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製本して、読んで、装画を描く

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ピンチョン『ブリーディング・エッジ』を趣味で、製本、読書、装画を描いた話。
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ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|⓪前段

ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|⓪前段

『ブリーディング・エッジ』とはアメリカの大御所作家トマス・ピンチョンが2013に発表した小説です。未邦訳ですが、来年にもピンチョン全集を出している新潮社から出版されると情報が出ました。

そんな未邦訳作品を「製本して、読んで、装画を描く」に至る経緯を備忘録的に書き記して行こうと思います。

ちなみにこれは仕事とかではなく、完全に趣味の話です。

本(装画無し)はこんなに風になります。

トマス・ピ

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ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|③装画を描く

ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|③装画を描く

前回:読書感想文

さてさてようやく読み終わり、ホワンホワンとした頭でどんな絵を描くか考えます。
感想のところでも書いたように何かが一点に集約するイメージは入れたい。
ワールドトレードセンタービル(WTC)をそのまま描くのは避けたい。面白くもなんともないからね。

ディープウェブや、トイレの配管、ゴミ、ニューヨークの地下の表情もだしたい。うーんうーん全部は無理か。テロ。WTC。双子。エッジ。消失点

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ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|②読む

ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|②読む

さあ読みます。
というか読みました。ここには感想を書きます。

長いので装画にスキップしたい方はこちらから。

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改めて『ブリーディング・エッジ』はこんな作品

舞台はニューヨーク、2001年(つまりテロの起きた年)の一年間を描く物語。金融不正調査をしている主人公マクシーン・ターナウがひょんなことから(便利な言葉ね)ディープウェブを行ったり来たりで、ニューヨーク地下を蠢く闇に触れていく、

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ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|①製本する

ピンチョン『ブリーディング・エッジ』 製本して、読んで、装画を描く|①製本する

前段はこちら

いよいよ製本します。

私は本は紙で読むのが好きです。
特に読み進んだ距離がアナログに理解できることころが好きです。
それに製本も学生時代に何度かやって好きだったので、これを機にこの分厚い本を製本してみよう!ということで意気揚々と準備をはじめました。

■下準備adobe InDesign で文字組をします。
行数や文字の大きさ(Q数)、使うフォントを選びます。
いただいたデータが

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