥料を作るとのこと。糞なので臭いのかなと思ったら全然臭くなく、牛糞のままだと臭いが、ミミズを通すと臭いが消えるとのこと。有機栽培は一般に難しく成功しない農家が多いため辞めてしまう人も多いと日本では言われているが、先生はこれをずっとされていて、かつ果物もすべて実がしっかりとしていて味が濃くとても良質なものでおいしかった。私の小さいころ親が園芸が好きで一緒に土いじりをしていたが、親がミミズのいる土は健康的ないい土なんだと教えてくれたがそれがここでつながったとても興味深い経験だった。

虫が糸をつくる

蚕ってすごい

先生が「近くで生糸を生産している農家さんがいるから見に行く?」と提案してくださり、見に行った。小学校で蚕を買って育てていたという方がたまにいらっしゃるが、私は生糸は歴史の授業の三角貿易でしか聞いたことがなく、生で見るのが初めてだった。虫が糸を創り出すなんて「なんて神秘的なんだ」と思い見てみると、本当に不思議だった。糸がまっ黄色なのだ。他の色のものも作ることができるという。農家さんによるとタイのRoyal Project(タイ王室が推進しているブランドで質の良い名産品プロジェクト。食べ物から化粧品などお土産屋さんで買えるのでぜひ皆さん旅行の時に買ってみてください)にいつも納品しているようで国から認められた生糸であるとのことだった。日本にも輸出しているとのこと。国へのレポートのために「日本人が視察にきたよ!」という写真を撮った。少し前の時期であれば生糸を蚕が作っているところも見られたそうなのでいつかその様子も見てみたい。




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