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映画「はるヲうるひと」


人間に与えられた感情 “愛” とは


 現在、絶賛公開中の原作・脚本・監督を佐藤二郎さんが担当した映画「はるヲうるひと」を視聴させていただきました。

 今作を一言でいうと、”ポルノ観点から見える愛”でしょうか。
セックスは基本、愛があるものです。ですが、娯楽(風俗)として楽しむセックスには愛があるでしょうか。

①【内容】
 島でかげろう(風俗)の客引き・雑用を日々こなしている主人公・得太(山田孝之さん)。
そのかげろうで精神状態が不安定ながらも働いている妹のいぶき(仲里依紗さん)。
この2人、ほかの従業員を暴力で支配し、取り仕切っている腹違いの兄の鉄雄(佐藤二郎さん)。

 得太は、日々鉄雄から受ける虐待に耐えながら、自分と病気である妹、遊女たちの生活を支えている。

 生きていくのがうんざりなる日々。
 自分という人間の存在価値を探しています。

 得太といぶきの父は、鉄雄の父でもあり、得太といぶきは、父の妾であった女性との間に生まれた子。正妻は、鉄雄の母である。

 兄の鉄雄は、父と妾の女性が心中し、その後実の母も自殺したことから、得太といぶきを心底恨んでいる。

 そんなある日、妹いぶきに鉄雄がしてはいけないことをしてしまう。

 その現場に居合わせてしまった得太が見たものとは…


②【佐藤二郎と言う役者】


 近年では、福田監督の「今日から俺は」や「新三国志」などでコミカルな姿が役者として逸脱している。
 だが、今作はそんな佐藤二郎さんのコミカルな芝居は一切ない。”悪役”を演じ切った佐藤二郎さんの演技を是非みていただきたい。

③【ポルノ】
 今作の中には、多くの性描写が出てくる。ポルノ映画としての観点があります。近年では、ポルノ映画を作られることは少なくなっており、そんな中でも佐藤二郎さんがメガホンを取り製作したことに感動を覚える。
 今作の性的描写の類似作品として映画「火口の2人」を自分は連想した。

④【まとめ】
 予備情報を持たず、今作を視聴しました。
想像の斜め上を行く作品だったので、映画冒頭で魅了させられました。

愛を知らずに生きてきた得太。言葉にしたくても言葉にすることができない得太を脚本の段階で理解し、役に落とし込んでいる山田孝之さんの演技が素晴らしいです。

 結果、愛とはなんなのだろうか。
 そう考えさせられる作品でした。 

 佐藤二郎さんの役者としての違った一面を知りたい方も必見です。

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