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子どもが泣いて収拾がつかない状況で ふと思う

子どもの機嫌に予報はない。
台風シーズンに関係なく、時には急に暴風が吹き荒れる時がある。
今日も急に暴風が吹き荒れ、大波に足をとられる私。

子どもが泣きに泣いて止まらない。
子どもには何か要求があるのだろうが、その要求が時として私には理解不能だったりする。
抱っこしたり、スイングしたり、歌を歌ってみたりするのだけれど、
「違う!」
と言わんばかりに、さらに声を張り上げて泣く。
「再度要求する!」
と言ったアピールなのかどうか。
子どもの泣き声は独特の甲高さがあり、うちの子は最近特に声が大きく出るようになってきたので、耳元で、
「再度要求する!」
をやられると、鼓膜がキーンとなり、瞬間的にイラッとしてしまうのだ。

そのうち子どもも要求云々は関係なく、アイドリングを効かせたエンジンのように絶好調で爆音を響かせ続ける始末。
本人も加速がついて収拾がつかない、いわゆるギャン泣き状態。
ついには私も作戦が尽きてきて、どうしたらいいのかわからなくなる。

結局、抱っこ+スイング+歌をやり続けるしかない。
12ラウンド立っていられるかどうかと言ったところ。
子どもはもう11kg超級。
腕、肩、腰にもろにくる。
正直相当きつい。

しかし、今日はやり方を変えてみた。
テレビで録画しているジブリ作品を流し、泣き叫ぶ我が子をほったらかして、隣の部屋へエスケープしてみた。
何でそうしたのか。
その時の私はイライラが頂点に達していて、咄嗟に君から距離を置いてしまったんだ。

私は水をコップ1杯ぐいっと飲んだ。
ふーぅと深呼吸する。

我が子よ。お互い冷静になろうではないか。
たまには父も君に白旗を上げてしまう時がある。
許してくれるか。

隣の部屋で聞き耳を立てていた私は、
案外早く君の泣き声が聞こえなくなったので、ほっとした。
結果的にこの作戦は大成功を収めた。
いつも成功する訳ではないだろうけど。

子育てをしていると、やっぱり自分には無理なのではと時々思う。
しかし、何かと工夫を凝らしたり、偶然の思いつきで、乗り切れてしまうこともある。
今回のようなミラクルが降ってくることもある。
そんなことに味をしめて、また明日から肩の力を抜いて子どもと接していこうという気分になれる。

数分後に何事もなかったように、引き戸をスーッと開けて現場に戻った。
「あーっ!」
と君は大きな声でまっくろくろすけを指差して私の方を見る。
「まっくろくろすけ、おるなー」
と返す私。

数分前が嘘のように笑いあえる。

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